孤児院で生活 3 奴隷商
目覚まし時計で起きない朝って、贅沢な感じでとってもいい。
着替えて一階に降りると、カルロスさん一家がリビングにいた。ソファーに座っているのは進歩だと思おう。ここが自分達の家だって思ってくれるかな?
歯磨きして、おはようございます。
みんな新しい服を着てくれていた。嬉しいな。
異空間住居からでて厨房へ。
「おはようございます。早いねみんな」
孤児院の子供がいた。昨日の子達だ。今日の朝食は何を作っているのかな?じゃがいもの皮を剥いて茹でている。孤児院全員のぶんだから凄い量だ。朝は芋だけ?
「朝食はいもだけ?」
「はい、毎日そうです」
わたしは食糧庫にいく、地球通販でパン屋のロールパンを大量に買い完熟トマトも買う、平飼い卵を5パック買い厨房へ。
鍋を借りて、卵50個を茹でる。包丁を借りてトマトを切っていくと周りの子が気がついて手伝ってくれる。大きいお皿にパンを山盛り入れる。
卵も熱いけどみんなで手分けして殻を剥く。
買い忘れがあったので、食料庫に行く。飲み物に無添加の野菜ジュースを買う。
人数分コップにジュースを注いだら。簡単すぎるけど芋だけよりいいでしょな朝食が出来た。
またまた食糧庫に行き、フォーク50本とトング3個、食事を運ぶカートを購入。アイテムボックスに入れて。厨房と食堂の間の段差がない所でカートを出す。乗せれるだけ乗せて子供達に食事を配りに第一陣行ってきます。
食堂には子供が全員席に座ってた。朝食を山盛り積んでたら、それを見た子供がそこかしこで声を上げた。フォークとお皿を渡し芋と卵とジュース、パンはいくつ食べるか聞く。
何度か厨房と行き来してやっと全員に食事が回った。
私は思った。人を増やさないとダメだ。
カルロスさんに聞いた話だが、この世界には奴隷制度があるらしい。借金奴隷と犯罪奴隷。
狙うは借金奴隷。結構ちゃんとした決まりがあって、買い主は奴隷に人道的な生活の保障をする。
奴隷は主人を傷つけない、犯罪はしない事。
決まりを守らないと重い罰が有るそうだ。
今日の午前中の予定は奴隷商に行こう。
女性1人だと舐められるかもしれないから、カルロスさんについて来てもらう。院長に奴隷売買は何処でしているか聞いたらふらつかれた。
孤児院の為だと説得したら落ち着いてくれたが。今日は院長オススメの場所へ行く。
自分とカルロスさんに結界を張って、街中を歩く。
まだまだ見た事ないものが沢山あって面白い。マップに従って歩くと庶民的な高級住宅街のような所に入った。少し富裕層向けな場所かな?もうすぐだ。
奴隷のお店はおしゃれだった。
扉が閉まってるのでノックしてみる。中から「誰だい」と聞かれたので、「奴隷を買いたい」と答えてみた。
扉が開いて、ガタイのいい男性に「入りな」といわれ中に入る。鍵が閉まった、男性は「ついてきて」と言いながら歩いていく。商談室かな?案内された。
男が出て行ったので待っていると、中年のサラリーマンみたいな人がはいってきた。ビシィとしてる。
「お客様の担当になりました、ハリーと申します。よろしくお願いします。
さて、お客様はどんな奴隷をお求めですか?」
話しながら正面に座ったハリーさん。
「借金奴隷で年齢に関係なく、子供の世話が出来る人がいいです。希望を言えば料理も出来ると嬉しいです」
「ナニーをお求めですか?」
「いえ、そこまで小さくないのですが子沢山なので、あと、病気や肉体欠損している人でも希望どおりの人なら構いません」
「治療が出来る、と?」
「……」
少し探ってくる様だったがプロ意識か、普通に戻り。
「奴隷ですが、ここに連れてきますか?ご自分の足で見に行かれますか?」
「自分で見に行きたいです。希望の奴隷の紹介はしていただけるんですよね?」
「はい、もちろんです。今から行きましょうか?」
「分かりました」
心の中で、創造魔法で状態異常無効を作っておいた。念のためだ。
ハリーさんに着いて行くと地下に繋がる階段に案内された。「ここを降りると、奴隷達の部屋になっております」と階段を降りて行った。私達もついて行く。
地下1階は檻のようになっていた、若干の糞尿の匂いがする。
「資料を見た結果、該当者は7名ですね。順番にご案内しますか?」
「はい、全員と面会したいです。あと借金の理由も教えて頂けますか?」
「分かりました。1人目は……」
1人目 中年女性 借金は好きな男に貢いだこと
2人目 中年女性 借金は娘夫婦に勝手に名義人にされたらしいが、確認が取れていない 料理スキル有り
3人目 初老の女性 死んだ夫の生前の借金の保証人だったようだ 料理スキル有り
4人目 30歳位の男性 料理人だったが客同士の喧嘩の仲裁に入った時に利き腕を怪我して動かなくなり、怪我をさせた方も死亡して慰謝料が貰えず蓄えがなくなり自ら奴隷になる 料理スキル有り
5人目 中年女性 元はいい所の娘だったが、贅沢が辞められず借金
6人目 中年女性 元は教師だったが失明して治療の為借金
7人目 中年女性 元冒険者。孤児院出身の為子供好き。片腕がない
私は誰がいいか分からなくなった。嘘発見器みたいなのがあればいいのになぁ。出来るか?スキルで、創造魔法・嘘発見!
出来た。やったあ!もう一度全員と面会だ。
3・4・6・7番目がいい人だ、悩む、カルロスさんも一緒に悩んで。誰がいい?全員いい人そうだけどさぁ。
「お客様お悩みの様ですな」
相談して頂いたら力になれますよ。と言ってくれたので4人の内誰にしようか悩んでると言うと、
「お客様は怪我と病気を治すすべを、お持ちですね?それを前提に話しを進めるなら簡単です、当奴隷商におります。怪我人病人を全て治していただけたら、4人の奴隷を無料でお客様に差し上げます。どうでしょうか?」
美味しい。とても美味しい話しだ。でも、タダでくれるって事は難しい病気や怪我だってことにならない?
「何人ですか?」
「15人でございます」
「契約書作ってくれますか?制約魔法も受けて欲しいです。あと立ち会いは貴方だけで」
「もちろんでごさいます!さぁ先程の部屋に参りましょうか」
魔法の契約書で、先ほど話し合われた内容が書かれていた。追加でもし全員治療出来なくても頭割りで、割引してくれることになった。
そして地下へ、重傷者から案内してもらう。檻の前でハリーさんに制約魔法をかける。私の能力を秘密にするように。
怪我をしている奴隷と向き合う、左腕と両脚ない。サーチをして治癒魔法を掛ける。手と脚が生えてきた。奴隷にも制約魔法を掛ける。
「あのハリーさん、欠損していた人は傷が治ると凄い飢餓状態になるので、餓死しないようにお腹いっぱい食事させて下さい」
と言うとハリーさんは慌てて1階に行き食事の手配をしていた。帰って来たら、場からはなれたことを謝られた。
次の人は傷口が呪われていて、創造魔法で神聖魔法を習得した。
神聖魔法で傷口を包むと呪いが浄化されていった。
改めて治癒魔法をかければ傷口が治った。
あとの13人もサーチして治癒魔法を使ったら治った。
よかった!全員治せた!




