表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

247/270

224.女子高生(おっさん)の最終イベント『文化祭』プログラム⑪~異変~


「……ナ……ア…………アシ………………アシュナっ!」

「………ん?」

「もぉ~どうしたのボーッとしてー」

「大丈夫? 疲れちゃった? 具合悪い?」

「……大丈夫、ありがとうヒメ。ごめんねヒナ。次はどこ行くんだっけ?」

「じゃあ~お化け屋敷行ってみよ~よ」


 昼時、ミスコンを終えた俺は陽キャ三女傑と共に学祭を見て回った。どうやら阿修凪ちゃんが約束していたらしい。三人共、非日常の学校の様相にテンションが上がりっぱなしだ(いつものことだけど)。


 だが、おっさんの気分は乗らなかった。

 急にメンタルよわよわモードになり、皆との別れが寂しくなったからである。

 学祭のノリで作られたクオリティの低いコンテンツの数々がクソつまらないのもあるだろう──こんなん絶対身内にしか受けないだろと心中で毒づく始末である。


 あれからダメ神夫婦とも連絡取れないし……阿修凪ちゃんは爆睡してるし……もうこの世界で俺は一人ぼっちで消えていくんだな……とメンヘラ状態になりつつも何とか楽しんでいる感を出してお遊戯祭りに興じていると、何故か周囲の目線がいつもと違っている気がした。

 女生徒や女性の一般客は嫉妬に狂ったような眼をこちらに向けているような気がするし、野郎共は尊敬のような眼差しをしつつも……諦めを孕んだり、やはり嫉妬してそうな睨みを利かせたりと謎の百面相感を(かも)し出していた。


 一体なんなのだろうか──世界がバグり始めたのだろうか。

 だが、ヘラっているおっさんにとっては最早どうでもいい事象である。

『もう別れを回避できなくて、俺一人が消えるのであればむしろ皆一緒に滅べばいい』

 あれだけカッコつけて終わりを迎えようとしたにも関わらず、最後に全てを台無しにする不安定な情緒と意地の悪さと我儘(わがまま)の極意を併せ持つのがおっさんという生物の特徴なのだ(※個人差があります)


「あ、ごめん。ちょっとおトイレ行ってくるね~」

「あ……じゃあ私も……」

「………えっ!?」


 ヒマリがトイレへ向かおうとしたので連れションしようとすると……ヒナとヒメが驚いた様子を見せた。

『え? 何か変な事言った?』と問おうとすると二人とも『あ、うん。そうだよね……』と急に納得して不思議がっていた。


 そしてヒマリは、明らかに動揺して顔を真っ赤にしていた。

 ご飯おかわり四杯はイケそうな表情だったが、それよりもまずわけがわからなかった。

 本当にどうしたのだろうか?





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ