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【旧作】私は異世界で自由に生きる〜子供達に癒される〜  作者: 春爛漫


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130/195

シガマラン国 一時休戦と商業ギルド

 昼食が終わったらルークをおんぶして、またシガマラン国の城に来た。そして徘徊する。マップの地図を埋めていく感じに歩いていく。


 食堂の方に人の反応が集まっているので、行ってみる。食べ終わった人から、悪人をどんどん捕まえていく。逃げ出しそうな人は食事中でも捕まえる。

 厨房にも協力者が何人か居たので、捕まえる。王城の地下牢がパンクするんじゃない?


 兵士が見たいんだよね。兵士は信用できる人だけにしておきたい。

 見に行った。う〜ん、3分の1は汚染されていました。国を守る兵士なのにね。王族に合流するかな?


 カイさんめがけて瞬間移動したら驚かれた。1番早い合流の仕方。

 王様に善良な人は牢屋から出した事を報告。犯罪者を牢屋に連れて行く指示をしている。

 王様に「地下牢だけじゃ犯罪者が収容出来ないよ」と忠告しておく。

 王都の民が入る牢屋に連れて行くと言うので、移送に付いて行く。いや〜な予感がするんだよね。


 ほらいたー。黒いモヤ。兵士が犯罪者。文句を言って来る人には神気を当てる。ひざまづいてははーってなる。

 移送して来た人を牢屋に入れる前に、無罪の人がいないかチェック。無罪の人がいましたよ。王城ほど酷くなかった。お金を渡して、災難だったねと解放する。さすがに赤子を背負う私に文句は言って来なかった。兵士にも言わなかったけどね。何でこんなとこに居るんだよって視線はあった。


 王城に戻って、王様に「多分犯罪している貴族がいるよ」と忠告すれば「貴族を一斉招集するので協力して欲しい」と言われた。日時を聞くと、今から1ヶ月後に集めるらしい。了承する。

 王様もやる事が沢山あって大変だね。


 カイさんにシェーバーと鏡をプレゼントして、私はカーマインの屋敷に帰ることにした。また、1ヶ月後に会おうね。カイさんが「えっ!」って顔したけど、多分王様が返してくれないと思うなぁ。あの3人は。兵士君と近衛君とカイさん。


 私は瞬間移動でカーマインに帰って来た。子供部屋に行ってルークを床に下ろす。今日動けなかったのをはらすように動き回る。ハイハイが上手くなったねぇ。

 私がついて来ているのが分かったら、座ってこっちに両手を伸ばしてくる。抱っこすると「きゃっ」て喜ぶ。かわいい。また、床に下ろす。ハイハイし始める。ループだな。かわいい。

 スマホを出して動画を撮る。ルークの可愛いハイハイを残しておくのだ。

 見た事のない物を私が持ってるから、ルークが私に突進して来た。正面からハイハイを撮れるぞー。ルークが手を伸ばしてきた所で動画を止めて、スマホの電源をきって、ルークに持たせる。不思議そうにスマホをいじり回していたが、飽きたのかポイしてハイハイしだした。ポイするなよ。スマホをアイテムボックスにしまって、ルークを追跡する。


 疲れたのか、ゴロンと横になって寝る体勢だ。優しく体をぽんぽんすると寝てしまった。ベッドに横に寝かせる。私も一緒に横になる。ルークが少し汗をかいてるようだ。クリーンを掛ける。キレイになった。赤ちゃんの足って不思議。無理に伸ばすと何かの病気になるんだよね。

 私も眠くなってきた。ルークを潰さないように寝る。


 起きたら、ティモシー君とウィル君が空いているスペースで寝ていた。かわいい。ルークが夜寝れないといけないから、起こしてベッドを下りる。不機嫌そうだ。ルークを床に下ろすとお母様がすかさずルークに近づいてきたので、お任せする。

 ソファに座って、バナナを食べるとライラさんに欲しいと催促されたので、渡すと食べ出した。


 今日は忙しかったのでこんなのんびりした日常もいい物だ。




 数日過ぎた日、料理長がフルーツミックスジュースを完成させて持って来てくれた。色は良し、よく冷えている。飲むと、たまの贅沢で前世に飲んでいたミックスジュースより美味しいジュースが出来ていた。「おいしい!」と絶賛すれば、料理長はドヤ顔だ。頑張ってくれたのだろう。

 ロザリー達に渡そうと思っていたが、創造魔法で作ったバナナを熟成させる入れ物を料理長に渡した。中にバナナを入れるだけで、食べ頃になる優れものだと説明して渡した。新しい魔道具に興味津々だ。私も自分用に1つ持っている。魔法で熟成出来るけど、自然に近い熟成をさせて食べたいのだ。美味しさは変わらなかったけど。まあ、入れれば熟成されるので面倒が無い。


 もっとバナナを収穫しようかな?


 お昼からルークを連れて農園に来た。ロザリー達が飛行魔法の練習をしていた。「気にせず続けて」と自分の事に集中するように促す。


 ベビーベッドにルークを入れて、バナナを収穫して行く。ロザリー達も見ていた。もう!練習続けてって言ったのに!気になるのかな?

 チョコも収穫し終わったら、見ていたロザリーにバナナ熟成ボックスを渡して「この中にバナナを入れるとすぐ食べれるようになるからね」と渡したら喜んでいた。一応仕事用なんだけどね。


 ルークをおんぶして、ベビーベッドを片付けると、商業ギルドまで歩いて行った。


 商業ギルドの受付でギルドカードを出して、売りたい果物があると伝えると部屋に案内された。


 待っていると、以前担当してくれたエドワードさんが来た。


「待ってましたよカヨ様。この間の果物ですね?」


「そうです。自分じゃ値段を決めれなくて、商業ギルドに決めてもらおうかと来ました。熟成させた方がよければ熟成させますが」


「そのままで結構ですよ。この間いただいた果物は全種類、食べましたので、1本あたりの値段は決まっております。さっそく商談いたしましょう」


 渡したバナナ16本全部1人で食べたんだ。お腹膨れただろうな。アイテムボックスからバナナを出すと、大きさに驚いていた。カットする前はこんな形ですよ。果物が傷まないように慎重に数えていた。鎌で切って「これが一房ですよ」と渡す。

 値段は決めたと言っていたが、唸っている。迷いが出たかな。


「カヨ様、値段は時価とさせて下さい。一房の大きさと1本の大きさが違いすぎます。これは値付けにも影響を与えます。味はこの前、食べさせていただきましたので、全種類1本同じ値段にさせていただきます。そこから大きい物と小さい物の値段にプラマイさせていただき、値段を決めます」


「1本当たりの基本の値段はいかほどでしょうか?」


「1本銀貨1枚とさせて頂きます。果物なのに少ないとお思いでしょうが、果物は売れ残ると食べれなくなってしまうので、ご容赦下さい」


「マジックバッグは持っていないのですか?」


「マジックバッグなんて、とてもとても。持てませんよ。値段がつけられません」


「私、マジックバッグの販売もしているのですが、買いませんか?幾つでも融通しますよ」


「本当ですか!?値段はいくらで販売されてるのですか?」


「普通の家が1軒入るくらいで時間停止で、虹貨1枚です」


「安い!カヨ様!安すぎますよ!転売されてしまいます!」


「お店を他領で持っているのですがね、そこで商人らしき方が購入していかれるので、転売はされていると思いますが、私がこれ以上の値付けをしたくないのですよ。なるべく多くの人に使っていただきたいので」


「そうですか。マジックバッグもお売りいただけますか?いくつでも結構です。それこそ全国の商業ギルドが、欲しがります」


「今は100個ほどしか無いのですが……」


「全て購入させて頂きます。担当者を呼んで来ます。私は食品担当なので、少しお待ちください」


 興奮した様子でエドワードさんは出て行った。ルークを目線まで持ち上げて「バナナとチョコ、売りに来ただけなのにねー?」と話しかけると、嬉しそうに笑う。かわいいやつだよ、おまえは。


 ルークを撫で撫でしてると、ノックの音がしてエドワードさんと知らない人が2人来た。何か雰囲気的に肉食獣な気がする。ルークをぎゅっと抱きしめる。


「カヨさん、こちらの男性が商業ギルド長のジャックで。その隣が魔道具担当のマックスです。よろしくお願いします」


「商業ギルド長のジャックです。お会い出来て光栄です。カヨ・カーマイン様。貴重なマジックバッグを販売していただけるとか?それも虹貨1枚で!マジックバッグを見せていただけますかな?」


 何か圧が凄い。これが商業ギルド長か。ま、負けそう。何にって話だけど、全てにだよ。財産搾り取られそうな雰囲気がする。マックスさんが空気になっとる。

 ルークをエドワードさんに預けて、マジックバッグを指定された壁側の机の上に出していく。全部出した。ニットラーさんに持っていく予定の物も出しちゃった。容量が小さいのは出してないけどね。


「これで全部でございますか?」


 まだ、あるやろごらぁ、って聞こえて来そう。


「あとは容量が小さい物なので出していません」


「そちらも頂きたいのですが?」


 出せやごらぁ、って副音声が聞こえる。幻聴か?


「お取引先の人の物なので出せません!」


 ルーク、母ちゃん頑張ってあらがってみたぞ。ニットラーさんも褒めて!


「そうですか、仕方ないですね。こちらを検品させて頂きます。マックス?」


「分かりました」


 マックスさんが検品を始めた。勝ったぞ母ちゃん!ルークを迎えに行く。エドワードさん、子供に慣れていたようだ。「かわいいですね」ってルークを渡してくれた。エドワードさん良い人や。


 ソファに座ると、エドワードさんの隣にジャックさんが座った。えっ、そこに座るの?マックスさんといてもいいんだよ。


「カーマイン様、これからもマジックバッグを商業ギルドに卸してくれますかな?」


 はいと言えごらぁ、って副音声がする。笑顔なのに怖い。


「はい」


 以外に言えないよねえ!ルーク慰めて!


「それで、これが例の果物ですか?」


「そうです。1本銀貨1枚で取引しようとしていた所です。大きい物と小さい物は値段を上下して」


「そうですか。マジックバッグがあると取引の仕方も変わりますね。今まで、腐るからと購入しなかった食品などが買えます。カーマイン様が持って来た、バナナとチョコですか?他領に持っていけば、面白いように売れるでしょう。そのまま取引をお願いします」


「はい、分かりました」


「それではカヨ様、私はこれで失礼します。ごゆっくりとされて下さい」


「はい!お会い出来て光栄でした!」


 他国の王様に慣れていても、性格強い人には勝てないなぁ。気弱なカヨになってるぞ。強いカヨにならなくては。ルーク、母ちゃん頑張る!

 エドワードさんが頑張って検品してくれている。


「この果実、バナナですが、真っ黄色になったら、食べ頃なんですよ。少し日持ちがします。チョコは高い温度になると溶けてしまうので、注意が必要です」


「そうなんですか。いやぁ、この間食べたらお腹に溜まりましてね。携帯食としても優秀そうですね」


「バナナは体にもいいんですよ。チョコはどちらかと言えば、贅沢品、嗜好品になりますね」


「そうですね。チョコは今まで食べた事の無い味でした。沢山食べると胸焼けがしそうな感じはありましたね」


「この間、チョコのレシピも持ってきましたが、チョコは単体で食べれますが、お菓子に使っても美味しいんです。試しに食べますか?」


「それはありがたい。頂きます」


 カヨは地球通販でガトーショコラをホールで買った。目の前に出て来たガトーショコラを1人サイズに切って3人分用意した。マックスさんの分も用意したのだ。


「ガトーショコラと言います。食べてみて下さい」


「頂戴いたします」


 カヨは久しぶりに食べるガトーショコラに満足だ。検品の終わった、マックスさんにも声をかけて食べてもらう。幸せ空間が出来た。美味しい。

 ルークが狙ってくるが、まだ早いし、喉に詰まらせると怖い。避ける。それを見てエドワードさんが笑う。


「このガトーショコラですか。濃厚で美味しいですね。レシピにあった気がします」


「多分、ありますよ。こら、ルーク、めっ!」


「あうああ」


 乳児との攻防だが、ルークの命がかかっている。真剣だ。手早く食べる。本当はもっと味わいたかったが。「ああ〜」とルークが残念そうな声を上げる。分かってるのかルーク。皿とフォークをクリーンでキレイにしてから片付ける。

 エドワードさんとマックスさんも食べ終わったので、お皿を返してもらう。


「残りのガトーショコラは職員さんで食べたい人に食べさせてあげて下さい」


「ありがとうございます」


 エドワードさんが、ルークの手の届かないところに置いてくれた。慣れているな。さては子供がいるだろう。


 バナナは1本銀貨1枚。チョコは実一つで金貨1枚になった。チョコの評価が高いな。


 ルークが泣きそうなので授乳ポンチョを着て授乳させてもらう。ちょっと気まずい空気になったが、お金を準備してくれた。

 全部で虹貨103枚金貨82枚銀貨9枚になった。マジックバッグの高さよ。


 アイテムボックスにしまって、挨拶して商業ギルドを後にした。鞄屋さんに寄っていく。例の奇抜な鞄屋さんだ。普通のデザインを沢山買っていく。

 お会計、金貨52枚だ。


 瞬間移動でカーマイン領の街町の鞄屋さんにも寄ってバッグを買う。視察の時にチェックした店だよ。これでカーマインの税収も上がるってもんさ。カーマイン領に貢献する。

 最後にコナーさんの仕立て屋さんに寄り、刺繍が出来たか確認すると出来ていたので、一つずつ確認しながら全部出来上がっていることにホッとする。お礼を言ってアイテムボックスにしまって帰る。


 屋敷に戻ったら、執事さんが出迎えてくれて「只今帰りました」と子供部屋に行く。

 男性陣以外全員いた。お母様がルークを見て、攫っていった。いつも早い。

 ソファに座りふぅと息を吐く。疲れた。メイドさんがミックスジュースを出してくれた。癒される。至れり尽くせりだ。ジュースを飲む。ライラさんもミックスジュースを美味しそうに飲んでいる。いいよね、フルーツミックスジュース。


 そういや、神になってから爪切りもしてないぞ。余り伸びて無いし。髪が生えるのも遅いのかな?神の目で見てみる。


 ーカヨの爪ー

 神の爪は硬い。防御にも攻撃にも優れている。神の爪を削って飲めば、新陳代謝がよくなり、細胞が若くなる。秘薬。


 おーのぉー。秘薬になったよ。狙われないか怖いよ。身体はどうなったのだろう。見るのが怖いけど、見ないのも怖い。ええい、神の目!


 ーカヨの肉体ー

 神の身体は全身防御力が高く硬い、普通の武器では傷つけられない。その肉体を食べよう物なら、神罰が下るだろう。


 やだ、怖い。食べられる危険性とかあったんだ。神か人間が考える事って怖いね。血は何か効能があるのかな?神の目で皮膚の下な血を見るように意識して見る。


 ーカヨの血ー

 神の血。1滴で老化をゆっくりにさせる効果がある。摂取すれば寿命が伸びる。


 何気に怖い効果だった。神になってから生理が来てないんだよね。妊娠の方が早かったし。こんな効果があるんなら、生理ないかもしれないなぁ。でも神様は子供を作ったんだよね。って事は子供は出来るって事でしょ?あー!考えるだけで頭がこんがらがっていく!いいや。なるようになるさー。現実逃避とも言う。

 ジュース美味しい。領主の屋敷は贅沢だね。


 明日はノアが休みだから、親子水入らずでのんびりしよう。




 朝目を覚ます。だいたいルークの泣き声で目が覚める。

 ルークにお乳をあげて、ぼんやりする。ルークにおっぱい噛まれる心配は無くなった。喜ばしい。昨日の鑑定結果は衝撃だったが。母乳ってほぼ血なんだよね。何か聞いた事ある。でも、潜在能力を高めるだけだから大丈夫。ルークに影響は……ありまくりだったけど良い方向だったので良しとしよう。自分の身体が不思議だ。


 ルークが飲み終わったら、ゲップさせる。よし、父ちゃんを起こせ!ベッドにルークを転がす。ルーク、何故かノアの事大好きなんだよね。ノアが顔見せると興奮するし、抱っこねだるし。ハイハイで追いかけようとするし。


 私はお乳搾ろう。自分の母乳って飲んだ事ないな。一滴だけ取って口に含む。ん?んん!美味しい!あれ?普通は美味しく無いんじゃなかった?ルークはいつもこれを飲んでたのか。グルメだね。

 絞ったのをアイテムボックスに入れる。イタズラ心が湧いた。

 コップに母乳を入れて、寝起きのノアに飲ますと何がおきるかな?


 ルークを捕獲して、ノアを起こす。口の中までクリーンを掛けて、起きたノアにコップを渡す。いつもの朝。違うのはカップの中身だけ。

 ノアが飲んだ。口を離して驚いている。気付かれたか?「美味しい。なんだいこれ?」気付いて無い。「内緒」って言っておく。飲み終わったら、ノアが光った。えっ!何で光ったのって、母乳しかないじゃんね。ノアも驚いている。ノアを神の目で見る。


名前 ノアール・カーマイン

種族 人神

職業 人神

年齢 30

HP 不死

MP ∞

神の力 100%


適正 ∞

スキル 生活魔法 風魔法 時空間魔法 アイテムボックス∞ 不老不死 神気 神の目 鑑定 光魔法 水魔法 火魔法 土魔法 雷魔法 飛行魔法 結界 マップ 言語理解 治癒魔法 制約魔法 状態異常無効 神聖魔法 透視 探知魔法 隠蔽魔法 剥離 偽装 魔力譲渡 真偽判定 インビジブル 身体強化 闇魔法 変身魔法 気配察知 幻影魔法 音楽理解 付与魔法 ドライ 透過 読心 氷魔法 念動力 リペア 時間停止魔法 重力魔法 多重思考 即死魔法

状態 活性化中


 状態の活性化中が怪しい。神の目!


 ー活性化中ー

 能力が活性している状態。潜在能力が上がる。


 ノアが驚いているので、ネタばらし。


「ノアがさっき飲んだの私の母乳なんだ。母乳にね効果があって、飲めば潜在能力が上がるんだけど、今ノアの身体の中で活性化してるみたいなんだよね。ノア何か変化がある?」


「カヨの母乳だって!?美味しかったよ?普通母乳って美味しくないんじゃない?カヨだけかな?身体の中で活性化か……う〜ん、よくわからないなぁ。ルークはいつも美味しい母乳を飲んでるのか。嫉妬しちゃうな。カヨも教えてよ」


「いや、美味しいのはさっき舐めたら美味しかったから、ノアにイタズラしただけなんだけど……思いもよらない方向に行ったとしか……」


 みんなで首を傾げる。みんな?起こしに来たシーラさんが居た。にこっと笑う。「カヨ様の母乳は美味しいんですねぇ」なんて、ほのぼの言われた。何か恥ずかしい。

 思いついたら、考えなしの所があるから、後から困る事がある。今まさにそれ。


 着替えてルークをおんぶする。ノアも着替えた。朝の準備をして、朝食に行く。

 今日はあいにくの雨。ノアとルークと日向ぼっこしようと思ったんだけどなぁ。


 朝食に行くと私達が最後だ。挨拶して席に着く。神に感謝して、ルークに離乳食を食べさせる。大分上手く食べれるようになったが、朝授乳してから、それほど時間が経っていないので、ルークの気がそぞろだ。ごはんに集中してほしい。6ヶ月の赤ちゃんに期待しすぎかな?

 みんなが食事を、半分終わった頃にやっと自分が食べられる。ルークはお腹いっぱいになったので動きたいみたいだ。大人しくしてくれよと食事を食べる。ルークの食事に普通は侍女が付くのだが、断っている。ルークは自分で育てたい気持ちがあるのだ。食事は甘えているが。


 食事が終わったら、ノアがルークを抱っこする。ノアの尻尾を握って、子供部屋まで歩いて行く。安心する。

 ティモシー君とウィル君は勉強と特訓なので居ない。お母様方も居ないようだ。親子水入らずだ。部屋全体にクリーンを掛けて、ノアがルークを床に下ろす。ルークはノアを振り返っている。遊んで欲しいのだ。期待に応えてノアがルークの先で待っている。ルークがハイハイで近づいたら、抱っこして褒めてあげている。良いパパしてる。ルークも楽しそうだ。

 ソファに座ってその光景を見ていると、メイドさんがミックスジュースを用意してくれた。ありがたい。お礼を言って飲む。美味しい。冷凍した果物を使ってくれているのが良い。


 ルークが私の足元に近づいて来た。抱っこして高い高いする。「うきゃっ」と喜んでいる。かわいい。床に下ろしてノアの方に行かせるとハイハイしだした。お尻かわいい。ジュースを飲む。ああ、幸せ。雨が強い。明日が心配だな。


 誰かが助けを呼んでいる。今なのか。放っておけない私は「出かける」とノアに伝えて、靴を履く。バリアを掛けてから声に導かれるように瞬間移動する。


 何処だろう。雨が降ってるからカーマインからは遠く無いはず。馬車の車輪が壊れて、雨に降られて魔物に襲われている。踏んだり蹴ったりとはこの事だろう。

 魔物は即死魔法で倒す。護衛をしていた怪我人を治癒魔法で治して、声の主を探すと馬車の中に居た。動物を抱えた女の子だ。


「もう大丈夫だよ。あなたが私を呼んだの?」


「っく……神様に祈ってたっ」


 泣いてぼろぼろのほっぺに、飼っている動物を抱えている。クリーンを掛けてあげる。

 馬車を囲むように、雨が入ってこないバリアを張る。雨音が聞こえなくなったのを不思議に思ったのか馬車から外に出ると親だろう2人の男女が子供に抱きついた。


「メアリー、大丈夫だった?」


「お母さん、怖かったけど大丈夫だったよ。神様に祈ったら助けが来たよ」


 子供は私が神だと気づいてたのか。将来有望な子供だ。


「あなたが助けに入ってくれたおかげで助かりました。ありがとうございます」


「お礼はメアリーちゃんに言って下さい。私は呼ばれただけです」


「それは、どういう……」

「神様だよ!助けてくれたの!」


 マップでこの辺りが何処か探すと、ローゼット領じゃないか。もう少し行けば村がある。ああ、そこから出発したのかもしれない。


「あの、貴方はどなたでしょうか?」


「地上神・希望と破滅の神です。まずは変わりの馬車を出しましょう」


 創造魔法で無事な馬車をサーチして、空いている場所に創造魔法で馬車を作る。新しい馬車が出来た。壊れている馬車の中の荷物を全てそのままアイテムボックスに入れて、移し替える。馬を外して、付け替える。残った壊れた馬車はアイテムボックスのゴミ箱に捨てる。


 倒した魔物をアイテムボックスに片付けて行って、メアリーちゃんに近づくと両親が警戒したが無視してメアリーちゃんに話しかける。


「メアリーちゃんの助けてはこれで終わったと思うけど、どうかな?他にして欲しい事あるかな?」


「メアリー、お父さんの仕事の助けになる物が欲しい!」


 範囲結界の魔道具でいいか。範囲は馬車6台分位で結界のonとOffが出来るようにして、メアリーちゃんが持ち運べる物ネックレスにしようか。創造魔法で作る。

 メアリーちゃんの首に着ける。デザインは大人になっても着けれる物だ。魔石も小さくて良い。

 メアリーちゃんは分からないだろうから、親御さんに説明する。


「このネックレスは範囲結界の魔道具です。スイッチを入れると結界を馬車6台分張ってくれます。魔石は小さい物でいいので、予備をいつも持っていて下さい。メアリーちゃん、このネックレスはお父さんの仕事に役立つから、メアリーちゃんが家にいる時はお父さんにお守りで貸してあげるんだよ」


「うん!分かった!ありがとう!」


 メアリーちゃんの頭を撫でて、瞬間移動でカーマインの屋敷に帰る。

 子供部屋に行くと、ノアとルークが横になっていた。


「カヨ、終わったのかい?」


「うん、何か、踏んだり蹴ったりの惨状だったよ。祈ってくれたのは、かわいい女の子だったけどね」


 ノアに報告しながら、飲みかけのミックスジュースを飲む。美味しい。ルークがハイハイで来た。抱っこする。あったかくて小さい。かわいいなぁ。ノアの方に向けて床に下ろす。次はノアを目指し始めた。よく飽きないなぁ。


 地上神の日常は幸せと共に過ぎていく。


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