婚約破棄もの〜!
ゆるふわ設定。
キャラもブレブレ(笑)
それでも良かったら読んでみて下さいな♪
「私は真実の愛に目覚めた!お前との婚約など破棄してくれるわ!」
そう声高に叫ぶのは私の婚約者でこの国のレオン第一王子殿下です。
「お前は平民上がりだからと言って我が愛しの聖女であるマチルダをたかが男爵令嬢とバカにし貶めた!」
ええ。確かに殿下の後ろでニヤニヤしている女は下級聖女認定された平民で孤児上がりの男爵令嬢ですわね。
領内に聖属性を持った孤児がいるとかで欲を出した男爵が探し出して養子にした…でしたっけ?
ここは王都にある王立アカデミー。
王国の子女が剣技や魔術、行政や外交を学ぶ為の学校です。
基本的に幼い頃から教育を受けた貴族の子女がほとんどなのですが、市井の優秀な人材の発掘、育成と確保の為に広く門戸は開かれております。
今は創立記念日のパーティー中です。
王立と言う事で本日は在学中の第一王子殿下だけではなく、長子であり私を実の妹の様に可愛がってくれる第一王女殿下や2つ年下の第二王子殿下、勿論国王陛下や王妃殿下も来席されます。
あ。申し遅れました。
私、この国の筆頭公爵家で長女をやっとりますセシリアと申します。
「私の寵愛を受けているからと言って、嫉妬し罵声を浴びせたり嫌がらせをしたらしいではないか!」
んー。うちは筆頭公爵家ですよ?そんなセコい嫌がらせなんかしませんって〜。
「お前の様な卑劣な女は願い下げだ!私の名に於いて婚約を破棄し、国外に追放してやる!」
ほー。婚約破棄ですか〜。国外追放ですか〜。
「そして私は王太子となり、最愛の男爵令嬢を王太子妃に迎える!」
ほー。立太子するんだ?
「殿下カッコいいですぅ〜!」
あ。まだ居たんだ?
「おい!キサマ!何とか言ったらどうなんだ!」
え〜?私ですか?
「婚約破棄の件は承りました。国外追放とは…本気ですか?」
「私が決めた事だ!誰にも反対などさせん!…どうせ親にでも泣きつく気だろうがな!」
いや、そんな事しませんが…
「あと、立太子されるとは?」
「私が第一王子なのだから当然であろう。」
「え〜っと…婚約関係に付いてどう言う風に聞いてらっしゃるんでしょうか?」
「王太子である私に公爵家の娘であるお前が王太子妃として…」
「私嫡子ですわよ?」
「えっ?」
「殿下はウチに婿養子に来られるのです。」
「そんな戯言を!第一王子なのだから当然王太子であろう!」
「あ〜ら。父王のあとは私が女王となりましてよ?」
あ。フレア第一王女〜!
「あ、姉上!いきなり何をおっしゃいます!」
「ここ何代かは長子でも降嫁したりして女王は出てませんが…基本的には長子相続なのですよ?」
あ〜。王妃様だ〜。
「は、母上!」
「は〜。わざわざ公爵に頼み込んで婿養子にしてもらう様にどれだけ頭を下げたか…」
ご苦労なさいますね…陛下…
「ち、父上!」
「あ。あとその娘、もう聖女でも無ければ男爵令嬢でも無いわよ?」
「え?姉上なんと?」
「そりゃ娘を蔑ろにされたら公爵様も怒るでしょ〜?教会に働きかけて聖女認定は取り消し、男爵家も取り潰し。娘可愛いからってやり過ぎよね〜。」
お、お父様…恥ずかしい…
「それで公爵令嬢を国外追放にするとな?何の罪状か申してみよ。」
「はい、父上。聖女を貶め、害そうとした罪で…」
「それならもう罪にはならないよね〜。もう聖女じゃ無いんだから。」
「あ…」
「あとさ〜私を差し置いて立太子するんだっけか?お姉ちゃん…悲しい…」
王女様…キャラがブレブレですよ?
「さて、皆の者騒がせたな。件の通り第一王女が立太子し次期女王となる。さぁ!戯言はここまでだ!我々は退席するが皆、楽しんでくれ!」
あとは家族だけでお話ですね〜。
えっ私もですか?
「王子よ、そなたの希望通り、婚約破棄とそこの元聖女との婚姻を認めよう。但し、王籍は剥奪の上王都からの追放を命じる。」
「そんな!父上!」
「筆頭公爵家を怒らせるとはそう言う事だ。創成期なら兎も角安定期に入った今となっては王族とは言え配下の顔色は伺わねばならぬのだ。」
王は溜息混じりにそう語る。
「さて、我らが心の義娘よ。この度は迷惑をかけたな。公爵殿にも宜しく伝えておくれ。」
「かしこまりましたわ。もう陛下、王妃と呼べなくなるのは寂しいですが…」
「これからも遊びに来ればいいわ!大切なセシリアなんだから!」
「お姉様…」
「あの〜。レオン兄様の代わりに僕がお婿に行ってもいいですか?」
あれラルフ君いたの?(笑)
この子影が薄いのよね…いい子なんだけど…
「まぁ暫く期間は開けましょう。色々とレオン達を処理しなきゃね。」
流石です?お姉様!
和気あいあいと会話が弾むセシリアと王族の皆様…
「お前と関わらなきゃなぁ…」
「王様になれないあんたなんか興味無いわよ!」
あらあら…レオン達は仲違いですわね〜。
真実の愛って何なのかしら〜?
婚約破棄物で、娘への仕打ちを怒った父公爵が娘を嵌めた聖女と家を潰す!みたいな話を書きたかったのに…
なぜこうなった?
べ、別に後悔なんかしてないんだからね!