森の中で
タエの美容室開店の為に、リンダにも脱毛の協力をして貰う。
私は、創造魔法で職業に薬師と錬金術師を追加した。
創造魔法で職業を取得した時に、とても不思議な感覚だった。知らない草を鑑定したわけでもないのに、何の薬を作れるのかが解ったのだ。その手順も作り方まで!
職業すげぇ、と思った瞬間だった。こう言う恩恵があるのか。
普通の取得とは違うと思う。
普通の薬師なんかは、薬師の弟子として知識と薬の使い方を教えてもらい、一定の技能を修得した時点で職業・薬師になるんだと思うんだ。
それを私は飛び越して、職業を先に取得してしまったから、知識が後からついてきたんだと思う。
取得した職業も、薬師と錬金術師でドンピシャだったみたい。2つが組み合わさって何か能力の底上げが行われたみたいだ。
今、私は未開の森の中にいる。そこで見ている植物の全てに薬効や錬金術を組み合わせたら作れるものがわかるのだ。
薬師+錬金術師、これはスゴイ!新しいものが作れる可能性が広がったのだ。
私は有用そうな植物を採取して、異空間住居に放り込んでいる。美容関係に使えないかと考えているんだ。
美容液など地球通販で買えばいいだろうと思うが、この世界の物で作る、私がいなくても供給できる環境を作るのが大事だと思っている。
地球の植物を持ってきて、こちらの環境に馴染んだらそれでいい。白桃の木みたいに魔木になればね。
馴染まなければ、それはこの世界で異物だと思う訳だ。
私が新たな植物を創造してもいいが、その前にこの世界の可能性を探している。
何だか壮大な話しになってしまったが、用はこの世界の植物で美容品を作りたいだけ。良い植物があればルーフバルコニーで育てたいのだ。ちょっと下心もあるけどね果物なんか見つからないかなぁとか。
でも、飛びながらだけど森の散策楽しい。見たことない植物がいっぱいあるし、たまに鉱石みたいのも落ちてる。川があれば滝もある。綺麗な発見もあるのだ。
まぁ未開の森だけあって、魔物もいるが飛べる私。戦闘よりも逃げますよ。地を走る魔物に出会えば空高く飛んで、飛んでいる魔物に出会えば森の中に逃げる。完璧だね!
それで、どんどん森の深い場所に行けるわけさ。珍しい果物を探して!やべ、本音が少しもれちゃった。
珍しい薬草なんかがあれば根から採取する。光ってる植物綺麗だなぁとみていれば食虫植物。がっかりだよ。
でも自然が濃い場所は空気がうまい!常に結界が張ってあるから安心だしね。
あ〜!!見つけた〜!!この世界初!果物!
近くに行って実を摘む。鑑定をかけて食べれるか調べる。よし、食べれる!よく見て虫がいないかチェック!付いてないので食べてみる。野いちごみたいな見た目だけど味は野いちごより実が大きくて甘〜い!
これは持って帰らねば。枝切り鋏で木の枝を切って、異空間住居に放り込む。よし!次は別の場所を探そう。振り返ると、なんかヤバそうな魔物がいる。それも2頭。あれって、ドラゴンとか言うやつじゃない?
鑑定。レッサードラゴン。顔こわっ!水魔法でドラゴンの顔を包む。通常よりも水を多くしております。だって怖いもん、何で飛んで逃げないって?あいつら羽がついてるもん。無理でしょ、ここで殺らないと。
苦しんでる。なむなむ。なるべく早く昇天して下さい。私は祈るだけだ。あっ!倒れた。もう一度詳細に鑑定!食べれる!薬になる素材も多いけど肉が美味しいって出てる。皆へのお土産ができた。健康に良いとな。モニカさんにぴったりじゃないか!アイテムボックスにいれよ。そんで、解体!皮・肉・内臓・血・魔石に分かれた。アイテムボックス様様よ!
その後も場所を変え採取を続けた。
瞬間移動で自宅の玄関に移動して、靴を脱ぎキッチンへ行く。ダンテに肉を渡して、ステーキにしてほしいとお願いする。何の肉か聞かれたので、レッサードラゴンの肉と答えたら、スゴイ顔された。怖いよダンテ。
自分の部屋に行き、異空間住居に入る。今日採取した物を調べるのだ。おーおー、頭にイメージが湧いてくる。全部当たりだね。
地球通販でウイスキー樽のプランター1個と、長方形のプランターを沢山購入。生ゴミ処理機から出た土で植えていく。
植えたらルーフバルコニーに出して、水を撒き、植物に魔力を込めていく。どれも立派に成長した。
ウイスキー樽に植えたのは、リュリュって名前の果物だ。森で見たよりツヤツヤしてる?
ちぎって食べてみる。ううんま!!うま!鑑定!魔木になってる。魔木になると美味しいのか。1つ発見だね。カゴ1つ分収穫してみる。皆も食べたいでしょ。
またキッチンに行く。食後にリュリュを出してもらう為だ。覗くとダンテが、考える人みたいになっていた。「ダンテ〜」と呼んでみる。考える人だ。料理机にそっとカゴを置いてキッチンからでる。
肉。そんなに難しい食材かなぁ。
夕食、なんかステーキがあるだけで食事が豪華に見える。果物が真ん中に山盛りになって置かれている。やばいよだれが出そうだ。
みんなすみやかに椅子に座る。神に感謝を捧げて全員でステーキを食べる。記憶が蘇る食感だ。ボーナスで友人と食べたA5ランクの肉だ。ヤバい美味しすぎる。一生で一度の贅沢だと思っていたけど、また食べれるとは。
はっ!グルメのミーチェちゃんは、そうだよね大興奮だよね。モニカさんがミーチェちゃんの肉を切り分けていて自分の食べれないけど。健康にいいって鑑定で出たからモニカさんに食べて貰いたいんだけど。
私もまた肉を食べる。この感動。誰かに伝えたい。いや、みんなで共感してるじゃないか。良きかな良きかな。
ときどきパンで口を休ませながらステーキを食べる。また感動。なくなるのが切なくなる。でもしっかり食べてるからお腹は満足感で満たされている。
最後のひとかけらまでしっかり食べた。スープで口の中の油を洗い流し、果物を取り皿に取る。一口ずつ味わって食べる。みんなと食べると美味しいなぁ。
ミーチェちゃんは怪獣と化していた。リュリュがおいしすぎて、手と口のまわりが赤黒い。あっ!ちょっともどした!カルロスさんとモニカさんが慌てて食べようとするのを止めている。クリーンを掛けて部屋に戻るようだ。おやすみミーチェちゃん。
みんなの顔を見ると心なしか顔色が良さそうだ。効果ありかな。
食事が終わったので、ダンテにご馳走様する。
ダンテの顔は満足そうだ。悩んでたもんね。考える人。
部屋に戻りベッドに横になる。あーお腹いっぱい。満足じゃー。着替えなきゃいけないけど、動きたくない。
レッサードラゴン美味しかったなぁ。肉はまだあるけど、鑑定で美味しいって出た魔物は狩ろうかなぁ。今日は逃げてたけど、もったいなかったかもしれない。
ふわぁ。あくびが出てきた。慣れない場所で慣れない事したからかなぁ。さっさと着替えて寝るか。




