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【旧作】私は異世界で自由に生きる〜子供達に癒される〜  作者: 春爛漫


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熊鍋実食!

 カヨは寝ている子供2人を放置して、瞬間移動扉から自宅のルーフバルコニーの部屋に出た。


 地球通販でカセットコンロとガスボンベを買ってセットしたあと、熊鍋をその上置いて火をつけた。


 ちょっとガスの匂いが気になるので、キッチンでも作ろうかと考えた。排水問題はどうしようか?


 しばらくするとクツクツと煮えてきた音がしたので、菜箸を取り出して蓋を開けて混ぜ始めた。

 もう匂いだけで幸せだ。


 ぐつぐつと煮立ったら火を止めて、お椀にたっぷりと熊肉の煮込みを入れて、鍋とカセットコンロはアイテムボックスにしまった。


 ソファに腰掛けて、心の底から言った。


「神に感謝を!」


 出会いにも感謝を!


 昨日から食べたかった熊肉煮込みを食べた。

 昨日も神の桃で幸せだったカヨだが、今も至福の中にいた。目を閉じて感動で味わって食べている。


 脂が甘くて美味しい。味付けも絶妙だ。料理長の作ったものと違うけど、甲乙つけ難いほどにただひたすらに美味しい!母の田舎の味は良いものだ。


 大盛りによそった熊肉煮込みが、カヨの体内時間では、あっという間に過ぎ去った。ようは、全部食べてしまったのだ。


 満足の息を吐いた後にハッとして、自身にクリーンを掛けた。匂いの証拠隠滅も完璧だ。

 お椀と箸にクリーンを掛けてアイテムボックスにしまってから、ノアの部屋に行くとユーリが泣いていたので、慌てて授乳した。

 ルークも起きてしまったのだが、部屋の中を彷徨いた後にカヨの前に立ってジーッと見てきた。

 カヨのおっぱいは2つあるけど、ユーリを授乳したまま1歳児は抱き上げられない。双子のお母さんはするらしいけど。

 誤魔化すようにルークの耳を撫でた。

 気持ちいいのかニコォと笑って、胸がキュンとしたカヨだった。


 ユーリの授乳が終わったら、自身にクリーンを掛けた後にルークを抱きしめるように授乳した。

 昨日1日一緒にいなかっただけでルークの存在を大きく感じた。


 でも、午後からも出かけるから、ルークどうしようかなー?と悩むカヨだった。


 人一人の存在感は大きいのだ。



 ユーリをベビーベッドに横にさせて、ルークに幼児向け絵本を読んであげているうちに昼食の時間になったので、食堂に向かう。


 ルークは飛ぶ便利さに目覚めたのか、カヨの横で飛んでいる。ルークの手はカヨが握って引っ張っている。

 カヨとしてはルークの足腰が鍛えられないので歩いてほしいのだが。


 食堂に着いたらカヨ達が1番初めに来たようで、カヨは飛んでいるルークを椅子に座らせてエプロンポケットをつけてからユーリをベビーベッドに寝かせた。


 お腹が空いていたのかルークがスプーンに山盛りにおかずをのせて食べているので、今朝の苦手意識が薄れたかな?と嬉しくなるカヨだった。


 相変わらず食べこぼすし、口のまわりもきちゃないが、カヨは微笑ましくルークの食事風景を眺めた。


 ライラさん達とお母様も来たので挨拶してからルークの食事風景を見守る。

 ルークの機嫌が良さそうなので食事を楽しんでいるようだ。

 油断していると、すぐにルークのほっぺがぱんぱんになるので、手を止めさせてから口の中の料理を咀嚼させる。

 美味しいと口いっぱいになるまで頬張るよなぁ。食い意地が張っているだけかもしれないが。

 適当な時間に水分も摂らせる。朝みたいにむせたらかわいそうだ。


 男性陣が帰って来たので、女性達でお出迎えする。


 ノアにハグしてから、ほっぺにちゅうをいただいて、ノアはユーリを見た後にルークを眺めてから席に座った。


 お父様の祈りに合わせて祈ってから昼食をいただく。

 料理長は赤桃を昼食に出してくれたようだ。綺麗に盛りつけてある。


 チラチラと食事をしているみんなを見ると、若干ソワソワしているようにも見える。

 カヨが獣人に変身すると、料理の匂いと共に桃のいい香りがする。これを我慢するなんて獣人には拷問だろうなと思ってから変身を解除する。


 ルークを見ると楽しそうに食べているので、カヨも昼食を味わう。うーん、美味しい!ダンテ頑張って調理を覚えてよ。そして、弟子達にこの味を教えるのだ!


 領主家族が食事をしている風景を料理長はメイドと共に見守る。好みを発見する為に料理長はいつも待機して眺めているのだ。


 ルークが少し食べ残しをしているので、さらえてルークに食べさせる。結構上手に食べれるようになってきたんだけどな。


 メイドさんがルークの食後の後片付けをしてくれている間に自分の食事をする。


 海に行って魚を取ってこようかな?肉食が多いんだよね。海に面していないから。


 みんなが赤桃にたどりついたようで、歓声が上がる。

 主に子供達とライラさんだ。机の上に置いてあるおかわりに手を出している。

 果物って、つるんと食べれるよね。不思議。


 ルークがノアのいる場所を覚えたのか「ぱぱ、ぱぱ」とノアを呼んでいる。

 ノアがルークに手を振ると、凄い勢いでルークが手をパシパシと叩く。嬉しがっている。

 おーい、その間にお母さんがいるのだけど、見えてるかい?悲しくなるよ。


 食器が下げられて、お茶を飲む。

 少し雑談。

 今日の話題は『桃が美味しかった』だ。


「デザートの桃は美味しかったわねぇ。ねぇ、カヨさん。もう、いつでも食べられるの?」


 ライラさんが話を振ってきた。昨日、執着してたもんなぁ。


「今日の朝に果樹園に植えたので、いつでも食べられますよ」


「そう!ありがとう!料理長、今日の夕食にも出してくれるかしら?」


 おお!いっぱい食べたのにまだ食べたいらしい。


「わかりました。収穫して夕食にお出し致します」


「よろしくね」


 なんだか、最近のライラさんはくつろいでいても、ピリッとする時がある。

 ティモシー君の学校入学に何かあるのかな?


 チラリとティモシー君を見ると今は元気そうだ。ウィル君はいつも元気だけど。お兄ちゃんと仲がいい。


 食後のお茶を1・2杯飲んだら男性陣が仕事に戻る。


 ノアは自分をずっと呼んでいたルークを抱き上げてほっぺを合わせている。親愛の印だね。

 ちょいちょいと私が呼ばれたので近寄るとほっぺにちゅうされた。お約束だ。

 ルークは意味がわかってるのか、ノアのほっぺにぶちゅっとちゅうした。よだれがついたぞ。汁成分が多い幼児め。


 ノアがルークを下ろしてからノアにクリーンを掛けて、ルークを確保する。

 ノアはユーリを撫でてから食堂から出た。


「ぱぱぁ!」


 いなくなったノアにルークがジタバタする。今日は廊下まで行かせん。


 涙目になったルークに子供用ハーネスを取り付けて、ユーリを抱っこ紐で抱っこしてから屋敷を出る。

 ルークは今はちゃんと自分の足で歩いている。偉いぞ!ルーク!


 公園で休憩させて、ストローマグで水分補給させているあいだに、授乳ポンチョをかぶってユーリに授乳させる。


 ルークにつけているハーネスは少し紐が長いけど、ルークは地面の草にじゃれている。自然が好きだなー。

 油断すると葉っぱを口に入れるけど、引っ張り出している。


 相変わらず公園は自由な人が集まる。

 やっぱり寝ている人もいるし、草の上に座っておしゃべりしている人もいる。屋台で買った物を食べている人もいる。


 お兄様が開拓村を作っていると言っていたけれど、ルークを妊娠していた時の場所じゃないのかな?カーマイン領の人口の推移はどうなっているんだろうか?増えているのかな?


 ユーリの授乳が終わったら、ちょっとユーリを安静にさせてから、また、抱っこして歩きだす。

 ちょっと休憩しないで動き出すとミルクを吐き戻しするからね。


 興味のあるものによって寄り道するルークを引っ張って、庶民街を歩いていく。

 いろんな匂いがしてルークの興味を引くんだろうな。


 歩き疲れてふらふらしているルークをおんぶして領都から出て畑まで歩いていく。

 ルークが背中で脱力している気がするから寝たのかもしれない。

 神の体は疲れにくいのですいすいと歩いていき、バナナとチョコを植えている畑に来た。

 今日は自分で収穫する予定じゃないので、建物の中に入ってマジックバッグを回収する。1種類2つのマジックバッグがあるからね。ロザリーとハルトさんの収穫には困らないのだ。


 ロザリー達の家に繋がる瞬間移動扉から入って、家にお邪魔する。

 この家の名義は私なんだけどね。


 キッチンに顔を出して、料理人の奴隷に困ったことがないか聞くと、必要な物は買っているから問題ないと言われた。


 ロザリーとハルトさんの場所を聞けば市場に行っていると言うので、探しに出かけてみる。


 ロザリー達の住んでいるアイーラ領のキノクニー街はダンジョンがあるので冒険者が多く、どこか賑やかだ。


 市場も何ヶ所かあるが、街道の門に市場近い場所が1番賑わっている。


 背中がもぞもぞするので、騒めきにルークが起きたようだ。頭が動いている気がする。


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