42.女子高生(おっさん)と陽キャ男子たち Ⅱ-4
キラちゃんは謎の勝負を挑んできた。
『どっちがより多くの男子を堕とせるか』らしいが……おっさんにはそんな事をするメリットが一つもない。
(なんでおっさんがイケメンにそんな事してやらなきゃならんのだ……どちらかというと、今まで良い思いをしてきた陽キャには一回不幸のどん底にまで落ちて闇を味わってほしいくらいなんだけどーー)
ーーなんて卑屈な考えをしていると早速、キラちゃんが動き出した。
「みんなぁ、最後まで頑張ろっ。一点でも決めた人にはご褒美でぇ……させてあげるよっ。あ、相手チームのあなた達もいいよぉ?」
「「!!」」
その言葉を聞いて、相手チーム男子とこっちチームの陽キャ達の目の色が変わる。もはや形振り構わない最終手段だ。豊満なおっぱいを惜しげなく持ち上げる仕草をするキラちゃんーーこれは、男ならば100パー引っ掛かるだろう。
「ま……まぁ、最後くらいは真面目にやるか」
「あ、あぁ! そうだなっ!」
イケメン達はこぞってやる気を出し、俺から離れる。男の哀しき性ーーこれは致し方ないだろう。
なにせ、おっさんも引っ掛かっているから。俺はキラちゃんに聞いてみた。
「あの……それ、私も参加していいかな……?」
「いいわけないでしょ!? あたしとあなたの勝負なのよ!?」
「えー……じゃあ、私、やる意味ないから帰る……」
「なんでよ!? なんでそんな悲しそうな顔してるの!? ……わ、わかったわよ! あなたとも得点決めたらしてあげるって! だから勝負してよ!」
「本当!? ぅひひ……じゃあ、やる」
「……なんなのこの子……」
キラちゃんとのえっちな約束を取り付け、おっさんのモチベが上がった。得点を決めれば俺にもえっちな事をしてくれるようだ。喜びとワクワクを抑えきれず、思わず笑いがこぼれる。
張り切って配置につこうとしたその時ーー突如、物凄い快感が俺を襲った。俺のおっぱいからだ。そして瞬時に原因を悟る、今日はフットサルの観戦だけするつもりで面倒だったのでブラを着けてきていなかったのだ。興奮して浮かび上がったそれがユニフォームに直に擦れてしまったようだ。突然の出来事に声を抑えられずーー
「ーーっぁぁんっ!!」
「「「!!?!!!?」」」
と悶え、響き渡ったおっさんの悶え声に全員が真っ赤になり、俺の胸を見て事情を把握した大人達とイケメン'sが股関を押さえていた。
すると何故か審判団が騒ぎ出して、試合終了のホイッスルを吹いた。
〈ピッ ピッ ピーーー!!〉
「試合終了っ! 男子選手達は速やかに撤収!」
「あ……あぁっ! アシュナ姐さんっ! 俺ら見てないからっ!」
「うむっ! 皆、アシュナ選手の方を向く事を禁止とするっ!」
「ああ! 俺ら如きが見ていいものじゃない尊きものだ! 皆、退くぞ!」
オトコ達は訳の分からない事を言いながらバタバタと退場していった。一体どーいう事?
「……エロい仕草をして逆に保護欲を駆り立てて試合を強制終了させるなんて……エロで釣ろうとするあたしなんてまだまだお子様ってことね……完敗です……師匠っ! あたしを弟子にしてくださいっ!」
キラちゃんも意味わからない事を言って抱きついてきた。
よくわからないけど、その後、更衣室でキラちゃんの身体を堪能して連絡先を交換したので終わり良ければ全て良かった。
〈冬休み終了〉