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孤児院で生活 2

 あれから終われば次の人を呼んでもらって、今日は6人が終わった。なんとなく、私とモニカさんの効率が良くなってきた気がする。何気に面倒だったのが、服に付いているタグだ。ちまちま外しましたよ。


 子供達は午前中に勉強して、午後に畑仕事をするらしい。

 明日はまた午後からだね。年長さん達から順番に来ている様だったから、明日は今日より若い子が来るだろう。

 とにかく子ども可愛い。

 髪切った後の掃除もちゃんとしたよ。美容室で使っている、ほうきとちりとり。楽だね。地球通販様々だよ。


 今からは夕食の準備だ、急がないと孤児院43人+私たち4人分だ。


 院長に案内してもらって厨房へ。

 今日髪を切った子達が厨房で、野菜の皮を剥いていた。

 私は食料庫に行って、こそこそ地球通販で足りない物を大量に購入した。この厨房で輝くのは業務用炊飯器2台。魔道具にカスタマイズ済み。動力は魔石。


 とにかく沢山食べてもらおうと、カレーを作ることを提案する。

 子供達はカレーが何か分からなかったみたいだが、今孤児院で唯一痩せていない私を見て、お腹いっぱい食べられると思ったみたいで了承を貰った。


 私は料理は上手じゃない。でも、子供達にご飯を我慢させたくない。安直だけど大人数=カレーだ。


 業務用巨大炊飯器でまず米を炊く。その間にみんなで、野菜と肉を切る。モニカさんもいつのまにかミーチェちゃんを孤児院の子供達に預けてたみたいで、一生懸命手伝ってくれる。

 子ども達に野菜の切り方を教える。基本は出来てる。でも野菜を凄く小さく切る。小さい子ども達の為なんだろうなぁと思うと微笑ましいが、今日は煮込み料理だ小さく切らなくても口の中で野菜がほぐれる。


 釜戸に火を起こそうとしているのを見て、火をつけない様に言って、食料庫に行く。地球通販でこれまた業務用のでかいコンロを買いカスタマイズして、みんなの所へ戻る。

 「これを使って」と言うと、子どもが大きな声で盛り上がっている。いつもより火力が強いようだ。みんなでいっせいに食材を焼いて2つある鍋の中に、放り込んでいく。井戸水を大きな甕の中に溜めてあるみたいで一生懸命、子供達が水を注ぐ。

 あとは煮込んで灰汁を取ってルウを入れて完成だ。ルウは甘口ね。混ぜないと焦げるのは分かっている様で一生懸命混ぜている。具が多いから大変だ。


 私は食器の準備をする。木皿だけど、よく見るとかけたり、ヒビが入っている物もある。創造魔法でこっそり同じお皿を作って入れ替える。

 配膳は孤児院の子供にお任せ、小さい子の食べる量とか分からないからね。


 食堂に行くとカルロスさんが普通に孤児院の子供達と馴染んでいた。さすがパパ凄い。

 年長さんが「ごはんだよ!」と言うとみんな並んで自分の食事を取りに行く。

 初めにもらった子は席についてあったかいうちに食事をする。あっカレーに驚いてる。きっと初めてだよね、可愛い。

 並んでいる子も匂いでお腹がぐぅぐぅ鳴ってる。

 カルロスさんモニカさん私も最後尾に並ぶ。


 配膳の子は汗だくだ。クリーンを掛けて上げる。今日何回かかけたので私がやったと気づいたみたい。軽く頭を下げてペコリ。手を振っておく。

 私達も配膳してもらって、食事をする。

 カレーは安定の美味しさをくれるから好きだ。飽きない。私はお皿一杯でお腹いっぱい。

 配膳手伝おうかな。


 まだ鍋にはカレーが残ってる。ご飯もある。でも誰もお代わりに来ない。お腹いっぱい?……違う、おかわりがあると誰も思っていないんだ。


「おかわりがあるよ!まだ食べたい子はおいで」


 と大きな声で言う。子供達みんなが院長を見る。院長が頷くと子供達がわっと、嬉しそうに集まってきた。1人1人にどのくらい食べれるか聞いてよそっていく。

 可愛いな。お腹いっぱい食べれることが嬉しいと言わんばかりのお代わりの列。年だから涙が出そうだよ。


 みんな食べ終わって片付け。私がクリーンで洗い物を綺麗にしたら、歓声が起きたお皿も鍋も元の位置に戻したら終わり。

 孤児院では蝋燭もランプも貴重品。暗くなったらすぐに寝るのだ。私は院長にお話があるので、応接室へ。院長がランプを点けてくれそうだったけど、止めてライトで光を頭上に出す。

 私は紙と鉛筆を出し、院長先生にズバッと聞く。


「院長、孤児院に足りない物を教えて下さい」


「カヨさんは今日、子供達の為に良くしてくれました。これ以上は贅沢な願いです。ありがとうございます」


「贅沢なんかじゃありません。人として最低限の生活は必要です。ですが、孤児院には最低限ではなく、明らかに困窮しています。本音で話して下さい。院長」


「……そうですね。意地を張っても仕方ありませんね。

ここは何もかもたりない。子供達にも働いてもらってやっと生活が出来ています」


「国からの援助金はでていますか?」


「もらってはいるものの、子供30人位を想定した金額です。42人もいては、どこか削らなければ生活して行けません。今日のように教会が寄付金を貰う為に、仕事を斡旋してくれる事もありますが、微々たる物です」


「院長、私は今日ここの孤児院を見て子供達を見て出来るかぎり力になりたいと思いました。紙と鉛筆を渡しますので、足りない物を書いて貰えますか?私とカルロスさん一家の勉強はそれからでも構いません」


 院長先生は「ありがとうございます」と静かに涙を流した。







 与えられた部屋に帰って来たら、カルロス一家が暗い中、ベットに座っていた。

 私は遅くなりましたと言いながら異空間住居への扉を開けた。


 みんなでリビングに入りながら、飲み物を出す。


「好きなドリンク飲んで下さいね。」


 と何種類も出す。


「今日は皆さん私の我儘に突き合わせてしまい申し訳ありませんでした。お詫びと言ってはなんですが、皆さんに服をプレゼントさせて下さい。ミーチェちゃんからね」


 カルロスさんとモニカさんはちょっとあわあわしていたが、私の意思が固いと見るや落ち着いてくれた。


 私は考えたのだ。ちょっと大きい服を買って、付与魔法で大きさ調節をし、着た人の体ピッタリになる様にするのだ。


 モニカさんにも画面が見えるようにして、2人でミーチェちゃんの服を選んでいく。楽しい。モデルさんが可愛いから何でも似合う。10着ほど買って我に帰り、モニカさんと2人で協力してタグ外しと、付与魔法をかけて行った。


 次はモニカさん。モニカさんは自分の好みがあるのかじっくり5着選んでいた。


 最後はカルロスさん。本人が選ぶかと思いきやモニカさんが選んでいた。服は主婦が選ぶもの、なるほど。こちらも上下5着ずつ。


 あとはみんなのパジャマと靴・靴下を選んでもらった。

 服を綺麗にしたら靴が浮いちゃったんだよね。

 もちろん大きさ調節機能つき。

 ゴミはアイテムボックスのゴミ箱にイン。

 可愛いくなったミーチェちゃんにハグしてなでなでしてしまった。


 机の上を片付けて、明日も朝早いし寝ることに。


 カルロスさん一家の荷物をアイテムボックスからだして、おやすみー。


 私は部屋に行ってから、お金がもう無いので新たに作る。もうベッドの上にじゃらじゃらと山を作る。

 それを地球通販で買った袋に詰めていく、結構辛いね。地道な作業。でも必要な事だから頑張る。


 全部アイテムボックスにしまったら、疲れが……。


 パジャマに着替えてクリーンして、おやすみ。

 

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