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【旧作】私は異世界で自由に生きる〜子供達に癒される〜  作者: 春爛漫


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赤ちゃん誕生

 お腹痛い。


 おしるしが来て2日後の今日、12月1日。前日から不規則な違和感がお腹にきた。生まれる準備してるのかな?

 ノアは丁度休みで、側にいてくれる。でも、赤ちゃんが下に下りるのに、立っていた方がいいって聞いたことあるし、ノアと屋敷の中をうろうろと散歩している。

 まだ痛みが不規則だし、時間がかかるはず。ごはんをしっかり食べてトイレに行って、いつ本格的な痛みが来てもいいように、ゼリー飲料やクリムもお皿に切ってアイテムボックスの中に入れてある。


 庭にあるベンチに座ってノアとのんびりする。まだ我慢出来る痛みだ。ノアが優しくお腹を撫でてくれる。安心する。もうすぐだ。妊娠して長かった。ノアも楽しみにしてくれている。

 産婆さんには一応連絡してあるけれど、初めてのお産は長時間だからリラックスしないと身体と精神が持たない。

 ノアに子供の名前を聞くけれど、お楽しみにするって教えてくれない。私も性別や種族が気になるけどお楽しみにしてるから、おあいこかもしれない。


 ノアは出産に付き添ってくれるって言ってくれる。心強い。2人で頑張って産もうね。夫婦から家族になる。今日が2人でいる最後の日になるかも。


 お腹が痛くても昼食を食べる。まだ赤ちゃんと繋がっているからね。栄養を届けて一緒に出産する力をつけるんだ。


 ちょっと顔が歪むくらい痛くなってきた。ノアは心配そうだけど、きっとまだ生まれない。長い時間かかるってネットに書いてたもん。


 子供よ頑張れ!ママに楽させてくれ!赤ちゃんを応援する。

 あっ!分娩台があると楽なんだよね。斜めに座るタイプの。買って準備しておこう。ちょっと恥ずかしい形だけどね。

 ノアの部屋にセットする。ノアが不思議そうに見るので、実際に座ってみる。ああ!恥ずかしい。そく飛び起きる。ノアが笑う。ノアも座ってみろよー。恥ずかしいから嫌だって?この〜。


 うゔ、お腹痛い。腰も痛い。ソファでノアにもたれかかる。


 夕食を食べて、立ち上がったら破水した。少しお産パッドから漏れてしまった。クリーンを掛ける。ノアが慌てている。匂いでもしちゃったかな?ちょっと獣人との出産は恥ずかしいかもしれない。破水したから、安静にしないと。


 ノアと一緒にベッドで横になってるけど、規則的にお腹が痛くなってきた。まだ、産婆さん呼ばなくていいかな?ちょっと痛みで分からなくなってきた。

 ノアに一応、産婆さんを呼ぶように伝える。ノアが部屋を出て行った。ちょっと寂しい。痛い、痛いよぅ。身体の力を抜かなくちゃいけない。リラックスしてリラックス。痛い時にできるかい!

 脱力と緊張を繰り返す。


 ノアが産婆さんと助手の娘を連れてきた。ありがとうノア。


 産婆さんは辛辣だった。痛いのに「ちょっとそこら辺歩いて来なさい」だって。鬼だ。鬼がいる。


 ノアに付き添われて屋敷を歩く。痛いよう。


 もう歩けないと部屋に戻ると、分娩台を不思議そうに見る産婆さんがいた。

 私が見本になって座る。産婆さんが喜んでいる。出産の費用は分娩台でいいって。そんなに欲しいかなぁ。産婆さんなら欲しいかも。マジックバッグもつけてあげる。喜びが最高潮だ。あの、お腹我慢するのが辛いくらい痛いんですけど……。ついでに腰も痛い。


 パンツ脱いで座れって?羞恥心は痛みでどこかに行った。素直に座る。うお!痛みの中で下半身に違和感。産婆さんが探ってるんだ。まだかかるって。まだかい。赤ちゃんや素直に出てくれてもいいんだよ?


 ゼリー飲料で水分補給する。長く続く痛みにもうろうとしてきた。「寝るな!」って言われた。寝そうだった?気絶しそうじゃなかった?産婆さん怖い。


 ノアが横で手を握ってくれる。ノアが痛い顔してる。ごめんね。心配かけて。


 多分深夜。まだかかるって。ノアにクリムを食べさせてもらう。水分補給も出来て美味しい。


 息が詰まりそう。本当にまだ?鼻からスイカ出そうなくらい痛いって聞いた事あるけど、絶妙な例えだと思う。力ぬけ、力。


 ダンプに轢かれるくらい痛いってのも聞いたことあるけど、人生最高潮の痛みは間違いない。


 ノアが顔をキレイにしてくれる。1人じゃない。頑張らなくちゃ。


 産婆さんまだー?産婆さーん。子供よ、はよ出ろ。


 気絶したい。モニカさんもこんなに痛かったのかな?


 やばい、今いつ?何時になった?ノア助けて、ノアー。


 力入れていい?いきんでいい?あっ、子供が降りてくるのわかる。もう少し頑張れ頑張れ。


 あ、泣き声した?産まれた?まだお腹痛い。いきむ。

 胎盤なんか、出て来たかな?産婆さん、治癒魔法掛けていい?いいって。治癒魔法を自分に掛ける。ついでにクリーンも。身体中の水分出たかと思った。ゼリー飲料を飲む。赤ちゃんは?赤ちゃーん。

 ノアが私を抱き上げてくれた。ベッドに連れて行ってくれる。赤ちゃんがおくるみに包まれていた。


「やっと、会えたね。私と、ノアの、赤ちゃん」


「男の子だよ。名前はルークだよ。カヨ」


「ルーク。ノア、お乳、飲ませるの、手伝って」


 ノアは私の服を脱がせて、ルークの口にお乳を含ませた。強い力で吸われる。私とノアの子供。さっきお産の時に泣いたのに、また涙が出て来た。かわいい耳、ノアにそっくりな髪色。カーマインの血が濃いよ。産まれたのはノアにそっくりな獣人の赤ちゃんだった。

 あ、赤ちゃんのベビーベッド出さないと。


 その後は意識がもうろうとして寝てしまった。


 泣き声と身体が動かされるので、目が覚めた。ノアが赤ちゃん、ルークにお乳を飲ませようとしていた。


「ノア、ごめんね。眠れてないね。ありがとう。」


「大丈夫。カヨほど疲れてないし」


 ノアが赤ちゃんを支えてくれる。さっき飲んだのとは別のお乳を含ませた。こうするといいって書いてあった。情報はネット。重宝してまーす。メンリル様ありがとう。

 飲み終わったら、ノアがベビーベッドにルークを寝かせてくれた。赤ちゃんのおむつ!買ってあったの出さないと。

 ノアに付け方を教える。楽でいいってさ。


 さあ、ノア、寝る!部屋を私とルークで別にするか聞いたら、ちょっと食い気味に嫌だ!って言われた。本当は休んで欲しいんだけど、嬉しいと思ってしまった。

 ノアの隣に横になる。嬉しそうなノア。私も同じ顔してるかもしれない。手を繋いで横になる。ルーク少し休ませてね。


 私達の赤ちゃん。



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