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【旧作】私は異世界で自由に生きる〜子供達に癒される〜  作者: 春爛漫


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赤桃

 翌朝、泣いているユーリの声で目が覚めてクリーンを掛けてから授乳していると背後からノアが抱きついてきた。

 うん、抱きつくのはいいんだけど、ルークの様子を見に行ってくれないかな?私、動けないんで。


 私がジッとしてるのに気分を良くしたらしいノアが首筋にちゅうしてからルークを迎えに行ってくれた。ありがたやー。


 あー、ルークが寝室に入って来たのはいいんだけど、授乳中の私とユーリを目撃したら動かなくなっちゃった。ノアにルークの着替えをお願いする。

 きっと私のおっぱいを独占しているユーリにヤキモチを妬いたんだろうけど仕方がないのだ。


 飲み終わったユーリの口からお乳を外して背中をぽんぽんと叩いていると、私の膝にルークの手が乗った。わかった。お乳が飲みたいんだね?ちょっとまっとくれやす。


 ユーリがゲップを吐いたら、自身にクリーンを掛けてユーリをベビーベッドに寝かせると、次はルークにお乳を飲ませる。

 今はルーク何歳だっけ?1歳、4・5ヶ月だったはず。2歳まで飲ませるから後半年以上はおっぱい戦争だ。

 あー、ユーリが1歳になっちゃったら神の母乳が出なくなるはずだから、今のうちにストックを増やしておかないとな。


 ノア達と共にユーリを抱っこして部屋から出て食堂に歩いていく。


 ユーリ、まだ小さいから尻尾がオムツの中なんだよな。蒸れてないかな。小さい尻尾を触りたいよー。小さい耳を触って我慢する。


 あっ!忘れてた!ユーリに神官の印をつけないと。

 ユーリの右手を握って祈る。

 ユーリよ私の神官になれ!

 ぷくぷくの肌に神官の印がちょこんとついた。かわいい〜!ユーリの手をぱくんとする。あー、小さい。


 あとは、創造魔法で、絶対防御・結界・飛行魔法・インビジブル・自動治癒・毒無効・瞬間移動・大きさ自動調整の付与をした劣化しない腕輪を作る。

 これは、ルークにつけている物と同じ物だ。


 私の防御が、あの絶滅させた魔物に効かなかった腕輪。


 ちょっと不安だけど着けないよりマシだから左手首につける。

 シュンと腕輪が小さくなって、かわいい〜!赤ちゃんの物って全部可愛い。小さい!


 とか、ごそごそやっている間に食堂に着いた。

 みんなに朝の挨拶をする。


 ユーリをベビーベッドに寝かせてからほっぺをつつく。ふにふに。


 お兄様とライラさんと子供達が来て、朝食を食べ始める。


 ルーク、お乳を飲んだのによく離乳食が食べれるな。

 うーん、離乳食は、少し水気が減ったかな?料理長が調整してくれたのだろう。

 昨日よりすくいにくいみたいだ。頑張って!ルーク!お母さんも朝食もりもりと食べるからね!


 よく考えると、朝から肉があって卵があって果物がある朝食は豪華だよね。貴族に感謝ー。


 そういや、ノアが少し薄着になってきたかも。きっと今からどんどん暖かくなっていくね。


 あっ!ルークがむせた!喉には詰まってないみたいだけど、テーブルが大惨事だ!メイドさんが来て片付けてくれる。ありがとうございます。頭が下がります。


 ストローマグでルークに飲み物を飲ませる。やっぱり水分が少なくなったのが原因かな?


 あ、ルークの食べる気が目に見えて無くなった。食事の補助をしなくちゃ。

 はーい、ルーク、お食べー。

 ちょうどいいタイミングで水分を摂らせないといけないな。お腹が水ぶくれしないといいけど。


 いつものルークは真剣に楽しんで食べてるんだろうけど、自分一人で食べる時の顔が面白い。一度にたくさん食べたいのだろうけど小さな口が限界まで開く。もう、口のまわりはべちゃべちゃだ。最近はスプーンを使い慣れてきたのか綺麗に食べるけど。


 ちょっとイヤイヤしたルークに食事を最後までさせて、待ってくれてる家族の為に急いで自分の食事をする。お腹がゴロゴロ言ってたって構うものか!神の体はすぐパワーになるのだ!


 お茶で一息ついて解散!終わり!


 立ち上がる前にノアが熱烈なちゅうをしてきた。どうしたノア!何があった!


 ノアは満足したのか子供達の頭を撫でてから、さらりと去っていった。

 あんまりさらりとし過ぎてて、ルークがノアを呼び止める時間も無かったぞ。


 ルークが泣かなかったからヨシとするか!


 今日はルークも一緒。


 ルークには窮屈だろうけど、子供用ハーネスをルークに装着!

 ユーリを抱っこ紐で抱っこして屋敷の裏に行く。

 歩みはルークのスピードだ。のんびりゆったり。ちょっと寄り道してみたり。歩くのも大分様になってきたなー。まだ可愛いけど。


 もう、裏庭の畑の隣にある果樹が植っている場所は果樹園と言ってもいいと思う。

 果実的野菜もあるけど。


 きっと果樹園に着いたらルークが飛ぶんだろうな。うん、絶対飛ぶ。

 食後だから果物は食べないかな?

 いや、食らいつきに行きそう。そして吐く未来が見える。


 早めに果樹園から連れ出さないとな。


 あ、忘れてたけど、ウエダスター王国で切られた服を刺繍か何かで誤魔化してもらわないといけないな。コナーさんのお店に行こう。


 外に出たらルークが走り出そうとしたのでハーネスで止める。あんまり急ぐとこけるぞー。


 あっちこっち行きたがるルークをハーネスで誘導する。

 なんか、犬の散歩している気分になってきた。


 果樹園が近づいてくるとルークがソワソワし出した。嫌な予感がします。


 果樹園の何処が空いてたっけなー?多分奥の方が空いてると思うのだけど。


 あー!果樹園に着いた途端にルークが浮いた!飛ぶ気満々だなぁ!もう!

 ハーネスで引っ張って凧揚げ状態にする。

 楽しいのか笑ってら。ようござんした。


 奥にずんずんと進んでいくが、ルークが木に引っかからないように注意する。


 うーん、ここらでいいか。

 土魔法で穴を空けてアイテムボックスから『まさひめ』の種を取り出して穴に入れてから土をかぶせる。

 魔木から取った種だから魔力だけ注ぎ込む。魔力よ、どんどん入れー、大きくなれー。


 指の間からぴょっこりと生えてきたので、離れる。

 みるみるうちに木になり、緑が茂り実が成る。


 収穫バサミを取りだして、ルークのハーネスの持ち手は腕に通して高い位置の実を収穫していく。高い場所から収穫するのはルークが木に引っかからないようにする為だ。


 ありゃりゃ、ルークが私の隣まで下りてきた。目線が私の手元にある桃に釘づけだ。

 仕方ない。味見だけさせてあげますか。


 皮を剥いてルークの顔の前に持っていくと、凄い顔をしてかぶりついた!怪獣か!

 口のまわりは汚れたけど、顔が満足そうだ。良い顔するね。

 あ、おかわり?吐くなよ?

 まぁ、果物だから水分みたいなものかな?

 ルークだけに食べさせると吐くだろうから私も食べる。うー!美味しい!


 ルークと私で交互に食べて、桃は無くなった。

 ルークはおかわりの催促もしてこないので満足したのだろう。

 収穫の続きをする。

 おおー、ルークはまだ飛びますか。元気だねー。


 本当にルークは自然が好きだな。やっぱり将来は農家か?


 厨房と昼食に食べる分くらいは収穫した。厨房に行こう。


 ルークが飛んでるから、そのまま飛んで裏口まで行く。

 降りてくるかと思ったらルークがそのまま飛んでる。まぁ、いいかと歩き出す。天井に当たらないように注意して歩く。


 厨房に着いたら、さすがに降りるだろうと思ったけど飛んだままだ。

 厨房の扉を開けてハーネスで引っ張りながら中に入ると、すぐに料理長が近くまで来てくれた。


「料理長、新しい桃を植えたので収穫して持って来ました。昼食にだしてくれますか?」


「いいですよ。調理机の上に出してください。以前の桃は白桃で、これは桃と言うのですか?」


「『まさひめ』って言う品種なのですけど、言いにくいので『姫桃』と言ってください。そっちの方が馴染みがありますでしょう?」


 ちょっと料理長が困った顔をした。どうしたんだろう?


「料理長?どうしました?」


「カヨ様はご存じありませんかな?安易に王族に連なる名前をつけてはいけないのですよ。『まさひめ』とは誰がつけたのですか?改名してもらわなくてはいけません」


 嘘!そんなので引っかかるの!?


「じゃあ、白桃は白い桃で白桃。まさひめは赤い桃で赤桃(せきとう)でどうですか?知っているのも我々だけですし」


 これには料理長も納得したのか普通の顔だ。

 私は収穫した赤桃をどんどん出していく。料理長が赤桃を野菜などをストックしておくだろう入れ物にひょいひょいと入れていく。


 3箱入れた所で出すのをやめた。

 これぐらいあれば充分だろう。


 厨房を見回すとリンダがいた。

 近くに寄って行って話しかける。


「リンダ、どお?休みは貰えてる?」


「はい。お久しぶりです。ここは向上心のある人が多くて刺激を受ける毎日です」


「あと数日でダンテも来るから先輩としてよろしくね」


「はい!」


 嬉しそうだ。良かった。


 安心して厨房を出て、玄関に行く。

 ルークはまだ飛んでる。大丈夫かいな。


 玄関を常駐の兵士さんが開けてくれた。ありがとうございます。


 前庭を歩いて行くと敷地が広いなぁと感じる。

 外に出る門は門番さんが開けてくれた。ありがとうございます。

 みんなのお世話になってるな。

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