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【旧作】私は異世界で自由に生きる〜子供達に癒される〜  作者: 春爛漫


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バル町の町長の評判

 わちゃわちゃしていて何か忘れてると思った所で、背中に我が子ルークがいないのに気がついて、慌てて回収しに孤児院に戻った。


 笑って青年がルークを連れてきてくれたので、お礼を言ってルークをおんぶ紐でおんぶする。楽しんでいたのかルークはご機嫌だ。


 もう一度、別れを告げて、教えてもらった役場へと歩いていき、人気が無くなった所で一瞬で真面目な治癒師に変身して、何食わぬ顔で役場まで歩いて行く。


 役場に着いたら受付で「責任者に会わせてほしい」と神官の印のついた右手で紹介状を渡すと、受付の人が慌てて話を通しに行ってくれた。


 待合室で待っていると、受付の人が「町長がお会いになられます」と案内してくれると言うので後をついて行った。


 町長室に着いたら案内の人がノックして扉を開けてくれたので中に入ると扉を閉められた。

 え?町長と2人きり?厳密には子供も2人いるけれど。


「ようこそ、治癒師殿。ソファにお座りください」


 まだ町長をするには若いと思う30代くらいの男性が言ってくれた。


「いえ、ここでいいです。子供もおんぶしていますから座れませんし」


「そうですか。私だけ座ってしまって悪いね。それと相談があるだがいいだろうか?」


 全然悪く思ってなさそうな顔で話を続ける。


「はい、何か?」


 グイッと身を乗り出してくる。


「治療費を金貨1枚にしないかね?場所を貸すので、私に儲けた金額の5割を渡してくれたらいい」


「今のお話は聞かなかったことにします。紹介状を返してください」


 性格の悪い町長だったようだ。読心で心の中を聞いてみると、単純に贅沢が好きなようで犯罪には手を出していない。


「おや、治療が出来なくてもいいのかい?」


「治療はここじゃない場所でも出来ます。私は民を思わない権力者は嫌いです。紹介状は返してもらいますよ。それでは失礼します。……あなたの評判はどこかで聞こえてくるかもしれないですね。解任されたとか」


 素早く町長の目の前にある紹介状を取り返して意趣返しをしてやった。


 この町はバル町だ。町長の悪評を広げてやる。


 慌てて立ち上がったのを無視して部屋を出てからすぐに瞬間移動で町の外に出る。


 あー、嫌な思いした。次に行こう。


 変身を解いて、私とルークとユーリにインビシブルを掛けた後に飛行魔法で飛び、道なりに進む。あ、探知も忘れずに。


 人がいない所で降りて、アイテムボックスから椅子とベビーベッドを出してユーリを寝かせて、喉の渇いているルークに授乳する。


 嬉しそうに飲むなぁ。母ちゃんお乳の出しがいがあるよ。


 一応ユーリにも授乳しようとしたが、寝ていた。

 赤ん坊は寝るのも仕事です。


 寝ているユーリを抱っこ紐で抱っこして、満足の顔をしているルークをおんぶ紐でおんぶして、インビシブルを掛けて飛びだした。

 あ、ベビーベッドと椅子はアイテムボックスにしまってます。


 あ、近い場所に村発見!

 きっと野菜をバル町に卸しているんだろな。

 下に降りてインビシブルを解除して歩いて行く。


 そういや、村って誰も門番してないよね。大丈夫なのかな?


 村の中に入り、今まで来たブァイス領の村の中でも裕福そうな村人に案内されて村長の家まで来て、行商の許可を貰う。


 村長の家の隣の集会所の前に商品を広げていると町人と変わらないような服を来た人達がやって来てウルフの肉を沢山買ってくれる。

 その中で目をつけた噂好きそうな女性に「ブァイス領のバル町の町長は銀貨1枚治癒師にお金を吹っかけて怒らせて治療を拒否されたそうだよ」と言うと、看板を見て「あんたの事じゃないかい?」と言われたので「本人だ」と言うと、面白そうな表情を浮かべて詳細を聞いてきたので話した。

 その後に「病人を連れてくるよ」と言って去っていき、小さな怪我から大きな怪我、病人まで来てくれて繁盛した。


 人が居なくなって商品を片付けていると、さっき話した女性がやって来て「噂を広めてあげるから肉よこしな」と言われたのでウルフの肉を進呈した。したたかな女性だ。


 今日はこれくらいでやめておくかな、と、村を出て次に人がいる村まで飛んで行き時間調整するとカーマインの屋敷に瞬間移動した。


 ユーリが起きていたので、ユーリとルークを抱っことおんぶから下ろして、ユーリに授乳していると、ルークがヤキモチを妬いて腕を掴んできたので、ルークの頭を撫でて宥めた。ちょっと撫でるコツがわかった気がする。耳を撫でるようにすると気持ちよさそうにする。可愛い。顔が緩んでしまう。


 ちょっと早めに食堂へ行く。ルークの離乳食は出来ているだろうからだ。


 手を繋がないとルークは知らないうちに何処かに行ってしまう。好奇心が旺盛な子だ。扉のドアノブに手が届いたらどうなってしまうか今から怖い。かくれんぼならぬ迷子である。


 うーん、お手伝いしてくれる女性が欲しいな。メイドさんはお兄様・領主のモノだし、奴隷の女性でも買おうかな?

 でも、部屋がなぁ、無いなぁ。ノアの寝室と繋がっている瞬間移動扉は使ってほしくないし。でも、奴隷を物のように扱いたくない。

 自宅の3階は、私の聖域なんだよなー。落ち着く空間。そこに他人を入れたくない。

 アイリさん?ミーチェちゃん?聖域ですが何か?美人と可愛い子は別腹なのです!


 そうだなぁ、家族や友達のように私や子供達に接してくれる女性が欲しい。男性だとノアが妬くからね。

 あ!そういえば婚活パーティーを開いた家が放置されている!1階はパーティー会場用に作ったから2階の空き部屋に住んでもらって、家の維持・管理もしてくれれば問題はない!料理は婚活パーティー用に作った大きめの厨房があるから料理人も雇って……いや、休みもいるし交代要員が欲しい。旅には着いて来てほしいし、家の掃除もして欲しい。そして、交代要員に料理人。こんなに完璧な人はいないから複数人必要だ。ん〜!悩む!行商している時や治癒師として動いている時にもルークと遊んだり面倒を見ていて欲しいし、可能ならユーリものびのびと育てたいから幼児の面倒を見れる人材が良い。あ〜!いっその事、屋敷の使用人が欲しいよ〜!守護するアクセサリーとか用意するから〜!


 悩んでいるうちに身体は動いていたようで、食堂に着いたのでルークを椅子に座らせて、ユーリをベビーベッドに寝かせた後にルークの隣に座る。そして、ルークの食事を見守る。


 おー、ルークは料理に嬉しそうだ。

 まだ遊ぶけど成長途中だもんね。マナーはもっと大きくなってからでいいから、楽しんで食事をするのが大事。お母さんは料理が出来なくて苦労したけど、ルークには調理にも興味を持ってもらって、将来的には簡単な料理を作れるくらいになっていて欲しい。そして、お嫁さんを楽させておくれ。いや、伯爵を継ぐなら使用人を雇うか?

 なんだかルークが自然や飛行が好きだから、将来は農民になる気でいたけど伯爵かぁ。贅沢しなければ伯爵年給で暮らせるからね。将来は安泰だ。好きな事が出来る。


 あ、にこぉっとした。可愛い。美味しかったかな?


 あ、レインとカノンが来た。これは、もふりに行くでしょう。

 ふわっふわ!幸せ〜。


『カヨ、果物が来たから離してよ。食べれないよ』


「なんだよ、人間くさいことを言って。このこの〜!」


『うわ!やめて〜!』


 拒まれたから仕返しに頰肉をむにむにしてやったわ!柔らかかった。


 レインと遊ぶのはやめて、ルークの食事を見守りに戻る。

 ふむ、レインとカノンに気を取られている。完全に手が止まってる。あー、興味があるのか耳がピクピクしてる。可愛い。


 あー、よだれが垂れてきた。唾液は出てるんだな。汁成分の多い幼児である。

 クリーンをルークに掛けて、綺麗になった。口の中がどうなっているかは知らんが。


 まだ、誰も来てないし、ゆっくりと食事をさせてあげるか。

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