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おまけ.女子高生(おっさん)のバレンタイン〈女子達編〉


〈2月14日 教室〉


 おっさんに人生初のモテ期が来た。

 街がピンクに色づくバレンタインだ、前世では母親からしか貰った事が無かったのでおとぎ話の類かと思っていたけど……どうやらこの世界線では現実にあるイベントのようだ。※注(前世でもありました)


「「「アシュナー、バレンタインおめでとー♪」」」


 登校して教室に入るなり、まるで誕生日かの如く『三女傑』がチョコを差し出してきたのだ。しかも個別、これは最早プロポーズ……重婚したと言っても差し支えないのではないだろうか。


「はい、アタシから。いつもありがとねアシュナ」


 姫女(ひめ)は三人の中では一番料理が上手い、お菓子作りもお手のものなので自然と期待が高まり涙する。


「ぅう……ありがとうヒメ……」

「泣くほど?! ま、まぁ……渡した甲斐があるよ……」

「はーい、次は私のだよー。大好きだよアシュナ」


 二番手はヒナヒナ、料理が得意とは聞いた事はないけど可愛いから何でもいい。オシャレなことが大好きからチョコの中に隠し味とかいれているかもしれない。


「ヒナ、血とか下の毛とか入ってたりする?」

「入れてないよ!? アシュナは私に黒魔術のイメージでも持ってるの!? そんな事しないよ!!」

(ちっ……入ってないのか)


 期待の意味を込めて聞いただけなのだが、ヒナヒナはぷんぷんと怒っていた。


「味見用にちっちゃいのも作ってみたんだよっ、食べてみてっ」


 ヒナヒナからはこの場で食べられる包装されてないチョコも渡される。ここまでしてもらってるのに、おっさんは何も用意していなかったことを謝罪する。


「ありがとう……けどゴメン……私、何も……」

「いいのいいの、アシュナがそういうの興味ないってわかってるから。これはただ私達が渡したかっただけだから気にしないで」


 なんていい娘達なのだろうか、と涙ながらにチョコを口にしているとラストにおっとり系隠れエロ娘のヒマリもチョコをくれた。


「えへへ~、わたしからもアシュナちゃんのだけ特別なチョコだよ~」

「特別?」


 どういうことか聞いてみると、ヒマリは頬を染めてたわわなおっぱいを俺に押し付けながら耳打ちしてきた。


「(あのね~……わたしのおっぱいで型どったチョコなんだ~)」


 その瞬間ーー興奮したおっさんはエンッッッッと鼻血を噴射した。


「アシュナっ!!? ヒナっ!? あんたやっぱりチョコになにかいれたの!?」

「いれてないよっ!? アシュナ大丈夫!!? チョコ苦手だった!?」


 ざわつく教室と皆の心配を余所に、持ち帰って存分に堪能しようと思ったおっさんだった。


             【現在のチョコ 3個】

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