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78.女子高生(おっさん)を巡る戦い②〈女子達の争い〉


〈2-A 教室〉


「アシュナはもうウチらと回るって決めてたの!」

「はぁ!? 自分がさっきアシュナっちに決めさせよーって言ったんじゃん!」


 ミクとヒメの争いはヒートアップし、両者ともに俺の腕を抱くようにして引っ張り合う。どうやらおっさんに早くも第二のモテ期が到来したようだ、女子高生二人が『自分の方が好き!』と言わんばかりに俺の細腕を(くる)むようにして離そうとしない。

 分かりやすく現状を説明すると……『TT兄弟』のようにピンと引かれる俺の腕に絡みつくミクミクとヒメのダブルおっぱい、頭にはヒマリのおっぱい枕──机の両サイドには心配そうに見守りながらもお互いに(アシュナ)と同じ班になりたいので主張を譲らないエナとヒナヒナのおっぱい。


 ここが、極楽浄土か──と思わざるを得ない光景に、絵に書いたような中心人物であるにも関わらず顔がにやける。しかし、俺が原因で争っているのに他人事はよくないなと思い、表情を引き締めた結果──


「アシュナ痛がってるじゃん離しなよ!」

「そっちが離せばいいでしょ!!」

 

 ──と誤解され、火に油を注ぐことになってしまった。

 よく、昔話なんかで『痛がらないように先に手を離した方が思いやりがあって勝ち』みたいな教訓があったりするがそれは違うと個人的には思う。

 『おっぱいを存分に堪能させてくれた方が勝ち』だと今の子供達にはそう伝えた方が良いのではなかろうか。


「ヒメちゃんミクちゃん~、アシュナちゃん困ってるからじゃんけんとかで決めたらいいんじゃないかな~?」

「そんな運に頼って決めていいくらい生半可な気持ちで誘ったのヒマリ!? あたしは違うから!! 絶対アシュナじゃなきゃやだ!」

「ウチらだってそうだし!! 半端な気持ちじゃねーから!!」


 素晴らしいおとしどころであるヒマリの提案も意固地になった二人に一蹴された。こうなってしまっては最終決断は俺による判断しかない。

 深く考えてみる──優劣はつけたくはないけどどちらのグループに入った方がいいだろうか、を。

 まずミクはサイズは普通だが、ギャル特有に胸元を開いているおかげで腕に地肌おっぱいが直に当たる。対してAAサイズのヒメのおっぱいは平らだが、制服の奥に在る秘めた美しさを俺は知っている。ではヒナとエナはどうだろうか。ヒナヒナのおっぱいは論評するまでもなく美しいのは知っている、それに対してエナっぱいはあまり見た事がない、つまりは未知なる秘境……そういった意味では二人にも優劣などつけ難い。


 駄目だ、おっぱいの事しか浮かんでこない。


「あ、じゃあミクちゃん……周りたいルートとかお互いに決めてそれでアシュナちゃんにどっちがいいか決めてもらうのはどうかな……?」

「「──それだっ!」」


 絶妙に素晴らしい提案力を持つことでお馴染みのエナが双方納得の妙案を告げた。

 こうして放課後、(アシュナ)獲得のためのプレゼンバトルが行われることになった。


                   〈続く〉

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