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【旧作】私は異世界で自由に生きる〜子供達に癒される〜  作者: 春爛漫


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バナナとチョコの配達

 機嫌が治ったルークに子供用ハーネスをつけると、ユーリを抱っこ紐で抱っこして、厨房まで歩いていく。


 うあー、またルークが飛んでる。

 紐をワザと長く持ってやると置いてかれまいと、ふよふよと飛んでくる。めっちゃかわいい。

 意地悪はやめて、ひっぱっちゃるわい。


 厨房を覗くと、夕食前という事で忙しそうにしていたので、こそこそと入り(全然こそこそ出来てない)リンダを捕まえて、2人きりになりたいと言うと、厨房の事務所のような所に連れてこられた。ふおー!こんな所があったんだ。


 「バナナとチョコを持ってきた」と言うとマジックバッグを持ってきたので、種類を確認して、どんどん受け渡しをしていった。ケーキやお菓子を作るのに足りなかったらしい。

 もっとまめに持ってくるようにしよう。


 私の用事が終わったら、リンダが作ったお菓子やケーキを渡されて、うほーっ!とアイテムボックスにしまっていった。これは、結婚相談所の軽食に出せますよ。いや、私が食べたい。授乳中って生クリームとか食べちゃいけないんだっけ?


 お互いに満足して、リンダに料理長にマジックバッグを持って呼ぶように連絡をお願いする。


 しばらく待っていると料理長がやってきたので、リンダと同じくバナナとチョコを渡していった。料理長の在庫も無くなっていたようだ。

 最近、ミックスジュースが出てこないと思った。バナナが無いと完成度が低くなる。

 いや、他の果物で作ってもいいけど、私が好きなのはバナナ入りなのだ。


 料理長が満足するまで渡したら「フルーツミックスジュースをよろしく」とお願いする。

 笑顔で受けてくれた。


 ルークの離乳食が出来上がっていると言うので食堂に行き、子供用ハーネスを外して椅子に座らせる。

 ユーリはベビーベッドに横にさせる。よだれが垂れてた。

 ユーリと自分にクリーンを掛けて、ルークの食事を見守りに行く。


 ルークは早くも食べ始めており、もぐもぐしていた。スプーンとフォークを使えるようになって偉い!


 にこにこと笑顔でルークを見守っていると、何度かルークと目が合う。食べながらだから、ちょっとぶちゃいくな顔で笑う。私が付きっきりでいるのが嬉しいのかな?


 耳と頭を一緒に撫でると、ピルッと耳が動く。く〜っ!可愛い!

 獣人の子で良かったなーと、余計に笑顔で見ていると楽しそうに食べてくれて嬉しくなっちゃう。私が作ったんじゃないけど。


 今日は早く来たから、まだ私とルークとユーリの3人だけだ。カトラリーを設置するメイドさんも来ていない。


 食堂に夢中になっているルークに水分を摂らせる。そしてまた食事。

 小さい身体なのに思ったよりお腹に入るんだよな。凄い。


 あ、最近、見なかったレインとカノンが来た。

 お忘れの方もいるかと思いますがパクティー妖精の夫婦ですよ。


「レインとカノンはいつもこの時間に食事するの?」


 レインが答える。


『そうだよ。僕等の毛が赤ちゃんによくないからって一緒に食べさせてくれないんだ。ひどいよ!』


「ごめんね。知らなかったの。今日、新しい果物を植えたからメイドの人からもらってね。美味しいよ」


『そうなんだ!楽しみだなー!』


 久しぶりにレインをもふるけど、誰かが手入れしてくれているのかふわっふわっだ。

 レインを抱きしめるように触ると、肩にチョンチョンと当たってくるものがある。

 横を見るとカノンがアピールしていたので、優しくお嬢様の毛を撫でる。カノンは女の子だからねー。


「レイン、子供は出来そうなの?」


『ううん。頑張ってるんだけど、ちっとも出来ないや。残念


「夫婦でらぶらぶなようで、何よりです」


 私もノアも頑張ってるんだけどねー。出来ないように。


 ちょっと、遠い目になった。


 レイン達の果物が運ばれて来たから、自身にクリーンをかけて席に戻り、ルークに水分を摂らせる。


 レインとカノンをちらちらと見ていたようで食事が進んでいない。


「ルーク〜」


 ちょっと低い声で呼ぶと、ん?って顔して見てくる。食事、食事。

 少しお腹いっぱいになると注意力が散漫になるルーク。気分にもよるのだろうけど。


 あまり手を出すのも良くないけど、スプーンで料理を口元まで持っていってあげる。

 パクリと食べる。嬉しそうだ。

 ルークの手にしっかりとスプーンを握らせる。

 食べる事を思い出したようで、遊びながら食べる。


 レインとカノンは味わって食べていたが、食べるのが早いので食堂から出て行った。

 あれ?普段は何処にいるのか知らないや。


 でも、パクティーの毛がユーリに悪い影響があるんじゃ近寄れないから仕方ないな。

 抜け毛を吸い込むといけないって事かな?もうそろそろルークをレインに乗せてみたかったんだけど。ルーク、歩くのが上手になってきたから、きっと上手くレインに乗ってくれると思うんだけどな。


 ウィル君は大きくなったからレインにはもう乗れないね。


 ルークが最後まで食べきった頃に、カトラリーを台車に積んだメイドさんが来た。

 邪魔にならないように、ルークを抱っこして窓際に行く。暗くなってきた。

 ルークがべったりと甘えてくる。眠くなったかな?

 よいしょっと揺すり上げて覚醒を促す。今寝たら夜に眠れなくなるぞー。


 なんか、言葉にならない声でユーリが泣いたので、近づいてクリーンをかける。時間的にお乳はまだのはず。


 ユーリの泣き声にびっくりしたのか、ルークが足をバタバタさせたので下ろすとユーリから離れていく。

 うーん、本当に兄弟仲良くしてくれ。


 ルークを足の間に入れるように歩いていくと、楽しくなったのか足に抱きついてくる。おー、可愛い、可愛い。

 ルークを足にぶら下げながら歩いていると、ライラさん達とお母様が来た。私の力技に笑っている。


「ルークは器用ね」


 お母様がスカートを履いている私の足に掴まっているルークを見て笑った。


「最近、自我が出て来たようで、ちょっとやんちゃになってきたんですよ」


「そう。ルーク、ばあばですよ。ばあば」


「ばあば?」


「そう、ばあばです」


「ばあば!」


 私の足から離れて、お母様に突進しようとしたルークを止める。妊娠している下っ腹に突っ込まれたらかなわない。


 お母様がルークに手を伸ばしたので、手を繋いで歩いている。


 男性陣が来たので、ノアを出迎えて、ルークがいないからか熱烈なちゅうをいただいた。


 ルークを探すと、お父様に頭を撫でられている。

 ジジババに挟まれるルーク。連れ出しにくいじゃないか。


 ノアと近づいていくと、ルークがノアを見つけて、こっちに駆け足で来た。ノアが手を伸ばして抱っこする。

 うわぁ、ルーク、凄く嬉しそう。


 ノアがルークの離乳食が無いのを不思議そうにしたので、もう食べたと報告してルークを椅子に座らせる。

 みんなの食事が終わるまで静かにしてください。


 料理が並べられて、いい匂いがするのかルークの鼻がヒクヒクしている。ルークの夕食はもう食べたじゃないか。


 お父様のお祈りに合わせて祈り、食事をいただく。


 今日も沢山動いたから食事が美味しい〜!


 ルークが料理に手を伸ばしている。届かないが。


 「あー!あー!おかちゃ!おかちゃ!」と言ってくるが、あげるわけにはいかないのだよ。


 ちょっとルークがうるさいので、桃ならいいかな?と小さく切ってからルークの口に放り込んだ。

 ルークが大人しくなったので成功だ。お腹いっぱいなのを思い出したのかもしれない。


 チラッとルークを見ると、ほっぺを両手で押さえて惚けていた。おい、子供がしていい顔じゃないだろう。しかも、この桃、朝に食べただろう。


 喉元過ぎればなんとやら。

 この歳の子供は忘れやすいのだろうか。


 自分の食事に集中するが、ノアをチラリと見たらこっちをガン見していた。怖いよノア。


 ノアが私の口元に赤桃を寄せてくる。

 パクリといただき、お返しにノアにも赤桃を食べさせると、凄く幸せそうな顔をしたので、イケメン好きな私は見惚れてしまった。

 ノアが嬉しそうにちゅっとしてきたので、お父様に怒られていた。


 私も食事に集中、集中。


 ノアは授乳食を食べているカヨに求愛給餌が出来ないのがずっと不満だったのだが、果物ならしていいと覚えてしまった。

 ノアの心は満たされて満足だ。明日からも求愛給餌が出来ると。


 勿論、赤桃をリクエストしたライラさんも満足いくまで食べれて満足だった。

 そのおこぼれにあずかれた子供達も満足だ。


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