オールインワンジェル・プイの恵み
新しく孤児院から雇った子はロアちゃんと言う名前の女の子。
ちょっと引っ込み思案で、でも優しい子。
孤児院の子供達のことを兄弟のように大事に思っている。
ミーチェちゃんの送り迎えを担当しているので、家に住み込みで働いてもらっている。
魔道具屋の仕事は難しい事は無いので店番と、商品の在庫が入ったマジックバッグを渡して、商品の補充もお願いしている。
地味に爪切りなんかは売れ筋だ。後は鏡とか。鍛冶屋さんとかが頑張って、この世界産の物が出来たらいいんだけど。
ルーフバルコニーに新しく果物を植えました!ぽんかん!とダークチェリー!やっぱり魔木化して、散髪屋で新しいメニューに加わった。
両方とも皮がしっかりしてるから、持ち帰りは楽かも。
魔木化したら甘味が強くなって、美味しくなった。
私は毎日ぽんかんを食べたら、肌がすべすべになった。
果物を沢山食べると肌がすべすべになるよね。太るけど、私には関係ないんだ。だってメンリル様から貰ったこの身体、太ったり痩せたりしないんだから。
ダークチェリーはさくらんぼより好きなんだよね。果物食べたいけど、ちょっとでいいって時につまみやすい。果肉がしっかりしてて、甘味もあっておいしいんだ。
私は部屋でつまんでおります。アイテムボックスに入れておけば、いつでも食べられるからさ。
美容室の脱毛テストは順調です。ちょっと毛が薄くなったかなぁ?程度だけど、リンダもタエも効果は実感してきているらしい。
化粧水を作る件だけど、錬金釜が良い仕事してくれちゃって、化粧水じゃなくってオールインワンジェルが出来ちゃったんだよねー。
ほんのりピンク色のぷるんとしたジェル。
ぬった後のノビも良くってモニカさん含む女性陣からは、もう手放せません!て感じ。
売ることに決めたんだけど、値段に悩んでいる。プイの実がレアな事もあるけど、美肌効果が高いからどうしようか悩む。
あんまり高くても安くてもいけない。前に市場調査で化粧品を売っているお店に行ったことがあるけど前世の化粧品の方が進んでた。
基礎化粧品なら今この世界にある品よりも、プイの実で作ったオールインワンジェルの方が品質が良い自覚がある。
鑑定を侮ってはいけないのだよ。
と言う訳で、夕食後に女子会?を開く。
メンバーは私、モニカさん、リンダにタエ。4人だけだけどね。
「それで、オールインワンジェルの値段と名前どうします?」
「私はずっと村にいて、化粧品とは無縁だったからよく分かんないなぁ。名前は果物からのお裾分けとか?」
モニカさん微妙にセンスないな。さて、リンダにタエはどうかな?
「私は、ずっとお菓子づくりしていたので化粧はできませんでしたし、詳しく有りません。でも効果はあると実感しています。名前は、自然の恵みとかでしょうか?」
「私は、成人してから他のものを使用していましたが、このオールインワン?ですか?これは、画期的な物だと思います。欲しい人は金貨10枚それ以上、出しても欲しいでしょう。でもそれでは、一般の人に手に取ってもらえません。金貨2枚くらいが妥当でしょうね。名前は使用している果物から取ってプイの恵みでしょうか?」
タエが良い意見を出してくれた!これに乗ろう!
「タエの意見がもっとも良かったと思います。値段は金貨2枚で商品名はプイの恵みにしましょう」
何となく拍手してみる。みんなも乗ってくれた。
「それでは、お開きにしましょう。プイの恵みは言ってもらったら支給するので。遅い時間にありがとうございました。皆おやすみなさい」
解散してそれぞれの部屋に引き上げる。
それから、プイの恵みは創造魔法で劣化防止の付いた容器を作り、大きさは地球でのオールインワンジェルの内容量と同じくらいにした。大体1・2ヶ月で使い切る量だ。
初めは容器付きで購入してもらい2回目からは容器を持ってきたら、詰め替え販売をする事にした。その時の値段は金貨1枚と銀貨5枚にした。
脱毛はまだ初めるには時期尚早なので、オールインワンジェル・プイの恵みだけ先に販売することにした。
私は錬金釜で大量に作り、アイテムボックスに保存しておくのだった。
散髪屋でモニカさんが宣伝してくれていたので、富裕層の方達がお店の様子を見に来てくれた。タエが店番をして試供品をお客様に試してもらい、納得して購入してもらう。
脱毛のことは、軽く説明して時期になったら予約制で初める事を紹介してもらう。
年越しだ。ティニース王国588年。
この国は温暖な気候で、冬でも上着で体温調節すれば問題ない。朝と夜が冷えるかな程度だ。
年末に1年を過ごせた事を喜び、ちょっと豪華な食事を食べる。家はドラゴン肉、出しましたよ。美味しかった。
新年は、神様にご挨拶に行く。家のダイニングに神棚があって、毎日食事のお供えをしている。ダンテが。
家の神棚には運命神様と眷属のメンリル様を祀っている。今日はお神酒をお供えする。
みんな信仰している神様が違うので、教会に行ってお祈りをする。お祈りが終わったら沢山出ている屋台で昼食にする。
屋台2回目だけどおいしいなぁ。雰囲気がそうさせるのだろうか?それとも、出来立てで温かいからかなぁ。
ミーチェちゃんはお菓子の屋台も気になるようだ。モニカさんが買ってあげている。私も小さい時お祭りの屋台好きだったなぁとぼうっと考える。
みんながお腹いっぱいになったら、帰宅だ。お祈りする人で人の出が多い。新年くらいはゆっくりするのだ。
帰ったら奴隷の皆とロアちゃんとミーチェちゃんにお年玉をあげる。皆不思議そうな顔をしていたけど、故郷の風習だと言うと納得してくれた。口々に「ありがとう」と言ってくれる。上げ甲斐があるってもんだ。
前世では大体、寝正月だったなぁ。部屋に行ってゴロゴロしよ。
そういや、ダンテって朝早いし夜も1番遅いんだよね。借金奴隷の人で料理人を新しく入れようかな。それとも、孤児院で料理人になりたい子供を引き取ってダンテに教育してもらおうかな?
ちょっと、うとっとしていたようだ。外が暗くなり出している。食事だ。昼寝はいいなー、贅沢な時間の使い方。
皆リビングに集まっていた。皆ものんびりしていたようだ。ダイニングに移動して皆で夕食。ダンテのご飯美味しいなぁ。
食後にぽんかんを食べる。ミーチェちゃんが欲しがったので、全員に渡す。人が食べてると自分も食べたくなるのは何でかなぁ。ナゾだ。




