24.女子高生(おっさん)vsDQN-③
まだ本調子ではありませんが、今日から執筆投稿再開します。体調次第ですが、なるべく2日に一話ペースくらいで頑張ります。
「ご……ごめんね波澄さん……僕のせいであいつらに嫌がらせされて……」
「ぅうん、大丈夫。それにマサオ君のせいじゃない。あいつらがどうしようもないクズなだけなんだから芯を強く持って。マサオ君はなにも悪い事してないんでしょ? だったらどんと構えてて、ね?」
「……う、うん……ありがとう……波澄さん……」
「それで少し頼みたい事があるんだけど……いいかな?」
「う、うん。僕にできることならなんでも言って」
休日を挟んだのちの月曜日ーー俺はイジメ被害者だったマサオと二人きりで話す。イジメ対象が俺に移った事で若干の元気を取り戻したようだ。良かった良かった。
俺はマサオに『ある事』を伝えるーー計画の最終段階として必要な事を。他の誰かにやってもらってもいいんだけど……半年もの間、被害者であったマサオも恨みつらみを晴らしたいだろうから手伝ってもらう事にした。
「そ……そんな……波澄さんが危ないんじゃ……」
「私なら大丈夫、いざとなったらねじ伏せるから。どうかな? 上手くいけばもうあいつらに怯えなくて済むかもしれないよ?」
「……だめだよ……波澄さんは知らないかもしれないけど……あいつらのリーダーのお父さんはこの街有数の権力者で……きっと揉み消される……だからみんな逆らえなくて……」
「ふふ、知ってるよそんなの。それももう手を打ってある、あとは実行に移すだけだから心配いらない。ね? 私を信じて?」
マサオの肩に手を乗せ、眼を見て微笑む。それに照れたのかマサオは真っ赤になって顔を逸らせモジモジしていた。
やがて意を決し、赤くなりながらも口を開いた。
「……なんか波澄さん……急に人が変わったね。も、もちろん良くなったって意味で……入学当初は冷たい瞳をしてて……誰も寄せつけない感じだったのに……凄く大胆になったっていうか……」
マサオが言ったのはおっさんの精神が乗り移る前の、中二病&人見知り全開だった時の俺だろう。ヒナヒナから聞いた話によると【氷の女帝】なんて呼ばれていてーーそれはそれでファンを作っていたらしい。まぁ、今はどうでもいい話だ。
「……うん、僕、やるよ。僕も波澄さんみたいに変わりたいから」
最後の協力者を得て、DQN撲滅作戦の開始を決行する。