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【旧作】私は異世界で自由に生きる〜子供達に癒される〜  作者: 春爛漫


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新しい農園 バナナとチョコ

 翌日、朝食を食べて、ルークおんぶしてキノクニー街のロザリー達の家に来た。扉をノックするが、多分聞こえて無いだろうと合鍵で中に入る。


 キッチンに居た料理人が驚いていたが、ロザリー達に話しがあると言えば「今は部屋に戻っています」と教えてくれた。


 ロザリーの部屋をノックする。


「ロザリー?カヨだけど、いるー?」


 ちょっと待ってから扉が開けられた。


「カヨ!朝から早いね!昨日出してもらったベッドの寝心地が良くていつもより、よく寝れたよ。ありがとう!」


「そう、それならよかった。今から仕事の話をしようと思うんだけど、ロザリーとハルトさんも大丈夫かな?」


「大丈夫だよ!兄ちゃんの部屋に行こう。うわっ!赤ちゃんがいる!カヨの子供?」


「そうだよ、ルークって言うの。かわいいでしょー」


「可愛いね。ルーク、ロザリーですよ〜」


 ロザリーの笑顔を見てルークは「きゃっ」と喜んだ。ロザリーの顔がでれっとなる。


「獣人なんて珍しいね。旦那が獣人なんだ?」


「そう、結婚と同時くらいにこの子が出来てね。もうハイハイもできるんだよ。それより、ハルトさんのところに行こう」


 ついつい自慢してしまったカヨだったが、本来の目的を思い出した。ロザリーの先導でハルトさんの部屋に行く。ロザリーがノックするとハルトさんが出てきたので、みんなでリビングに行く。


 料理人が気をきかせてお茶を用意してくれた。昨日あれから買い物に行ったのだろう。

 ルークは膝の上だ。


「私達の為にこの家用意してくれて、ありがとうな。お風呂に初めて入ったらさ、気持ちよくて全身キレイになったよ。石鹸の実も凄いなあれ。何にでも使える石鹸なんて初めてだよ」


「気に入ってくれて良かった。快適な生活をして欲しいからね。今日、これから仕事の説明で現場まで行こうと思うんだけど、大丈夫かな?」


 ハルトさんとロザリーが見つめ合って、大丈夫か確認していた。


「大丈夫だ。説明よろしくなカヨ」

「よろしくお願いします」


 2人共、予定は無いようで良かった。


「ちょっと準備してくるから、ルークと遊んでてよ。すぐ戻ってくるからね。


 2人にルークを託して、カヨは2階に上がって行く。廊下の奥の壁に瞬間移動扉を設置して自分の髪を入れようとして、抜けない事に気がついた。何で!?髪を神の目で見る。


 ーカヨの髪ー

 神の髪であり、防御力に優れている。神の髪を摂取すれば、肉体が強くなり力が強くなる。自然には抜けない。



 マジか!自然には抜けないって事は切るしか無いよね。創造魔法で何でも切れるハサミを創造する。創造したハサミで毛先を切ったら、切れた。創造魔法は神に近い魔法なんだ。

 とりあえず瞬間移動扉のポケットに髪を入れて瞬間移動で買った農地に行く。


 建てた建物の中に入って、1階のどん詰まりに瞬間移動扉を設置する。何でも切れるハサミで毛先を1本切って扉のポケットに入れる。これで私も通行出来るようになった。


 昨日、バナナの収穫が思ったよりも難しかったので、切れ味の良い鎌を創造魔法で鞘つきで2本作る。それを作業用に作った部屋に置いて、棚を地球通販で買って設置する。その上に鎌を置く。

 長めの釘とトンカチを買って19ヶ所にマジックバッグを掛ける為の釘を壁に打って行く。ちゃんと刺さった。良かった。マジックバッグは午後からでも作ろう。


 瞬間移動扉からロザリー達の家に帰る。1階から楽しそうな声がする。階段を下りるとリビングからルークのご機嫌な声がする。2人が遊んでくれているのだろう。リビングに行き、お礼を言う。


「こんなかわいい赤ん坊、なかなかいないからね。私達も楽しかったよ。ねぇ、兄ちゃん?」


「そうだな、孤児院の時代を思い出したな」


 2人で懐かしそうな顔をする。ルークをおんぶ紐でおんぶして、2人に「ついて来て」と2階に行くと「こんな所に扉なんてあったっけ」とロザリーが呟く。


「瞬間移動扉だよ。私の住んでるところの近くまで行くの。農園に繋がっているからね。髪の毛を2本ちょうだい。2人が使えるように登録するから」


 2人共、驚いていたが髪を2本くれた。瞬間移動扉のポケットに2ヶ所で入れる。


「2人共、通れるようになったからついて来てね」


 瞬間移動扉を潜ると、2人も一緒について来た。全く違う場所に来て、頭が追いつかないようだ。2人が落ち着いたら、部屋から鎌を取って外に行く。

 2人は外の風景に圧倒されたようだ。事前に農園と知っていても想像が出来ていなかったのだろう。


 2人に飛ぶ練習をしたか確認すると、まだらしい。多分魔力も少ないだろうから、2人に注意して飛ぶ練習をしてもらう。魔力を使えば使うほど魔力は増える。

 初めは高く飛ばないように注意する。鎌の準備もしてたけど、当分は2人の飛行魔法の練習だな。


 2人が疲れてきた所で、バナナを収穫して、時空間魔法でバナナを熟成させて、食べさせる。2人は美味しさにびっくりしていた。チョコも3種類収穫して、鎌で割いて2人に味見させる。

 初めて食べた甘味に口を押さえて興奮していた。

 2人に「食べていいけど、食べすぎると太るから注意してね」と言えば、固まっていた。


 1カ月は飛ぶ練習をしてもらう事にした。魔力が無くなると地面に落ちちゃうからね。どのくらい飛べるか体で覚えてもらうのだ。バナナとチョコの残りは料理人へのお土産にしてもらった。


 2人はお昼まで飛ぶ練習をして帰るそうだ。

 地球通販で丈夫なキーケースを買って、貴重品部屋の鍵をつけて渡す。私がいない時に使っていいが、必ず鍵を掛けることを約束させる。


 私は建物の中に入って、新しい部屋でルークを床に下ろして自由にさせる。ルークはたったかハイハイで部屋の中を動き回る。それを横目にして、地球通販で大きな収納袋を19個×2=38個買う。それをアイテムボックスにしまい、紙にバナナの種類と熟成、チョコの名前を書いていく。


 バナナの収穫で思う事があったのだ。初めは2人で協力して2人で飛んでバナナを収穫してもらおうとしたが、大量のバナナの房が重すぎた。多分2人で空中で持ったら体勢を崩すだろう。だから1人は飛んで、バナナを房のまま1番上で切って、落ちてきたバナナを大きなマジックバッグでキャッチするのが1番負担が無いと思ったのだ。するりとマジックバッグに入るからね。


 紙に書き終わったら、貴重品部屋に行き釘を下にも19本打っていく。終わったら、鎌を置いて部屋を出て鍵をかう。

 ルークがハイハイしている部屋に入り、ルークをおんぶ紐でおんぶする。外に出て、2人に帰る事を伝えて領都まで散歩する。


 途中でビッグウルフが出たので、全滅させてアイテムボックスにしまっていく。また、行商の商品が増えた。どこでも出るなウルフ。


 門から中に入って、コナーさんの店を目指す。結構遠いな。身体強化を掛けて歩いていく。ルークをおんぶしてるから疲れるのだよ。


 コナーさんの店に着いた。中に入ると店員さんがいたので、アイテムボックスから大きな収納袋と紙を出してバナナの名前を刺繍出来るか相談する。受けてくれたので、全部の収納袋を出してお会計する。手作業だから高かったけど、これでまた1歩バナナとチョコを市場に出すのに近づくと思えば惜しくない。


 ルークがぐずってきたので、瞬間移動でノアの部屋に行く。ベッドに座りルークにお乳を飲ませていると幸せを感じる。

 そういやルークに髪を引っ張られて痛かった時があったよな。あれって神になってたっけ?防御力高い私に痛みを与えたんならルークが凄いって事になるんだけど。ちょっとルークの能力見てみるかな。


名前 ルーク・カーマイン

種族 獣人

職業 乳児

年齢 6ヶ月

HP 2356

MP 1470


適正 生活魔法 時空間魔法 飛行魔法 身体強化

スキル 攻撃力アップ 生活魔法 時空間魔法 飛行魔法 身体強化

状態 健康



 なぬ!?もう魔法が使えるだって!?母乳のせいか?HPとMPも何気に高い。毎日母乳4・5回飲んでるからな。神の母乳すげー。ルークの将来は安心だ。時空間魔法が使えるって事はノアの遺伝かな?この世界にも遺伝ってあるのかな?飛行魔法と身体強化は多分私だな。脳筋にならないように注意しないと。


 ルークがお乳を飲み終わったので、ベビーベッドに寝かせて、私は母乳を絞る。母乳が結構溜まってきた。使う予定は無いけど、いつか使えるでしょ。アイテムボックスは時間経過ないし。


 ルークを連れて子供部屋に行く。床にルークを下ろすと生き生きとハイハイしだす。ルークについて行くと。たまに振り返り、ん?、とした顔をするのがかわいい。転がっているおもちゃに突撃して行く。ティモシー君とウィル君のおもちゃだな。触って遊んでいる。子供って飽きないな。ルークが涎を垂らした。涎拭きできれいにしてからクリーンを掛ける。うん、きれい。


 昼食まで、ルークに付き合ってルークを追いかけた。


 昼食の時間になったので、ルークを抱っこして食堂に行く。ルークを椅子に座らせて離乳食をスプーンですくって食べさせる。素直に口が開く。たまに変な顔をするけど、受け入れられている気はする。うん、かわいい。

 離乳食を食べ終わったら、ベビーベッドに寝かせる。狭いベビーベッドが嫌なのか、柵を握って立ち上がるようなしぐさをする。まだ足が弱いみたいだけど。もう、たっちの練習か?早いぞ。ハイハイ出来たばかりで。

 ルークを抱っこして膝に座らせる。ちっとも落ち着かない。元気が有り余ってるな。


 他の人が来たらルークをベビーベッドに戻してレインを構う。やっぱりパクティーかわいい。毛をわしわしすると気持ち良さそうにする。

 レインの専属メイドさんがレインとカノンの食事の果物を持ってきたので、振られた私は大人しく席についた。


 男性陣が帰って来たのでノアとハグして、ルークを見る。ノアを見て興奮している。もう人が分かるのかな?ノアがルーク抱っこすると落ち着いて嬉しそうにする。和む。父ちゃん子になるのか?ルーク。


 お父様に急かされて席についたら、料理が運ばれて来た。料理を見るとお腹が鳴りそう。下品にならない程度にパクパク食べる。今日は間食しなかったからなぁ。鳥の照り焼きみたいなのが美味しい。1枚が大きいから満足だけど。また熊肉の煮物が食べたい。美味しかったなぁ。ルークじゃないけど、涎出そう。


 昼食が終わったら、ルークを抱っこして子供部屋へ行こうとすると、ティモシー君が乗馬をするらしいから一緒に見に行く。


 柵に囲まれた中で馬たちがのんびりしている。その中で乗馬する恰好をしたティモシー君が大きめのポニーに乗って1人で駆けていく。おお〜見ないうちに上手になったなぁ。

 私とルークは近くに寄ってきた馬にルークを近づけると、ルークのお腹に鼻を押し付けて来た。ルークは大喜びで、馬を叩こうとするので、慌てて離して馬のほっぺを撫でた。ほんのり温かい。馬がくしゃみをしたので、私とルークにクリーンを掛けて、お母様達が座っている机に行き椅子に座る。くしゃみかけられた。

 メイドさんが果物のミックスジュースを出してくれたのでいただく。凍らせた果物を使うとまた違う風味になるんだけどなぁと思い、料理長にまだバナナを渡して無い事に気がついた。ミックスジュースにバナナはいるよ。ジュースを飲み干して、お母様方に失礼してバナナ農園に瞬間移動する。


 ルークをアイテムボックスから出したベビーベッドの中に入れて、バナナを収穫していく。汁が凄いし、重たいから、切ったらすぐにアイテムボックスに入れる。

 16種類収穫したら、チョコも収穫して、ルークを抱っこしてベビーベッドをしまって、異空間住居に入る。

 2階のネット部屋に入って、ルークを床に下ろと、ハイハイが始まった。

 ネットでチョコの溶かし方やお菓子の作り方、ミックスジュースの美味しい作り方を検索したら、作れそうなお菓子のレシピをこちらの言葉に翻訳して、2部ずつ印刷していく。ルークがお昼寝しだしたので、マットを敷いてその上に寝かせる。ほっぺにちゅうしちゃう。かわいい。


 調べ物に集中していると、ルークが起きて口をまぐまぐしだしたので、お乳をあげる。重くなったなぁ。飲み終わったら、ゲップさせて、ルークの体を撫で回す。きゃっきゃと喜ぶので、横になってお腹を撫でるとうつ伏せになり、私の体を山にでも見立てたのか、ハイハイで登り始める。焦るが無事に背中側に行けたらしくホッとしたら、また体を登り帰って来た。かわいい事をするなぁ。焦ったけど。


 今日は終わりにして、商業ギルドに寄ってから、屋敷に帰る事にした。


 商業ギルドに行って受付で新しい料理を登録したいと言えば、個室に案内してくれた。

 机に完熟したバナナ16種類とチョコ3種類とレシピを置いて、担当者がくるのを待つ。ルークと遊んでいると男性の耳が尖ったやり手って感じの人が来たので挨拶する。


「はじめまして、カヨと申します。新しい果物でいいのかな?それを使った甘味のレシピを登録したいです」


「はじめまして、担当のエドワードと申します。よろしくお願いします。新しい果物とはどんな物でしょうか?詳しく教えて下さい」


 エドワードさんと話を始める。ルークは膝の上で暴れるが、がっしり掴む。イヤイヤし始めたけど、今だけだから。


 まずはエドワードさんにバナナを食べてもらう。エドワードさんが種類の多さに困惑していたが、適当に選んで食べてもらった。手軽さと美味しさに驚いたようだ。やり手っぽい雰囲気から、新しい食べ物に触れた事で気軽な雰囲気になった。チョコレートも3種類食べてもらう。こちらにも驚いていた。定期的に商業ギルドに卸してもらいたいと言われたが、今は人が足りないので、多めに収穫出来るようになったら持ってくると約束した。

 何とエドワードさん、私の事を知っていたようだ。「期待してますよ」と言われた。


 レシピを見て、本当にこのやり方でチョコが溶けるのかと心配されたので、チョコの実を何個か置いていくので試して下さいとお任せした。

 すぐには登録出来ないと言われたので、確認が取れたら順次登録という形にしてもらった。


 屋敷まで歩いて帰る。おんぶしたルークが自分の意思で手足を動かせるからか、私の背中で活動的になってしまった。お母ちゃん疲れるんだよ。


 屋敷に帰ったら厨房に行って、料理長にバナナを渡して、風通しのいい場所でまだ青いバナナを熟成してもらう事にした。料理長に完熟したバナナを食べてもらうと、ねっとりした甘さに脳が痺れるようだと言っていたので、お疲れだったんだなと思った。経験でバナナを食べて脳に刺激があったら、疲れている証拠だと確信があったのだ。

 料理長にバナナとチョコのレシピを渡すと真面目にレシピに目を通していた。「作れるか試してみる」と言われたので、レシピを渡した。果物のミックスジュースだけには、こだわりがあったので、レシピ通りに作ったら私に飲ませて下さいとお願いした。

 以前設置した業務用冷蔵庫と冷凍庫があるから大丈夫だろう。


 私はご機嫌で子供部屋に行った。



 

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