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【旧作】私は異世界で自由に生きる〜子供達に癒される〜  作者: 春爛漫


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視察団2つ目の町

 ノア達視察団が昼食に帰って来た。パージが急いで食事を配膳し始める。


 ノアにお帰りなさいのハグをして、一緒に昼食を食べる。

 人族との緩衝地帯だからか、食事が終わったらまた視察に出かけた。見送ったら、レインと村のお店を巡ることにした。


 町などとは違い、素朴なお店が多い。雑貨屋に鍛冶屋に木工店。基本的には注文がきてから、作り始めるようだ。村ならではだね。無駄がない。

 初めはみんなレインに驚いていたが、説明すると納得してくれて、珍しがる人が多かった。


 村の教会に行く。祈りの間でお祈りする。無事に視察が終わりますように。

 少し身体が軽くなったように感じる。お祈りの後はいつもそうだ。願いが神様に届くのだろうか?


 少し疲労した身体で、レインと散歩しながら集会所に帰る。

 床にクリーンを掛けて布団を敷いてから、レインと横になる。温かい体温を隣に感じて夢の中に入る。

 幸せな夢を見た。ノアと2人で赤ちゃんを見ている夢だ。顔ははっきりしなかったが良い夢だった。子供の胎動で目が覚めたが。ママを寝かせてくれよとお腹の子に話し掛ける。


 中途半端な時間なので、レインとサーニャとぶどうを食べる。レインの口元にぶどうを差し出すと器用に口の中に入れて食べる。房のまま差し出すと嫌がるが。

 サーニャも幸せそうに、ぶどうを食べている。ぶどうはしっかりした味だから万人受けするな。

 屋敷に帰ればサーニャは通常の仕事に戻る。それも寂しいと思いながらも、視察についてきて良かったと思う。カーマインの独自の生活を知れた。私1人で行商してはわからない事だった。


 カーマイン領は私の第二の故郷になった。この領地を暮らしやすくしたい。カーマイン領で魔道具屋を開こうか。人手はどうしよう。悩む。まずは出産を乗り切ってからだとわかっているが。

 他領の土地に治癒もしていきたい。噂が広がっているなら、私を待ってくれている人がいるだろう。期間が大分空いてしまったが。


 年を越して1月2月ごろに、カーマイン領にまた季節風邪が流行るだろう。その頃には動いて治療をしていきたい。

 やりたい事がいっぱいだ。分身を作れればいいのに。いや、創造魔法があれば私に忠実な生き物をつくれるんじゃないか?やってみる価値はある。

 でも、全部出産が終わってからだな。


 果物を食べ終わったら、レインにブラッシングする。サーニャもしたそうにしてるから、地球通販で同じブラシを買って2人でする。レインはまた眠ってしまいそうだ。気持ちいい?そうかそうか。満足するまでブラッシングした。


 レインのふわふわの毛、何かに活用出来ないかな?なんか捨てるの勿体ないんだよね。アイテムボックスが∞なのを利用してためてるんだけど、ぬいぐるみの中の綿とかにならないかな?動物性だから虫が付くかな?それとも妖精だから、劣化しないかな?どうしよう。わからないから保留でいいか。


 もうすぐ夕食。玄関がガヤガヤしてきた!ノア達が帰って来たんだ!お出迎え。ノアが見つけてくれて、ハグ。今日もお疲れ様でした。


 ちょっと冷えてきたから、ポトフみたいな夕食がありがたい。もちろんガッツリ肉も付いているが。

 お偉いさん方、視察団の人は肉食獣の人ばかり。草食獣の獣人もいるけれど、御者さんなんだ。食事量で負けてても、肉は食べる。種族が違うのもただの個性なんだ。差別なんてしない。一見、食事量が違うから、差別しているように見えちゃうけどね。性格的に合う仕事と合わない仕事があるだけ。肉食獣の人はインテリっぽくても、基本オラオラ系が多い。おらおらやったるぞって人。やる気なきゃ視察なんて出来ないけど。

 ノアも貴族として育ってるから、物腰が柔らかく見えるけど、我が強くて強引な所があるからね。やっぱり肉食獣。お父様はよく叫ぶ。紳士的だけどね。お兄様は当主然としていて、個性的な面々を纏めているからリーダーシップがある。まぁ、教育は受けてきたんだろうけど、領主になるだけある。女性はおっとりしてるかなぁ。


 食事も終わったので、部屋に帰る。私とノアとレインにクリーンを掛けて、異空間住居に入る。

 寝室に行き、レインは自分のベッドへ。私とノアはスキンシップをとる。寂しさが和らぐ。必要とされてる事が嬉しい。私がリラックスしてるからか、お腹の子が騒ぐ。ノアは手を当てて喜んでいる。むう、今からやんちゃになりそうで怖い。元気なのは良いんだけど。

 ノアとベッドに横になる。寝たいんだが、我が子よ落ち着け。騒ぐんじゃない。お腹を撫でて対決していたら、いつのまにか寝ていた。




 次の日は、開拓予定地に行く。朝食を食べたら出発だ。


 予定地に着いたら、みんな魔物の気配が無いのに不審がっている。ノアにこっそり魔物の親玉が居て、退治してある事を言うと、ノアはみんなに説明して落ち着けていく。

 私も再度探知をするけれど、私達意外、鳥しか居ない。

 ノアに魔物が居ないから、畜産なんかをしたらいいんじゃないかと提案する。ノアはお兄様に報告する紙にメモしていた。


 昼まで付近を調べて、地形的にも問題無いんじゃないかと言う事で、調査は終わり、昼食を食べてから次の村に向かった。




 それから村をいくつか回り、町に着いて、私は気まずい思いをした。ベルザ町長に会った事があるのだ。真面目な治癒師に変身して。たしか、まじまじと神官の印を見ていたと思う。視察中の私は手甲をしていない。神官の印丸出しだ。

「何処かでお会いした事がありましたかな?」と聞かれたので、正直に打ち明けると「こりゃやられましたな」と笑ってくれた。すまん、やらかしたのは私だ。獣人の鼻がそこまでいいと思ってなかったんだよ。


 町長の屋敷の中を案内されて、今日は町長が用意してくれた夕食をとって休む。レインが床に横になる。


 ノアは視察に慣れてきたのか、初めほど疲れを感じていないと思う。スッキリ起きれるのか、最近は私が朝ノアに起こしてもらう事が多い。

 子供の胎動が、活発でよく眠れない日があるのだが、そんな時はレインと昼寝する。レインの体温が温かくていい。


 お腹の子が今日は静かにしてくれますようにと願いながら、眠りにつく。




 次の日はノアに起こされたが、よく眠れた。2人と1匹で食堂に行く。

 レインに先に果物を出してあげる。町長の屋敷の人はびっくりしていた。そうだよね、普通はペットに高価な果物をたくさん食べさせたりしないよね。でも私には果物はたくさんあるし、レインは家族だからね。美味しいもの食べてほしいんだ。


 朝食の前に、町長の家族を紹介してくれた。町長の奥さんと子供達。上の子はもうすぐ成人かな?下の子は10歳以上と以下の子で3人子供がいるみたい。なんだかレインの事を気にしてる。もふ毛にやられたか、もふ毛に。

 私達も自己紹介する。私の事は、まあ驚かれた。ノアの自慢が凄い。主張はしないけど、紹介にさらっと盛り込む。他の人も挨拶して、朝食だ。子供達は緊張してしまったのか、手元が危ない。ちょっと可哀想になった。変わらずノアが給餌してくるので、返す。見慣れてない方には目の毒です。


 まずは町長の屋敷を視察するらしい。私はレインと護衛を連れて孤児院だ。



 孤児院に着いたら扉をノックする。扉を開けてくれたのは、確かミーシャちゃん。相変わらず可愛い。私の事覚えてるか確認した所、覚えていてくれたらしい。抱きしめたいが、お腹にボールが入っているくらい大きいから出来ない。悔しい。

 院長は確かサリーさんのはず。「お久しぶりです」と挨拶する。一瞬誰?と思ったのが、わかった。1年近く前だからね。季節風邪治療したんですよ。と言えば思い出したみたい。歓迎してくれた。

 子供達は綺麗な服を着ていた。支給しなくてもいいみたい。お金だけ寄付する。もうすぐ成人の子がいたはずだ。物入りだろう。

 ミーシャちゃんを撫でて、他の子は私のお腹とレインに興味津々だ。「優しく触ってね」と言えば子供達が群がってきた。お腹を触って不思議そうにしている子がいる。「子供が入ってるんだよ」と教えてあげれば驚いていた。この子も番いが出来るだろう。その時に慌てないでいてほしい。


 レインは妖精だけど、本物の魔物は目が赤いから、注意してねと子供達に言う。孤児院の中で暮らしているから、村の子より危機感が無いんだろう。やっぱりみんな不思議そうにしていた。この子達の将来が心配だ。


 お昼近くになったので子供達にお別れして、町長の屋敷に帰る。食堂に行くとまだ、ノア達が来ていなかったので、レインの食事を準備する。レインが美味しそうに食べるところを見る。かわいい。


 レインの食事が終わる頃に視察のみんなと町長が来たので、椅子に座る。

 昼食が運ばれてきた。みんなでいただく。これは!一度食べたことがあるぞ。美味しい肉のスープ。この町の名物料理なのかもしれない。夢中で食べる。美味しい!これよこれ!ノアがスプーンをスタンバイしていた。いただく。美味しい!私もノアにお返し。スープが少し熱いけど、肉の味付けが美味しいのよね。何の肉だろう?えっ、ボウの肉?あのお乳の?ボウは優秀なのね。ドラゴン肉に匹敵するわ。 


 満足な昼食を終えた。


 ノア達視察団はお昼から役場に行くんですって。お見送りする。

 町長の1番下の子供がレインに触りたいらしい。どうぞ、触ってちょうだいな。レインと子供、お互いに満足そう。

 遊び疲れたのか、レインをもふりながら子供が寝てしまった。レインも寝る体勢。私は辺りにクリーンを掛けて、レインの隣で横になる。私も昼寝。2人と1匹の寝息だけが聞こえた。


 夕方に起きた。レインは起きているが子供に毛を掴まれて起きれない。これ以上寝ると夜が寝られなくなるので、子供を起こす。むーむー言っていたが、目が覚めたようだ。無意識にレインの方に身体をすり寄せる。気持ちいいみたい。レインは困ったーって感じの鳴き声をあげた。伸びをしたいのに子供が離れないから、本当に困っているようだ。子供の脇を引っ張って離してあげる。盛大な伸びをした。身体が固まっていたようだ。


『カヨ!走りたい!』


 走りたいって、屋敷の前くらいしか知らないよ。とりあえず、レインを屋敷の前に連れて行く。末っ子ちゃんも着いて来た。外に出たら、レインが爆走した。速い速い。

 末っ子ちゃんもレインと一緒に行こうとしてたけど尻込みしてる。

 レインは同じ場所を走っている。一応は勝手に何処かに行こうとはしないようだ。


 私はアイテムボックスから椅子を取り出して座った。最近お腹が重いのか腰が痛くなる。アイテムボックスからもう一つ椅子を取り出して、その前に机を置く。末っ子ちゃんを座るように促す。お皿にライチを山盛り出してあげる。私が食べるのを見て、自分も皮を剥いて食べる。おいしかったようだ。


 レインがいつのまにか走るのをやめて待機している。末っ子ちゃんにレインに食べさせてあげてとお願いする。末っ子ちゃんは恐る恐るライチを手で掴んで差し出す。レインがパカっと口を開けた。鋭い牙に恐怖を感じたようで、手が止まってしまった。レインが待ての状態になってしまった。「怖くないよ」と促せば、レインの口にライチを置いて、ぴゃっと手を引っ込める。レインは『おいしい!』とご満悦だ。末っ子ちゃんも怖くないとわかったようで、レインの為に皮を剥いてあげている。

 今までレインにライチをあげた事は無い。でも、味をしめてしまったから、今度からはたまに食べさせてあげないといけないだろう。


 今は末っ子ちゃんがレインが満足するまでライチをあげたようで、自分で美味しそうに食べている。かわいい。白桃を出して包丁で切ってフォークを添えて「食べていいよ」と渡すと、お礼を言って食べ出した。美味しかったようだ。


 レインが近くに来たので、皮を剥かず白桃を口に放り込んだら種まで食べてしまった。大丈夫かいな。催促してくるので、また口に放り込む。プイよりは若干硬い白桃なので満足したようだ。

 レインになんの果物が1番美味しいか聞くと『メロン!次にプイ!』とのことだ。この果物妖精め。わがまま言わないのはかわいいが。言っても『お嫁さん欲しい』か果物の催促くらいだもんな。あっ、さっきは『走りたい』とも言ったか。かわいいかわいい。

 カーマイン屋敷に帰ったら、果物を食べ尽くすのではないだろうか。満足する方が早いかな。


 レインが走るのに満足したら、末っ子ちゃんがまたもふっていた。気に入られたね。



 外が暗くなる前に、視察団が帰って来た。アイテムボックスに椅子と机を仕舞い、お出迎えする。ノアの優しいハグ。「甘い匂いがする」とノアが言う。果物の匂いかな?ノアの口にライチを放り込む。うまうま食べていた。


 町長屋敷に入り、食堂に行く。準備は終わったようだ。レインの食事を出してあげる。あれだけ食べたのにまた嬉しそうだ。メイドさんが食事の配膳をしてくれる。いただくと、煮込み料理のようだ。ホクホクして美味しい。野菜が甘い。ここの料理人、腕がいいな。素材に合わせた料理の仕方を良くわかっている気がする。

 末っ子ちゃんは間食しちゃったから、夕食は少しにしてもらったみたいだ。兄と姉に心配されている。でも間食したとは伝えない。自分だけ美味しいもの食べたから、後ろめたいのかな?


 食事が終わりレインの食器を回収して部屋に行く。レインも付いてきた。

 私とノアは着替えて、レインはベッドの隣で横になった。

 ノアが後ろから抱きしめてくれるから、ノアの手をいじった。片手でお腹を撫でてくれる。もうすぐ会えるよ。返事をするみたいにぽこんとお腹が蹴られた。ノアが喜ぶ。


 2人とも満足したら、おやすみ。


 今日も頑張ったね。




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