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221.女子高生(おっさん)の最終イベント『文化祭』プログラム⑩~ミスコン~


『──さぁ、遂に始まりました。今や伝統行事となりました【第10回君不問高校ミスコンテスト】!! 毎年恒例となる程の人気行事となった我が校ナンバー1の魅力あるレディを決めるこのイベントでは、自薦他薦問わず本年度も数多くの女子達がエントリーしていますよ~! 242人もの女子高生の頂点に輝くのは一体誰なのか!!』


 校庭に作られた仮説ステージ──学生のノリのみで開催されたようなその場所にはバンド演奏に負けず劣らずの観客(くそやろう)達が押し寄せていた。

 恐らく、というか確実に全員が全員……ステージ上に現れる女子達のスカート内を合法的に覗く目的だけのために集まっているだけだろう事は明白だ。


 ミクから『ミスコンに阿修凪ちゃんが自ら参加表明した』と話を聞いた時はなんとかしてバックれようと考えた。

 それはそうだろう。なんせ、おっさんの意識はもういつ途切れてもおかしくないのだ。

 それに加え、そもそもおっさんが可愛さナンバー1を決める争いなぞに参加して男共にサービスしてやる理由が1ミクロンも存在しない。

 阿修凪ちゃんと●●●した今、もはやこの身体を狙う男共も全て敵だ──つまりミスコンになど出る意味が全く皆無なのである。


 しかし、経緯は知らないが……あの陰キャの阿修凪ちゃんが恐らく自分を変えるために参加したのであろうことを考えると無為にはできなかった。

 当の本人は寝てしまったけど、その覚悟を不意にすることは俺にはできない。


『尚、二年A組の【波澄阿修凪】さんに関してですが……他薦投票にて、既に生徒全員の票を獲得しておりまして……このままでは勝負にならないどころか立候補者が一人も現れなくなることを危惧し、もう殿堂入り扱いにするべきと判断しました。というわけなので特別審査員として参加してもらいます! 参加者は波澄さんに持ち前の女子力と思いの丈を存分にアピールしてもらいますっ!』


 実況役がなにか言っているが、初耳である。

 決してその事を事前にミクから聞いたからふらふらと(いざな)われるようにここへ足を運んでしまったわけでは絶対にないのだ。


『更に今年は他校からの飛び入りや芸能界からのゲストもいますっ!! 彼女らは波澄さんへの想いを胸に是非参加したいと意思表明してきました! かつてないほどにスケールの大きくなった第10回君不問高校ミスコンテスト──いよいよ開幕ですっ!!』


 話によると水着審査などもあるらしいと聞いたが、それは絶対に関係ない。

 あくまで独り立ちをしようと無理をしただろう阿修凪ちゃんの意志を()むために来ただけであり、スケベ心が何物をも凌駕(りょうが)した結果ではない。


『さぁ!! トップバッターを飾るのはいきなり飛び入り参加のこの人!! 地下界隈では知らぬ者はいない地下ドル──豊満な身体と天真爛漫なキャラで人気急上昇中の【吉良(きら)星星星(きらきらら)】ちゃんだぁ!!』

「ししょーぅっ!! お久しぶりですっ!! 今日は師匠に成長したあたしを見てもらいに来ましたよーぉっ!!」


 いきなり見知ったおっぱい、いや、太もも……いや、顔が現れた。『赤ちゃん錬金術師の身体を持つ女』として名を馳せる吉良ちゃんだ──しかも、水着である。


 阿修凪ちゃん、安心して欲しい。

 君の勇気ある参加は決して無駄にはしない──いつ意識が無くなるかなんてそんなの関係ねぇ!!

 この役割をまっとうするまで、阿修凪ちゃんが戻るまでここは俺に任せて先に行エッッッッッッッッッッ!

 阿修凪ちゃんにバトンを渡すために俺が代わりに相手になってやる!!

 俺の屍を越えて行エッッッッッッッッッッッッ!






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