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70.女子高生(おっさん)の教育


「あっ、師匠~っ! お久しぶりです~っ!」


 部活を終え、日の入りが遅くなりつつあり辺りが橙色に染まる時分……校門外で待ち受けていた人物に声をかけられた。

 フットサルで出会った『えちの化身』──他校の女子高生【吉良(きら)星星星(きらきらら)】ちゃんだ。

 連絡は取っていたが顔を合わせるのはフットサル以来の再会だ。今日は制服を着ている、学校帰りなのだろうか。相変わらずえっちな身体だ。


「ひ……久しぶり……ぅひひ……元気でした……?」

「……師匠、あたしを見ると前屈みになるの相変わらずですね……弟子にしてもらったのに会いに来れなくてごめんなさい……師匠もお忙しそうだったし、あたしも色々立て込んじゃってまして……」

「あ、うん。『アイドル』ですもんね」

「それにあたしもう三年だから色々ありまして……けどっ、師匠に追い付くために修行は欠かしてませんよ!」


 そう、フットサル後に判明したことだが……キラちゃんは歳上であり、しかも『地下ドル』として実際にアイドル活動をしている。

 こちらとしても、彼女と会うのはあまり気乗りしていないので申し訳なさげなキラちゃんには逆に申し訳なかった。

 会うのが(はばか)られる理由は……彼女は(アシュナ)のことを『経験豊富で自由に男を手玉に取れる天性の小悪魔』だと勘違いしているからだ。そして地下ドルとして、そのスキルを伝授して欲しいらしい。

 確かに(アシュナ)は現代に現れたサキュバスの如く男たちを魅了してはいるけど……おっさんにそんなスキルはないしあったとしても野郎なんかに興味は無いし使わない。

 

「どうですかこれっ。ほら、見てくださいっ。膝上17センチのギリギリまで詰めた超ミニスカートです~、見てくださ~いっ」


 吉良ちゃんはそう言ってクルリと回転して(あらわ)になった太ももを見せつけてくる。Fカップのおっぱい(本人談)がたわわと揺れ、同時に改造された制服のスカートから男心を一番くすぐるであろう薄ピンクの下着(個人的調べ)が一瞬だけ顔を覗かせた。

 相変わらず、某アトリエの某錬金術師のような気持ち良さそうな身体つき──その太ももに挟まれて昇天したいという男は後を断たないだろう。


「これなら玉の輿だって狙えるんじゃないっすかねぇ~えへへっ」

 

 しかし、つい先日ヒメとのヒメ事でランクアップして賢者タイムに突入しているおっさんにとって……キラちゃんのこの姿勢については異論を挟まずにはいられなかった。


「キラちゃん、今からうちに来て」

「…………えっ? そ……それって……」


 どうやらキラちゃんにはアイドルとして、どう振る舞うか指導しなければならないようだ。キラちゃんは何故か頬を紅らめて黙ってついてきた。


                   〈続く〉

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