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【旧作】私は異世界で自由に生きる〜子供達に癒される〜  作者: 春爛漫


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自宅の見回り 1

 ノアが仕事の今日は私は自宅に来ている。ルークはマリーシャに預けてるよ。

 営業視察だ。足りない物はないですかー?


 まずは散髪屋さんから。


 散髪屋さんに裏口から入ると今日はカルロスさんとモニカさんがお休みで、ミーチェちゃんとリリーちゃんを連れてお出かけらしい。

 あら、タイミングが悪かった。


 お茶とかの在庫が減ってるらしいからミリーを呼んで、担当していたお客様には果物バスケットを進呈する事を約束して仕入れを担当してもらう。

 でも、ミリーは散髪屋さんに雇われているから私があんまり勝手に動かせない人なんだけどね。


 裏口に机を出して、地球通販で買った物をマジックバッグ、が、無いな。在庫はモニカさんとカルロスさんが管理してるからな。

 まあ、いいや。新しいマジックバッグを用意してその中に入れよう。


 ミリーに似合う可愛らしいマジックバッグを出す。劣化しないルークブランドにしてからミリーに渡す。


 ミリーは戸惑っている。


「え?あの」


「それは散髪屋用のマジックバッグにしてね。今から茶葉や果物持ち帰り用の入れ物を出すから中にしまっていってね。コーディーの方が大人だけど奴隷だから、正従業員のミリーが持っててね。商品を出していくよ。ちゃんと入れてね」


 地球通販で買ったお茶をバンバンと出していくと慌ててミリーがしまっていく。かわいそうだけど『習うより慣れろ』だ。


 しばらく出していって、半年分くらいは大丈夫かな?という量を出した。

 ミリーは疲れたようで言葉もない。


「ミリー、15歳になって今年は16歳だよね?結婚相談所に入りたいなら無料で入れるけど、どうする?」


 ミリーの顔が瞬間的に赤くなって身体が小さくなっちゃった。あれ?でも、この反応って。


「もしかしてミリー、好きな人が、いる?」


 下を向いちゃった。いるんだ。好きな人。やだー!こういうの気になるんだよね!


「誰!教えて!」


「い、いえない、です」


 凄く小さな声でミリーが答えた。


 これは道ならぬ恋か!?


 あまり突っ込み過ぎてもいけないので見守っておこう。そっとしとくに限る。


「余計なこと聞いてごめんね。待たせたお客様には果物を渡しておいてね」


 ミリーが勇気を出したように声を上げる。


「あ、あの!コーディーさんの借金て、どれくらいですか?」


 お姉さんピーンと来ちゃったよ。狭い職場だもんね。意識しちゃうよね!?


 コーディーの奴隷契約書を出す。


「金貨750枚だね」


 あー、ミリーが萎んじゃった。大金だもんね。こればっかりは仕方ないんだよ。慈善事業じゃないからね。


 ちょっと後味が悪くなっちゃったけど、机をしまって魔道具屋さんに行きますか。

 隣なんだけどね。あ、ユーリは私の抱っこで寝てる。寝るのが仕事です。


「もしもしー、足りない物はありますかー?」


 マジックバッグは転売されてるって分かってから1人2つまでの購入に制限してる。じゃないと在庫がすぐに無くなるからね。


 パルコとフィンとロアがこっちを見た。目が光った感じがする。ディエゴがいないな。休みか配達か。


「金庫の中がいっぱいです。虹貨(こうか)を出してください。あとは足りない商品がいっぱいです。もっとマメに来てください。あと、経理の書類を確認してください」


 パルコが静かに怒ってる気がする。


「あ、あの、小貨は、おつりはある?無いなら補充するけど」


「では、銀貨と金貨をお願いします。500枚ずつほど」


 おおう、結構いるねぇ。おつりが足りないんだね。いや、ここから各自のお給料も出してもらうから金貨が足りないのかも。


 とりあえず金庫を開けて中を整理する。

 鉄貨と銅貨は少ないけど、あまり魔道具屋では使われないんだろな。単価が高いし。その分、銀貨と金貨が足りないか。もう少し大目に入れておこう。虹貨はこれ以上高いお金は無いから全部回収する。

 よし、金庫を閉めて、と。


「パルコとロアはマジックバッグを出して。劣化しないようにするから」


 素直に出してくれたので、劣化防止の付与をしてルークブランドのハンコを慎重に押す。はい、出来たー!2人に返す。


「パルコ、足りない商品はどれ?」


「特級ポーションが売り切れです。冷蔵庫も冷凍庫も売り切れです。マジックバッグも残り少しです。あとーー」


 とにかく言われるがままに創造魔法で作ったり、地球通販の履歴で買ったり、マジックバッグはぽちぽちと作ってたから全部放出して、とにかく出す私、マジックバッグに入れるパルコとロア。経理見習いなのに店番をするフィン。なんだか、出来る人で店を回してもらって申し訳ないです。昇給を真面目に考えます。

 1時間ほどかけて商品の補充が終わった。あー、疲れた。

 でも聞くことは聞かないと。


「パルコ、裏に来てもらっていい?」


 パルコが店内の状況を見てから了承した。


 そして、各店に繋がる通路に出た。


「今年も昇給を考えてるんだけどロアと経理見習いの実力はどんな感じ?あ、あとディエゴも」


「ああ、それは店内では言いにくいですね。

 ロアは真面目ですよ。普通の店ならベテランでしょうね。魔道具屋は高価な品物を沢山扱うのでロアが真面目に接客しても性格が強いお客様やクセのあるお客様がいらっしゃると女性差別されますね。それが少し可哀想ですかね。本人はやる気はあるんですけど、少し不満を溜め込んでいる気がします。

 クーパーとフィンは基礎が出来てきた所ですね。ディエゴがいると集中して教えてあげれるのですが、経理は経験がモノをいいますからね。ましてココは大金から細かいお金まで扱うので大店並の経験がいりますから。まあ、真面目なので、あと2・3年は経験を積めば独り立ち出来ます。

 ディエゴは大人の男ですからハッタリが効きますね。タチの悪い客が来た時の対応は抜群ですよ。配達も1人で行けますし、万引き犯が出入り口で引っかかったらすぐに兵士を呼んでくれます。

 こんなところですかね」


 私はメモに書き出していった。めっちゃ参考になる。やっぱりさすがパルコ。独身が勿体無いよ。奴隷だから仕方ないけど。


「ありがとう。参考になった。あと、まとめて休みが取りたい人とかいる?」


「ああー」


 を?パルコが言い淀んだ。珍しい。


「若い女の子はいいのですが、20歳を超えた辺りの女性から生理の経血が酷いみたいで、美容室の制服が明るい色でしょう?従業員同士で気にしているようですが、どうしても垂れてしまうみたいで、男としては気まずいのですが指摘しないといけないので……」


「そっか。言いにくい事を教えてくれてありがとうね。魔道具屋はロアだけだけど、酷い時や体調が悪い時は休みにしてくれていいからね。あ、これは男性もね。治癒魔法を掛けてもらいたい時はルーフバルコニーの部屋にある扉にメモ用紙を放り込んでおいてね。あと、もうすぐ孤児院の卒業生が来るだろうから、その連絡もお願い」


「はい、わかりました。孤児院卒業の子はロアがわかるでしょうから確認させてから報告します」


「ありがとうね。戻って良いよ」


「はい、失礼します」


 うーん、体調不良の人の事は考えてなかったな。まだ10代の子が多いから不調になりやすいよね。

 次の店から指摘しよう。


 裏口から数歩歩けば隣の美容室です。

 ノックして様子見。施術中のお客様がいらっしゃるといけないから。


「はい?あ、カヨ様」


「あ、タエ、今、時間取れる?」


「はい。クロエもいるので大丈夫ですが」


「じゃあ、ちょっと出てきて」


「はい」


 店の裏口で経営状況把握!


「最近店はどう?何か足りない物はある?」


 タエが困ったように言った。


「プイの恵みを買い占めるお客様がいます。美容室が女性3人だけなので舐められているみたいで、どうしても困った時はパルコさんかディエゴを呼ぶのですが……」


「そういうお客は相手しなくていいからね。帰ってもらって。買い占めるお客様もダメ。今度からお断りして。タエは1人何個までなら売ってもいいと思う?」


「んー。貴族のお客様もいらっしゃるのですよ。知人から買ってきてほしいとお願いされたとかで30個ぐらい買って行かれたりもしますし……。権力を振りかざされると私なんかは奴隷ですし身分的に弱いので」


「わかりました。私の部下だという証明書を作ります。それまで待っていてください。私、貴族だからね!

 じゃあ、プイの恵みは売り切れ?」


「はい。継続してお買い上げいただいている詰め替えの方があと少しありますのでカリオン領都内の詰め替え販売だけをしています。あ、あと、脱毛の予約はいい感じに入っています。多過ぎず少なすぎずと言ったところです」


「そう。従業員はどう?正従業員はタエとエマだけだよね?」


「そうですね。クロエを美容室専門にしてほしいですね」


「わかった。クロエは接客してる?」


「はい、お客様にプランの説明をしています」


「じゃあ、タエから伝えておいてくれる?クロエは今後、美容室の正従業員にします。タエ、教育をよろしくね」


「はい!ありがとうございます」


「プイの恵みは午後から作るよ。買い占め対策に詰め替え用しか作らないから新規のお客様には売り切れましたと伝えて断ってね」


「はい。お待ちしてます」


「あ、あと、パルコに教えてもらったんだけど、生理が酷い日や体調が悪い日は休日関係無く休んでくれていいからね!我慢しないこと!治癒して欲しい時はパルコに頼んであるから遠慮せずに言ってね。エマとクロエにも言っておいてね」


「はい!ありがとうございます!」


 良い笑顔だ。タエが困っていたのかも。

 とりあえず美容室は、また午後から。

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