31.女子高生(おっさん)といる家族 Ⅲ-②
「へぇ、じゃあ皆さん都心からわざわざこんな田舎に来てくれたのね~」
「はい、あ、でも凄く素敵なところだと思いますよ。空気もおいしいですし……すぐ海に行けるし山もあるし羨ましいです」
和やかな会話が露天風呂にて交わされる。
星空を眺めながら湯に浸かるのは母さんと妹、そして都心の女子大に通っているという女子大生達。
なんと、俺がしでかした奇行をきっかけにして仲良くなってしまったのだ。
目の前には一糸纏わぬ女子大生達が濡れた肢体を惜しげもなく晒している、ここにおじさんの心を持つ女子高生がいることを知らずに。俺は股関を隠しながらも、なんとか冷静を装っていた。
「お姉ちゃん……大丈夫? 入ったばっかなのにもう真っ赤だけど……」
「は、はい。あの、皆さん凄く綺麗な身体で素晴らしいと思います……」
「……なんの話してるの……それにずっとお股隠して前屈みになってお腹でも痛いの?」
「いや……汚らわしいものをお見せするわけにはいかないので……」
「……汚らわしい? アシュナちゃん凄く綺麗だよ? ホント、別世界の人間って感じ。思わず見とれちゃったくらい」
「ねっ! 思った! 二次元の住人みたい! どうしたらそんな可愛くて綺麗になれるのか教えて! あ、マナちゃんも凄く可愛いよ」
「あはは、いいんです。お姉ちゃんは別次元すぎて比較されても嫉妬とか悔しさとか全然ないんで。自慢のお姉ちゃんなんです」
「おっぱいが2つ……おっぱいが4つ……おっぱいが6つ……」
「……最近はなにか様子がおかしいんですけどね……」
耳には入るが脳には入らない会話をしながら、もう開き直ることにした俺は女子大生達の身体をガン見する。
すると、それに呼応するかのように、女子大生達は照れながらも皆して俺を囲い始めた。一体何が始まるのだろうか?
「赤くなっちゃって可愛いー……アシュナちゃん見てるとなんか不思議な感情芽生えそう……」
「ね、なんか色々教えてあげたくなっちゃう……」
なんだこれは? 可愛い女子大生達がおっさんを襲おうとしている。押し寄せる弾力、艶めく肢体、目線を下に逸らしてもそこには女子高生の身体。八方塞がり。
そこで俺は更に開き直り、悟りを拓く。
心は実質おっさんなのだからこれは正当な多人数プレイ。つまり初体験ーー童貞喪失に等しいものだ、と。
「お……お母さん! あっちにも行ってみよっ!」
「あら、そうね。ふふ、あとは若い娘同士で楽しんでくださいね~」
母さんと妹に気を使われ、やけになった俺はその後ーー女子大生達とめちゃくちゃ戯れ、のぼせて気絶した。