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216.女子高生(おっさん)の最終イベント『文化祭』プログラム⑧~緊急事態③~


「──えっ、りらん……ちゃん?……なんで………」


 そこにいたのは──前世では大変お世話になり、今世でも一騒動あったメイドの【りらん】ちゃんだった。

 何故にりらんちゃんがラスボスみたいな感じで登場するのか……そんな伏線どこにもなかったじゃん──と突っ込むよりも先に、隣にいる阿修凪ちゃんが不思議そうに反応した。


「………えっ? りらん……ちゃん……ですか?」

「え……うん、ほら……めらぎとメイド喫茶行った時の……」

「………………」


 阿修凪ちゃんは何かを考え込むような表情をした。

 それは『誰でしたっけ?』と記憶を辿る仕草ではなく──まるで、()()()()()()()()()()()()()と言わんばかりの面持ちだった。


 そして、その戸惑いの意味はすぐに彼女の口から告げられる。


「…………すみません、私にはどう見ても()()()()()()()()()()()()()()…………」

「……………は?」


 りらんちゃんが男に見える?

 明らかにひらひらなメイド服に身を包んであんなにも可愛らしいのに?

 もしかして彼女は実は男の娘だった?

 それはそれで興奮するかも──などと混乱で脳がヒートアップして坩堝(るつぼ)と化そうとした時………ふと(ひらめ)く。


 男か女かわからない存在──そんな人物に過去一度だけ遭遇した事があった。


 もはや本当にいたのかさえ定かではないほどに誰の記憶からも消えてしまった人物。

 俺と阿修凪ちゃんが分離している現状。


 それらを総合した時、押し寄せる疑問の解答は明白となった。


「……もしかして、あなたは……キヨちゃんの奥さんの【天海キヨ】さん……?」

「ピンポーン、あてぃ~。やっぱ鋭さんやー~」


 いつだったか聞いた沖縄弁を余すことなく披露し、彼女は正体を明かす。たぶん『当たりー鋭いねー』的な事を言ったのだろう。

 【忽那なつく】という女子大生を名乗って『琉球騒動』にて世にも奇妙テイストで謎を残したこの人……いや、このお方が【のじゃロリキヨちゃん】の奥さんの【天海キヨ】さんなのか。


 しかし、何故に【りらん】ちゃんの姿なのだろう。


「そりゃあね、りらんもわっちの姿の一つだからでありんすよ」

「…………えっ?」

「おじさんには女の子に見えるんですか? 私には酒場のマスターみたいな中年さんにしか見えませんが……」

「ぁい、そちらもわっちでござんす。一度会うたことありんすよね?」

「えっ……………あ、あのビリヤードの時の………って!つ、つまりおじさんが出逢ったメイドさんやマスターさんも全て貴女なのですか……?」

「ぁい、わっちには【娚人(にゃんちゅ)】の力があるさかい『男』でもあり『女』でもある存在──色んなところでバイトしてるでありんすよ」

「…………いやいや………神様なのにバイトって……もうなにがなんだか……一体どういうことなんですか……」

「女の子の方の主さんは察しが悪いでありんすなぁ、男の子の方の主さんはもう大体理解できてはるんでしょ?」


 話を振られ、二人の視線が俺に集う。

 しかし──俺はそれどころではない感情に精神を支配されていた。

 神様との邂逅よりも、これまで出逢った人々が実は神様だったという事実よりも──もっと大事なことに。


 俺ははからずも、思いの丈を叫んだ。


花魁娘(おいらんっこ)だ!! 郭詞(くるわことば)!! レア属性!!」

「おじさん!? 絶対そんなこと気にする場面じゃないですよね!?」



花魁言葉(郭詞)難しいです……おかしかったらごめんなさい。

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