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孤児院で生活 6

 朝起きて、今日も頑張るぞ!と気合いを入れて、朝の準備をする。


 リビングにカルロスさん一家がいたので、カルロスさんに


「おはようございます。カルロスさんアイテムボックスがあるから、飲み物や食べ物など持っておきますか?」


 聞いたら、モニカさんがなにそれ知らないって顔してた。

 カルロスさんも持って置いたほうがいいと思ったのか、「お願いできるかな」って控えめに言った。


 私は地球通販を開いて、良さげな物は手当たり次第購入して机の上に並べた。

 カルロスさんはせっせとアイテムボックスにしまっていく。

 モニカさんが羨ましそうだったので「マジックバッグ要りますか?」と聞いたら、高速で頷いてた。


 モニカさんの隣に座り、地球通販をモニカさんにも見えるようにして、2人でカバンを見ていく。好みの物があった様で購入し、付与魔法でアイテムボックス大にして、マジックバッグに変えた。

 バッグがきれいすぎて盗まれそうと言うので、防犯機能も付ける事にした。盗まれたら、必ずモニカさんの所に戻ってくるようにする。

 地球通販で購入履歴があったので、カルロスさんと全く同じ物を購入して出した。

 1人ごとで「何これ便利」と呟いていた。ゴミは回収するようにお願いした。



 時間も程々なので、異空間住居から孤児院の部屋に出て、そのまま厨房へ。

 ちょうど子供達が食堂に行く時間だったみたいで、すれ違う子みんな挨拶してくれた。良い子達だ。


 厨房を覗くと料理を作り終わったところだった。私は、慌てて食料庫に行き、地球通販で牛乳を大量買いする。コップを出してもらい、全員で人数分牛乳をコップに注いだ。朝の飲み物は大切だ。


 牛乳はカートで配るが、食事はセルフ。自分で取りに行く。

 今日の朝食はナンのようなパンケーキのような、ほんのり甘い物と、昨日の野菜スープに玉ねぎと細かく刻んだ人参が入っていた。量は沢山あった。

 子供達も満足できるだろう。


 子供達が勉強部屋に行った後、厨房に向かい食器にクリーンをかけて片付ける。洗い物をしようとしていたバズさんが、ちょっと残念そうだった。


 部屋へ戻り、地球通販で、肩から斜めにかける大きめのショルダーバッグを買い。アイテムボックス特大を付与し、食堂に戻る。


 バズさんにバッグを調節して付けて貰い、バッグの説明をする。時間停止で、一般的な家くらいの空間のマジックバッグだと。ちょっと飛び上がって驚いてたが、肉や生ものを入れても腐らないと言ったら感動していた。



 院長に、市場の場所を聞きに勉強部屋に入ったら、思ったより静かじゃ無かった。大きい子が小さい子に文字を教えている。

 ちょっと失礼して、院長に市場の場所を聞くと、教えてくれた。あと、風の日にじゃがいもだけ契約している農家から大量に届くそうだ。バズさんと出掛ける事を告げて、部屋を出た。



 マップの案内に従って歩いて行くと、思っていたより、大きめの市場だった。

 バズさんにお金の心配は無いから、大量買いしていいと伝えると、真剣な顔をしながらふらりと歩いて行く。置いていかれない様に、人にぶつからない様に、一生懸命ついて行くと、小松菜みたいな野菜を売っている店で価格交渉をしていた。折り合いがついた様で、私は言われた金額を出す。バズさんはマジックバッグにポンポン小松菜を入れていく。どうやら買い占めたようだ。他の店を除いて気に入った商品があれば大人買いしていった。


 野菜類が終わったら、鉄臭い匂いの一角に来た。肉を売っている店が並んでいる様だ。どの肉がいいなんて分からない。


 だがバズさんには、分かるようだ。ひと通り肉屋をのぞいた後に、ある1店舗に迷いなく歩いて行く。肉の価格交渉をしていた。話がまとまった様で、支払いをする。

 肉の値段が高いなぁと思っていたら、バズさんは肉屋に入り、巨大な枝肉をマジックバッグにしまった。私は、あまりの光景に視線が釘付けになってしまった。肉に比べて小さいバッグの入り口に、枝肉がしゅるんと入ってしまった。

 作ったの私だけど、マジックバッグ凄えと思った。あの肉の量じゃ払った金額なんて安いものだ。

 バズさんは買い物の天才だった?


 バズさんは記憶力もいいらしい。帰り道を迷う事なく、孤児院に歩いて行く。

 バズさんに、以前も仕入れは自分でしていたのかと聞くと、していたらしい。だから交渉とか上手いんだね。


 孤児院に着くと、お昼まで大分時間がある気がする。今日も昼食が食べれそうだね。


 バズさんに、軽く食べれる昼食を用意するように、お願いする。フランさんも料理スキル持ちだから、手伝ってもらおう。

 フランさんを探しに行く。畑まで来たけどいない。もしかしたら、井戸かも!畑から孤児院裏を進んでいく。水音がする。いた!フランさんとルイーネさんだ。洗濯している。


「フランさん!洗濯まだ時間かかりそうですか?」


 フランさんとルイーネさんが顔を見合わす。


「えぇ。あと少し「ここはもういいよ!後は1人で洗濯出来るから」


 ルイーネさんがフランさんの言葉に被せるように言った。フランさんは少し迷ったようだが、ルイーネさんの気遣いに乗ったようだ。


「ルイーネさんありがとうございます。フランさん昼食の準備、手伝って下さい」


「分かりました」


 一緒に厨房まで歩いて行く。2人きりだ。


「フランさん、体の調子どうですか?」


「大丈夫。初めは目線が上がって慣れなかったけど、若くなったから調子が良いくらいよ」


「そうですか?よかった。……孤児院で暮らしていけそうですか?」


「そうね、子供は可愛いしなんとかなるんじゃないかしら」


 裏口から厨房の中へ入る。


「バズさん、助っ人呼んで来ましたよ。何しましょうか?」


「野菜包みのスープを作ろうと思うんだ。机の上に置いてある野菜をみじん切りして貰えるかい?」


「分かりました」


 話を聞くと、餃子の肉無しっぽいのを作るみたいだ。葉野菜多めの。スープってことは水餃子か。皮の種の量が凄い。バズさんが作ってくれるみたいだ。

 みじん切りして行くけどキャベツと白菜の中間みたいな野菜が沢山ある。見たことない。料理、余り作ったことないからなぁ。知らない野菜か、異世界の野菜か。

 鑑定!


 ーマルチャー 

 野菜。生でも食べられるが熱を通すと甘くなる


 マルチャ多めにあると思ったらスープの主役か。この辺じゃ普通なのかも。じゃがいもなんてそのままで通じてたし味も同じだったけど、言語理解が仕事してくれて、違う名前だったりして。怖いけどありそう。今度市場行ったら、見る物全部鑑定してまわろう。


 野菜を包むところまで手伝ったら、やることがなくなった。部屋に戻ろう。


「私部屋に帰りますね。バズさん後はよろしくお願いします。フランさんもお手伝い、ありがとうございました」


 フランさんはいえいえみたいな感じで裏口から出て行った。



 私は部屋に入り、すぐに異空間住居の扉を開いて中に入る。扉を閉めて草原に座る。

 地球通販を開いて、業務用オーブンを検索する。1番大きそうな物を選びカスタマイズ機能を使い、魔道具に仕様変更する。後は地球の文字数字を、異世界で使用している言語に変える。問題は無いかな?購入!目の前にドンと出てきた。取り扱い説明書がある。異世界文字だ。よし!魔石を見る。ゴルフボールくらいだ。鑑定!


 ーカヨの魔石ー

 使用期間は10年程


 10年使えるってことは結構燃費いいんじゃない?


 オーブンをアイテムボックスにしまう。

 取り扱い説明書を手に持って、異空間住居から部屋に戻り、厨房へ向かう。

 

 バズさんが、こちらに気づいて「忘れ物かい?」と聞いてくる。私はオーブンをどこに置こうか考えながら、「違いますよ。パンが焼ける魔道具を持ってきました」と言う。スープ鍋をさばいていたバズさんが驚いた声を上げた。


「昨日言ったばかりだよ!それに魔道具って高いじゃないか!」


 興奮したのか、声が大きい。

 まぁその辺は〜と濁す。棚をアイテムボックスに入れたり、出したりしながら。スペースを作っていく。

 なんとか置けるかなと確認し、オーブンを出す。またバズさんが驚いた顔をしている。料理中だが、斜め後ろにあるオーブンが気になって仕方ないようだ。


「バズさんこの魔道具、名前はオーブンて言います。机に取り扱い説明書置いておきますね」


 焼ける場所が3ヶ所ある。1番上を開けてみる。天板が無い。ラックもいるだろう。まだ足りない。


「付属品がまだあるので持ってきますね」


 と厨房を出て、また部屋へ戻る。


 異空間住居の芝生に座り、業務用天板を15枚、天板用のラックを購入して。また、厨房へ。


 料理が出来上がったのか、バズさんが取り扱い説明書を読んでいた。オーブン側の空いているスペースに、アイテムボックスからラックを出す。天板を一枚ずつ出してラックに置いていく。買った物を全部出したらバズさんに声をかける。


「バズさん、使って見て天板が足りないなら言ってくださいね、追加購入するので」


「分かった」とバズさん。

 堅物っぽい雰囲気を出している。ただ単に新しいおもちゃに夢中な大人って感じかな?


 勉強部屋に行こうっと。



 勉強部屋の扉をゆっくり開ける。小さい子は部屋の隅で遊んでいる。今は大体10歳以上の子が勉強しているようだ。こっそり入って空いているイスに座る。


 前方では院長が本を音読している。この国の法律の様だ。ゆったり聞く。子供に言い聞かせる様な内容から、地球での近代的なもの。さすがファンタジーって内容もある。

 大きな街の裁判所には、真偽が分かる魔道具があって、それはダンジョンから産出されるとか。ダンジョンあるんだね。面白い話だと、お金はダンジョンが作っているから、偽金は無いって話し。作ろうとしたら神の怒りが下るらしい。金貨が作れる私はダンジョンかって。神の怒りは下ってないよ。なんか身近に感じたのは、他人の敷地に無断侵入してはいけません。て当たり前だよね。

 おっ今日の勉強は終わりらしい、後ろから大きめに声を上げる。


「昼食があるから食堂に集まってね!」


 きゃあって声が聞こえた。かわいいのぅ。大きい子が小さい子を連れて行く。逆に引っ張られてる子もいるなあ。子供は可愛いわぁ。


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