お茶を入れてくれるメイドさんはフランカさん
翌日、王城から返事が来たらしい。
今日は王城だと思っていたけれど、早い返信である。
内容は『私が作ったマジックバッグに劣化しない付与ができるので、王城はどうしますか?』的な内容に対して『費用は出すから、劣化しない付与を付けて下さい』みたいなものだ。
王城にはヒュドラの素材を卸す予定なんだけど、まだ、お手紙が来ないんだよね。忘れられてるかな?それとも準備ができてないのかな?
ルークをお母様に任せてドレスに着替えて、王城に行く。門番さんとは顔見知りだけど、カーマインの身分証を出すよ。
連絡が来ていたみたいで、待合室で待っていたらメイソンさんが来た。
「今日はお越しいただきありがとうございます。ヒュドラの件ですがもう少しお待ちください。血を入れる樽が足りないのです。以前の樽は流用出来ないので。本日の用件は、マジックバッグを劣化しない付与をしてくださるとか。費用はいかほどでしょうか?」
「ヒュドラの件は承知致しました。マジックバッグの劣化しない付与は虹貨1枚でございます」
「分かりました。カヨ様が作業されている間に準備させていただきます。私の後に着いてきて下さいませ」
メイソンさんの後に付いていく。いつもの部屋かな?
いつもの部屋でした。マジックバッグが床に箱に入れられて準備されている。そういや沢山買われていたなぁ。これ今から全部付与するのか。ルークのお乳の時間大丈夫かな?
「作業をどうぞ」と言われたので、近くの箱から手をつける。お茶とか軽食はこぼすといけないから用意されていない。あらかじめ、喉が渇いたと言えば別室で準備すると言われている。
黙々と作業をしていく。メイソンさんは補助するみたいに動いてくれる。作業しやすい。
1時間ちょっとで、作業が終わった。メイソンさんがお金を渡してくれた。また儲けた。王家が沢山買ってくれてたから、筋を通そうとしただけなんだけどな。
メイソンさんがお見送りしてくれようとしたが、厨房に寄りたいと言えば案内してくれた。
厨房にマジックバッグプレゼントしてたから、勿体ないのでついでに付与しようと思って。
厨房に着いたら、料理長にマジックバッグを渡してもらって付与と印をつけたら感謝された。
これで本当にお帰りです。メイソンさんがお見送りしてくれました。門番さんもまたね。
誰もいない所で、カーマインの屋敷まで瞬間移動した。
子供部屋に行くとお母様とルークが遊んでいた。私はお母様にお礼を言って変わろうかと思ったら「まだ、ルークと遊びたいわ」と言われたので、ソファに座り地球通販でバッグを買うことにした。
メイドさんがミックスジュースを入れてくれた。ぷはぁー、生き返る。メイドさんありがとう。いつも居るメイドさんに名前を聞くと「フランカでございます」と教えてくれた。「いつもありがとう」とお礼を言った。
さて、ブランドバッグを選びますかな。気に入った物を買い物カゴに入れていく。小さすぎるのは好みじゃないから、ほどほどの大きさを買う。
同じデザインが複数あってもいいので、どんどん買い物カゴに入れる。個人的には大きいバッグが好みだけど、ダンジョンに潜るとか、旅で使うのだとリュック型が重宝すると思う。嵩張らないのとか。
もうバッグいらんわってくらい買い物カゴにいれたら、ジュースを避難させてから購入を押すとどっさり机の上がバッグだらけになった。
アイテムボックスにポイポイ放り込んでいく。アイテムボックスは中に入っている物が手を突っ込めば分かるので、マジックバッグと混ざる問題はない。
コップが置けるようになったら、どんどんマジックバッグにしていく。
ルークがハイハイで近づいてきて何かを訴えかけるように見てくる。お乳かな?ルークを抱き上げてお乳を飲ませる。お乳を飲む姿がかわいい。お母様は待ちぼうけ状態。ルークと遊ぶ気だな。助かるけど。
ルークが飲み終わったらゲップさせる。抱っこして体をさすると喜ぶ。かわいいのぅ。床に下ろしてあげる。ハイハイで去っていった。ノアの部屋で母乳搾ろ。
子供部屋に帰って来たらルークが寝ていた。疲れたかね。お腹いっぱいで寝ちゃったかも。
マジックバッグの続き続き。私がせこせこ動いてると、お母様が正面に座って話掛けてきた。
「カヨさんはどうしていつも働いてるの?屋敷で暮らすだけなら働かなくてもいいでしょう?」
ん?お説教かな?
「私がしたい事をしてるだけです。特に働いている意識は無いですね」
「ルークよりも?」
「ルークは大事ですよ。いつも目に入る場所にいますし、出かける時は一緒です」
「そうね、そうよね。ごめんなさいね。当たり前のことだったわ」
「どうしたんですか?」
「いいえ、私は子供を育てて家の事をしていれば良い環境にいたから、カヨさんの事が不思議になってしまったのよ」
「人それぞれですよ。私もゆっくりする時はゆっくりしますし、お店と人を雇っているから責任があるだけです」
「そうなのね」
それきり、お母様は話すのをやめた。私はマジックバッグを作り続けた。
ルークがお昼寝から目が覚めたらお母様は元気になった。安心。
昼食の時間が近くなったので、食堂に行く。
ルークに離乳食を食べさせる。今はイヤイヤしない。離乳食が原因かな?多分毎回違う味だと思うし。
離乳食は早めに完食。ルークやったあ。男性陣が来て私は慌ててルークをベビーベッドに寝かせに行ったのだけど、ノアがルークごと抱きしめてきた。お帰りノア。でも昼食なので、ルークを寝かせて席に戻る。
神に感謝して昼食が始まる。
うん、今日もおいしいです。料理長テンキュー。
もりもり食べる。やっぱり間食は必要だな。食事をおかわりする。みんなの視線が痛いわ。ノアが「午前中にお腹が減るようなことしたの?」と聞いてくるけど、お城に行って子供部屋に居ただけです。妊婦だからと思って下さい。ノアが「お城に行ったの」と言うけれど、言って無かったので何故か浮気した旦那の気持ちになった。なんでやねん。
午後からはルークをおんぶして、キノクニー街で悪人を捕まえる事にした。綺麗にお掃除しないと落ち着かない。
瞬間移動でキノクニーの街に行った。犯罪者を探知すると沢山いる。ルークに負担をかけないように歩いてバインドで捕まえていく。身体強化を掛けて、犯罪者を引きずっていく。ちょっと注目を集めてしまうけど仕方ない。
ほどほどに集まったら、兵士のいる詰所に引き渡す。罪状と名前を教えて。
私を知っている兵士がいたようだ。これからどうするか聞かれたので「犯罪者を捕まえる」と答えると「お待ち下さい」と詰所の中に入って行った。出て来たら兵士を10人くらい連れてきて「一緒に連れて行って下さい」と兵士を預けられた。
まぁ、「後ろからついて来て下さい」と歩いていく。歩いて、さっきの続きから犯罪者を捕まえていく。兵士が後ろで顔を引きつらせていた。
捕まえたら兵士に引き渡す。犯罪者を捕まえていると、後ろの兵士が居なくなってしまったので、引きずって、犯罪者を数人捕まえたら詰所に行く。見回りに行っていたらしき兵士も一緒に犯罪者の処遇を決めている。
私が犯罪者を引き渡すと、名前と犯罪歴を頑張ってメモしてくれる人がいるので教える。
また犯罪者を捕まえに行く。今度は兵士は付いて来なかった。
街の3分の1くらいの犯罪者を捕まえた所で、兵士に「今日はここまでにして下さい」と言われたので、また後日、捕まえに来る事にした。
せっかく、キノクニーのダンジョンに来たので、瞬間移動でダンジョンの続きを進む事にした。確か10階の途中まで進んだはず。
バリアを私とルークに掛けてダンジョンの10階に瞬間移動した。飛行魔法で飛んでいくと、冒険者の団体さんがいた。慌ててインビジブルを私とルークに掛ける。
へぇ〜、こうやって団体で来る冒険者もいるんだ。珍しいから飛んでまじまじと眺めていると、歩けないくらいの怪我をした人がいた。放っておいたらダンジョンから出る時に大変な思いをするだろう。こっそり治癒魔法で治すと、怪我がいきなり治ったので叫んでいる。こっそり治したのに〜。
何を考えたか、怪我が治った男の人の周りに怪我人が集められた。治した男は祈っている。私に聞こえてきたので、かなり純粋な祈りだ。仕方ないので、他の怪我人も治していくと歓声が上がった。
もう怪我しないようにしてよね。と思ったら、私から淡い光が怪我をしていた人達に飛んでいった。何かと思ったら、神の祝福の光だった。効果は一定時間怪我をしなく無敵になるというものだった。無敵にならなくても良いから、安全に帰って。
私は彼等の元から離れて、階下に向かう階段を探す。ルークからぐずるような声が聞こえて来た。あっ、ルークのお乳の時間だ。
地面に降りてルークにクリーンを掛けて、インビジブルを解きお乳をあげる。探知を掛けたらこの辺りには何も居なかったので安心して授乳できる。
授乳が終わったら、ルークをおんぶして飛行魔法で飛んでいく。出会った魔獣はお金に変わる。
プラチナ貨は出てくるけど、ミスリル貨と虹貨が出てこないぞ。10階もう少しで終わっちゃうぞ。と思ったら、袋小路で宝箱を見つけた。罠感知を使うと罠はなかった。箱を開ければ、ミスリル貨が1枚入っていた。儲けたね。蓋を閉める。
また飛んで行くと階段を見つけた。下に下りていく。次は11階だ。何が出るかな?ルークは飛んでいるので機嫌が良い。
11階は木々が茂っていた。徒歩で進んで行くと蛇が襲いかかってきた。即死魔法で倒す。蛇皮がドロップした。要らない。マジで要らない。冒険者ギルドに売ろう。アイテムボックスにしまう。
歩いていくとまた蛇が出た。蛇の階層か?即死魔法で倒す。多分ポーションがドロップされた。鑑定!
ー中級ポーションー
大きな切り傷や少し酷い病気を治すことが出来る
効果がよくわからんな。病気なんて特にわかんない。冒険者ギルドに売るか。
この階層嫌だ。蛇嫌いなんだよ。前世でとぐろ巻いている蛇を見てから嫌いになったんだよ。グロイよ。
透過魔法を私とルークに掛けて、飛行魔法で飛んで行く。ひたすら真っ直ぐだ。多分1番遠い場所に階段があるだろう。今までもそうだったから。
全てを透過させて、飛んで行く。襲いかかって来た蛇はバリアが弾く。マップでまだ行ったことの無い場所を飛ぶと階段があった。12階へ下りていく。
下りたらさっそく襲撃があった。透過魔法とバリアを張ってあったから助かった。何が襲いかかってきたんだ?両手の平くらいのムササビみたいな魔獣だった。鑑定!
ーデリバーー
鋭い爪と素早い動きで獲物を倒す。
かわいいふりしてやるもんだなあ。顔はかわいい。でも、即死魔法!ん?なんか少しの粉がドロップした。なんだろう。鑑定!
ー奇跡の粉ー
この粉を食べれば、新しい魔法が覚えられる。
おおっ!博打要素があるけど良いドロップ品だ。しまっておこう。
今日はここまで!夕食が近い。瞬間移動でカーマインの屋敷に帰る。魔法を解いて、クリーンを私とルークに掛ける。食堂まで行ったらルークの離乳食が出来ていた。椅子に座らせる。
離乳食を手に取って、ルークに食べさせる。かわいい。今日の離乳食は気に入ってくれたようだ。ちょっと興奮している。ん〜!口が可愛い。ちょっと濡れたみたいにツヤっとしてるのが良い。1人でにやにやしながら食事をさせていると、お母様方と子供達が来た。挨拶する。顔を引き締めないと。
食事が終わったルークをベビーベッドに寝かせる。足元にいるレインを撫でる。食事前だからか素直に撫でさせてくれる。かわいい〜。顔の毛をもふると『い〜や〜』と逃げる。かわいいのぅ。カノンも撫でる。カノンをもふると、お嬢様痒いところはありませんか?って気分になる。品があるんだよね。大人しく撫でられてくれる。
男性陣が来た。ノアとハグする。元気なルークを見てにっこり。席に座る。料理が出て来た。神に感謝していただく。ん?なんかいつもと味のつけ方が違うな。美味しいけど。料理長じゃない人が味つけしたかな?
料理の最後に苺のケーキみたいなのが出て来た。おいし〜い。1人で食べるより、みんなで食べるのがさらに美味しい。料理長はデザートにかかりきりだったのかな?
ふう、お腹が満たされた。リンダをこの屋敷に呼んだらどうかな?今と違ってお菓子だけ作ればいい環境なら、元パティシエなら嬉しいかもしれない。また今度、聞いてみよう。
ノアとルークと部屋に帰る。いつもの布陣だ。
お乳をあげた後はルークとノアがメインで遊ぶ。私はいつも一緒にいるからね。それを眺める。幸せだなぁ。
ルークが疲れたら終わり。ベビーベッドに寝かせに行く。いつも夜泣きがあるけどノアの体調大丈夫かな?鑑定しても健康になってるけど。
ノアと夫婦のスキンシップ。抱きしめられるとホッとする。たあいない話をしながら体温を感じる。眠くなったら、おやすみ、ノア、ルーク。




