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102.100話目で誕生日を迎え何かが起きそうなフラグを立てられる女子高生(おっさん) ③


「──さて、審議が必要なものもありましたが……時間が押していますので再開しますわ。ではまず……そちらのオタク4人組」

「わ……我々の事ですかな……?」

「他に誰かいまして? 早くしなさい」

「おほっぅ……(さげす)んだ瞳……ご褒美でござるっ」


 男子トップバッターはケンらライト文芸部組だ。めらぎ達にゴミのように扱われているが……ドMの集まりである変態達には逆効果となっている。


「ぉぅふふ……我々からはこちらですぞ……」

「──っ! これって……【ナパキャット】ちゃんの……」

「どぅふふ……流石ですなアシュナ殿……そう、ナパキャットちゃんが通う高校の制服でござるよ」


 ケン達が用意してくれたのは18禁PCゲームでありながら泣きゲーとして伝説となり、アニメ化映画化までされた【NAGULAya(ナグラや)!】に登場する外国人ヒロインのナパキャットちゃんの制服そのものだ。数多くのオタク達を魅了し、『ナグラやは人生』など名言をのちに産み出すに至る……まさにアダルトゲームの頂点となった作品だ。以前、うちに集まってみんなで観て号泣し、ナパキャットちゃん推しであることを語ったためプレゼントしてくれたのだろう。


「可愛いですけど………なんか際どい制服なんですけど……めらぎさん、あれはいいんですか?」

「いいのですわ、【ナグラや】は単純にいかがわしいゲームと評価するにはあまりにも惜しい作品であり、褐色ヒロインという正に未踏の地に踏みいった意欲作でありながらもそれを神作へと昇華させるというストーリーの秀逸さが」

「めらぎさん!? どうしちゃったんですか!?」


 オタク化しためらぎをよそに、感謝して受け取る。

 あとでめらぎに着てもらってナパキャットちゃんプレイしようとほくそ笑んでいると……それを見越していたかのようにケン達が告げた。


「特注ですからな、アシュナ殿用に採寸した故にアシュナ殿しか着れないと思うござるよ……と、いうわけで着てみてくだされ」

「私が着るの!?」


 驚いてはみたが、女性となった今──可愛いコスプレをしてみたいという感情が密かに産まれつつあったので……人生初の女装(?)コスプレしてみることにした。


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-----


「に……似合う……かな?」

「「「「──っ!!!!!」」」」


 着替え終わり、恥ずかし気に教室へ戻ると……室内の刻が止まる、皆がこちらを見て固まったからだ。

 すると着替えに付き合ってもらっためらぎが隣で呟いた。


「……時は動き出す」

「「「かっ……可愛いーっ!!!!」」」


 瞬間──同時に歓声が響いた。

 女子達は『写真撮っていい!?』としきりに聞いてきたり、男子達はケン達に『グッジョブ!』と褒め称えていたりしている。


「だから言ったではありませんの、アシュナに着こなせないコスプレなど存在しませんわ」

「あ……ありがと……」

「~~~っ!! その恥じらい……今すぐお持ち帰りして抱きし愛でたいですわっ!!」


 各々が盛り上がったままに……次はテンマのプレゼント時間になった。なんと跳ね馬エンブレムの高級車をプレゼントしてくれたのだが……どうやら皆はアシュナのコスプレが衝撃的すぎたのか、教室は微妙な反応だった。当人の俺もまだ運転できないのでとりあえずお礼だけ言った。

 初めて陰キャのケン達がイケメン御曹司に勝利した瞬間だった。



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