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【旧作】私は異世界で自由に生きる〜子供達に癒される〜  作者: 春爛漫


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ティモシー君の貴族学校

 私の神官達が私に力を与えてくれる。


 人の神への祈りは神の力になり、神力を増し、より上位存在へと導かれる。


 この世の神は多い。

 人が神を思い出すたび神は力を増して、それがまた世界を回し、人の助けとなるだろう。



 ハッと寝ていたカヨは目が覚めた。

 何か夢を見ていた気がするけど忘れてしまった。


 隣には愛しい旦那様。

 そして朝から元気に泣いている子は我が子のユーリ。


 裸のまま起き上がり、ユーリの元へ行き、自身とユーリにクリーンを掛けてから授乳する。

 ああ、可愛い。

 真っ赤な顔で一生懸命にお乳を飲む。

 今日は朝の目覚めが良くて清々しい、気持ちの良い朝だ。旦那が起きなくても怒りが湧かない。


 あれだね、心に余裕って大事。


 ほんわかしていると、ユーリの授乳が終わったようだ。

 ユーリにゲップを出させようとするけれどゲップが出ない。うーん、成長の証で上手く飲めたのかな?


 ユーリをベビーベッドに寝かせてから服を着て、前室にいるルークを迎えに行く。


 扉を開けると、ルークのオムツ替えの途中だった。夜勤メイドさん、ありがとうございます。


 ルークを寝室に引き取ってから、オムツを綺麗にしてもらってご機嫌なルークに授乳する。

 これまた可愛い耳を撫で撫でする。

 あー、幸せな感触。


 あ、お乳から口を離して笑っている。可愛いからほっぺにちゅうしちゃうぞ。

 きゃあきゃあと笑っているので授乳は終わりにしてルークをベッドに乗せて寝ているノアにけしかける。


 私は搾乳機で母乳を搾る。

 後ろから楽しそうな声が聞こえてきた。

 きっと、こんな朝が1番幸せなのだろう。


 母乳をアイテムボックスにしまって、ユーリを着替えさせる。ユーリの機嫌も悪くなさそうだ。ぽけっとした顔をしている。あ、あくびした。かわい〜!うちの子最高ー!


「カヨ、おはよう。良い朝だね」


 ぶちゅっとちゅうをいただいた。ノアも朝から機嫌が良さそうだ。


 ルークとユーリを連れて前室で朝の支度を済ませてから、食堂へ歩いていく。


「んー、ティモシーは今日から授業だね。大丈夫かなー?」


 ルークと遊びながら歩きながらティモシー君の心配をしている。


「ティモシー君、明るいから大丈夫じゃないかな?」


「んー、そうじゃなくてね、獣人差別が上流階級にはあるからさ。心配だなぁってね。顔も良いから、やっかみとかあると思うし」


 なんか、体験談っぽい。


「ノアがそうだったんでしょう?」


「バレたかい?女の子にモテてね。番いがいるからとお断りしても相手の家から釣り書きが届くんだよ。迷惑だよね」


 獣人は庶民だけでなく、上流階級にも誤解されているらしい。大変だね。

 ちょっと気になる事を聞いてみる。


「ね、ノアの初めては全部私にくれた?」


 ノアが目を開いてから、イタズラそうに笑った。


「知ってるでしょう?それぐらい」


「私も、この体では初めてだよ」


「そこは悔しいなー。カヨは全部私のなのに」


 ちょっとした優越感が湧き起こる。

 この綺麗でかっこいい旦那様には私だけなんだ。


「ふふっ、ノア、ノアール、好きだよ」


「私は愛してるよ。カヨ」


 2人で笑い合う。幸せだー!


 食堂に入ると、お父様とお母様だけだった。挨拶をしてユーリをベビーベッドに寝かせて、席に座る。


「今日から朝食だけはミリアン達親子は王都の屋敷で食べる。ティモシーが少し不安定になっているようだ。会ったら慰めてあげてほしい」


 お父様から発表があった。

 そうか、少し寂しくなるね。


「「はい」」


「それでは朝食をいただこう。神に感謝を」


「「「神に感謝を」」」


 ルークは椅子に座った時から、もう食べてますよ。手が早い幼児め。


 ノアと朝から果物の給餌をし合って食事を続ける。

 あ、ルークの小さいほっぺがぱんぱんだ。美味しいんだな。


 そっとルークの手を押さえる。口の中の物を食べなさい。不満そうな顔をしてからに。



 朝食が終わったらノアを仕事に送り出してからルークをマリーシャに預ける。


 王都の屋敷に行って、コナーさんに学校の場所を聞く。

 コナーさんは丁寧に教えてくれて方向音痴の私も安心です。


 屋敷から出てインビシブルを私とユーリに掛けてから飛んで学校まで行く。貴族学校だから貴族街から近くて利便性がいいね。


 門兵がいるけど飛び越えちゃう。

 ユーリ、ちょっと静かにしていてねー。


 読心をonにすると、ティモシー君を探知して学校の中を飛んでいき、ティモシー君の教室を見つけたら透視魔法で覗き見をする。

 みんな真面目に授業を受けてますね。さすが貴族だ。


 さて、ティモシー君が不安定なのは何故だろうか?


 40分程待っていると先生が廊下に出てきたので、するりと教室の中に入る。

 せっかく入ったけどティモシー君はトイレに行くようだ。ついて行く。


 トイレから出て来たティモシー君、スッキリした顔で可愛らしい。


 そこへ学年が上だと思われる生徒が来た。ええー、ろくな事考えてないな。後ろから膝カックンしちゃえ!

 わーい、勝手にこけた!仲間が助けてるけど、全員膝カックンだ!同罪だ!あと、ムカつくからほっぺにパンチしてやろう。歯ぁ食いしばれよ。パーンチ!こいつもパーンチ!こっちもパーンチ!あ、歯が折れちゃった。まぁいっかー。こいつらの暴力の方が酷いから。それに、どうせ治癒するでしょう。


 ティモシー君の教室に行くと、ティモシー君が女子に囲まれて困っている。公爵家嫡男だから狙い目なんですね。好意すら生まれませんが。そして、男子諸君が嫉妬すると。悪循環ですね。


 これはあれですね。あの本の出番ですね。


 ティモシー君、待っててね!お姉さんが助けるから!


 瞬間移動でカーマイン領の本屋さんまで行く。

 インビシブルを解いて、本屋で目当ての本をありったけ買う。

 そして、インビシブルを掛けてから、瞬間移動でティモシー君の教室まで来る。


 おい!休み時間いつまでなんだよ!


 お、みんな席に戻り始めた。ティモシー君の取り巻きの女子の机にカーマイン領の町長の娘・サーヤさんが書いた番い達の本を置いて行く。

 初めはみんな警戒して本を裏返したりしていたけれど、興味が勝ったのか授業中なのに真剣に読み始めた。

 その内に泣き出した子がいる。え?そんなに感動する本だったっけ?ちょっと番いを探しに遠出するけど、獣人では当たり前だ。番いを探しに旅に出る。獣人の全男性が旅に出ていると思う。あれ?お父様は旅に出てないのだったっけ?確かノアなんて6年も旅してたよ。


 教師に気づかれずに読破した者多数。これで獣人に対する考えが変わったんじゃないかな?


 あ、取り巻きのみんながこっそりと鞄の中に本をしまった。まぁ、いいか。売り上げに貢献したと思えば。


 次の休み時間にも取り巻き女子に囲まれたティモシー君だけど、話しの内容が番いの結婚までの話になっている。

 あー!待って!待って!私とノアの馴れ初めを何でティモシー君は詳しく知っているんだ!

 止めたいけれど私は今ここにいないんだ!透明人間なんだよ!


 あ、ユーリの泣く一歩前の声が聞こえた。

 慌てて窓を開けて外に出る。後ろが騒いでる気がするけど、ユーリ優先!


 誰もいない場所を探してユーリに授乳する。


 はー、今までユーリが騒がなかったのが偉いんだ。ユーリ、良い子ですねー。




 今日の夕飯の時にティモシー君が興奮してライラさんにお話ししていた。


「クラスの女の子達が獣人の番いの話しを聞いてくるんです!理解してくれていたのかと嬉しくて!」


「まあ!それは良かったわね」


 優しくティモシー君を撫でてあげている。

 そら、お母さんだもの。ティモシー君のこと心配だよね。


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