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孤児

いいね、ありがとうございます。

 リアムが、明日働いている所に挨拶に行きたいと言ったので、それが終わってリアムが帰ってきたら孤児院にみんなで向かうことにした。


 今日は町の家で、おやすみだ。みんなにクリーンをかけ、布団で寝かせる。私も子供達の横で一緒に寝た。


 赤ちゃんが夜泣きしたので、クリーンをかけお乳を上げた。院長は偉大だなぁと思った。




 みんな朝目が覚めて、ダンテが作ったごはんを食べて、デザートにはライチを出してあげた。食べ方が分からなかったみたいなので、見本を見せて食べた。美味しかったみたいだ。


 赤ちゃんにお乳をあげて、クリーンをかける。

 リアムは勤め先に挨拶に行った。果物を持たせた。小さい子供を雇ってくれた所だ、良い人だろう。


 リアムが帰って来たので荷物を片付けて、私は赤ちゃんを抱っこした。みんなに私に触るように行って、全員が私に触ったら瞬間移動で孤児院の玄関にとぶ。



 急に変わった景色に子供達は驚いていたが、先導して、院長に挨拶に行った。

 みんなも元気に挨拶してくれた。


 乳幼児を院長に預けて、私はみんなの身なりを整える為、散髪室に行く。


 履歴から散髪の道具を椅子以外買い、小さい子から髪を切っていく。4人だからすぐに終わった。

 後は服と下着と靴下に靴だ。沢山の子供の服を買ったので、大きさを見れば大体のサイズは分かるようになった。靴はちゃんと見ないと分からないけどね。 


 みんな終わったので、院長に逢いに行く。乳幼児の子供と一緒に部屋にいた。私が赤ちゃんを見ておくので、他の4人を案内してもらう。


 赤ちゃんが泣き出したので、クリーンとお乳を上げる。しばらく赤ちゃんを抱っこする。軽いなぁ。大丈夫かな?子供の温かさを堪能する。

 寝出したので、ベビーベッドをアイテムボックスから出して、赤ちゃんを寝かせる。

 何で子供を捨てるのかな?両親が死んだから?貧困の為?何でだろう。こんなに可愛いのに。


 私が赤ちゃん欲しいなぁーと考えていると、院長が帰ってきた。


「カヨさん、ありがとうございます。あら?これは?」


「ベビーベッドです。使って下さい。あとお乳を飲む為の哺乳瓶です。クリーンをかけて使って下さい」


「ありがとうございます。使わせてもらいます。哺乳瓶?ですか?赤ちゃんの食事に良さそうな形ですね」


「この赤ちゃん昨日見た時、飢餓状態だったのでどんどん食事させてあげて下さい。さっきお乳をあげたので、次は起きた時でいいはずです」


「まあ、カヨさんありがとうございます。あとの面倒は私が見るので、良いですよ」


「はい。院長にお任せします。子供達を受け入れてくれてありがとうございました」


「ここは孤児院です。また子供を見つけたら保護してあげて下さい」


 了承と別れの挨拶をして、玄関で自分にインビジブルをかけて、子供達がいた町にとぶ。


 スラムを一軒ずつ確認して、怪我病気の人がいたら治してあげる。

 いきなり腕が生えたりしてびっくりしていた人もいた。孤児は他にいなかった。

 貧しいけど家族で暮らしている人もいた。そんな家には子供に金貨の入った袋を渡す。

 しない偽善より、する偽善。私の満足の為にしている事だからいいのだ。

 この町にも孤児院が出来たらいいのになぁ。



 私は飛んで次の村々に寄っていく。村の人は元気だ。麦が強いって事は、食事に困らない。良い事だ。


 道を飛んでいると、兵士達が魔物と戦闘していた。少しだけ手を貸す。兵士の勝利で終わった。

 よしよしと思いながらまた道を飛んで行く。この国の兵士は働き者だなぁ。だから安全が保たれているんだ。


 少し飛ぶと、壁に囲われた大きな街がある。誰にも見られないように、インビジブルをといて門から続いている列に並ぶ。

 前に並んでいる人に何て街なのか聞いてみる。不思議な顔をされたけれど、イワンの街だと教えてくれた。

 門で商業ギルド証を見せたら、すぐ中に入れた。まずは、冒険者ギルドに行く。誰か冒険者の人が果物を売りに来てないか、確認する為だ。

 ギルドの人に聞いたら「昨日の物ですが」と赤く染った実を出してくれた。

 迷わずお買い上げさせてもらう。少し傷はあるが、おいしそうだ。アイテムボックスにしまっておく。


 もうすぐ昼食なので、屋台で食べてみることにする。焼きそばみたいなものがあったので、持参したお皿に盛ってもらう。

 隅により食べると予想とは違う味だったが、どこか懐かしいような味がした。

 やっぱりこの世界の料理は美味しい。逆に美味しくない料理に興味が出てきた。


 屋台で美味しくなさそうな物を探していると、紫色の団子みたいな物が売っているのを発見した。

 さっそく買ってみる。屋台のおばさんの話しだと、この地の特産なんだそう。一口食べる。芋みたいな甘みがある食べ物だった。普通に美味しい。

 お土産に60個包んでもらった。おばさんは嬉しそうだった。


 アイテムボックスにしまい、観光をすることにする。

 すぐ近くで10歳位の兄妹だろう2人が案内しますと声を上げている。

 近づいて案内をお願いする。「何処がいいですか?」と聞いてくるので、2人にお任せする。

 定番の観光地を案内してくれるみたいだ。


 綺麗に整えられた公園にきた。クレープのような甘味を売っている。

 2人にも食べるように「何がいい?」と種類を聞いてみる。遠慮したが、私が1人では食べないと言うと売り子のお兄さんも子供達に聞いてくれた。

 2人は決心したように、注文する。少しお高めな値段だったが、問題ない。

 3人で大きめのクレープみたいなものに舌鼓をうった。お腹いっぱいだ。


 次は何かの銅像がある所に案内してくれた。有名な銅像らしいが、待ち合わせの場所として使われているらしい。あるあるだね。

 また歩きながら、2人の身の上を聞く。両親ともいるらしいが、父が怪我で仕事が出来なくなり、母親は今病気で働けないらしい。それで街案内のガイドをしていたそうだ。ここにもいた、勤労少年よ。


「手を出して」


 兄が手を出す。金貨2枚握らせる。


「えっ!多いよ!」


「いいの。2人いるから金貨2枚ね。それと今ならお父さんとお母さんの病気も治してあげるよ」


「えっ!本当!?できるの?」


「出来るよ。私凄い魔法使いなんだから」


 笑いながら言う。兄はびっくりしていたが妹が兄の袖をひく。


「よろしくっお願いしまっす!」


「はい。よろしくされました」


 2人にクリーンをかけて、頭をなでる。サラサラになったね。妹が私の手を握ってくる。愛奴よ。


「今から行ってもいいよ」


「っありがとう!」

「お姉ちゃんありがとう」


 少年が道案内してくれて、妹が私と手を繋いで歩いている。妹ちゃんよ逃がさない為じゃないよね。信じてるよ。


 普通のちょっとガタがきている家に案内された。中に招き入れられて「父さーん」と少年が呼びかける。


「どうした?……どちら様で?」


「父さん!このお姉ちゃんが怪我治してくれるって!」


「はじめまして、カヨと申します」


「カヨさんですか。うちにはお金がありません。すみませんが……」

「お金を貰おうと思ってませんよ。強いて言えばこの子達のガイド料ですかね」


「父さん素直に治療を受けて!このお姉ちゃんすごい魔法使いなんだって!」


「お父さん、椅子に座ってもらえますか?」


 少年が父親を椅子に座らせる。私はサーチをかける。このお父さんどこか高い所から落ちたな。


「高い所から落ちましたね。左半身が上手く動かないでしょ。治療中は身体がぼきぼきすると思いますが、治っている証拠ですので安心して下さい」


 「はぁ」と気のない返事が返る。治癒魔法を父親にかける。3人がびっくりしてる。そりゃ、皮膚の下で骨が動いたら驚くよね。

 父親は骨折がちゃんと治って無かった。複雑骨折。骨の接合が正しくなかったせいで、半身不随とまではいかなくても、上手く動かせなかったはず。放って置いたら、一生そのままだっただろうね。


「お父さんはもう治るよ。お母さんの所に連れて行ってくれる?」


 妹ちゃんが手を引っ張る。着いて行く私。

 女性がベッドで横になっている。病気のお母さんだろな。近づいてサーチしてみる。過労と熱が高いせいで、肺炎だ。治癒魔法をかける。

 赤かった顔が、荒かった息が普通に戻る。妹ちゃんがたまらず「お母さん!」と縋り付く。ろくな物食べて無かっただろうから、ダンテ特製の美味しいものを食べさせてあげよう。


 お父さんの治療が終わったみたいだ、少年と一緒にこちらを見ている。妹ちゃんが縋り付いたせいでお母さんの目も覚めたみたいだ。妹ちゃんを抱きしめている。


 なんか、感動な親子の中で場違い感がしてきた。治したの私なんだけどね。



 落ち着いた所で、みんなダイニングへ。

 両親には食事を出してあげる。子供達は私と一緒にダークチェリーを食べる。種は食べちゃダメだよ。


「カヨさん、妻共々治して下さりありがとうございます」


「良いですよ。子供達が頑張っていたから、お手伝いがしたくなっただけです。食事を食べて下さい」


「ありがとうございます」

「「カヨさんに感謝を」」


 食事を食べはじめる。美味しそうに食べてくれるので嬉しい。ダンテの料理は美味しいんだ!

 子供達は果物を食べて満足そうだ。クレープもどき食べたのに、もうお腹に入るんだね。子供の身体って不思議。

 ライチも出してあげる。美味しいんだよー。皮をむいてぱくり。子供達も食べ方が分かったのか食べて美味しさに悶えている。わかる!わかるよ君たち!

 お父さんとお母さんもどうぞ。食べて下さい。

 貴方達家族だね。やっぱり場違いな気がしてきた。


 食器を片付けて、お土産にメロンを一玉置いてきた。背中にお礼の言葉を受けて街を歩く。兄妹がいなくなったら寂しくなってきた。孤児院に行こうかなぁ。近くの人に孤児院の場所を聞く。マップにチェックして、新たな出会いに行こう!





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