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1. プロローグ

「明日,私はこの世界を終わらせる。最後に,タダアキが心の底から会いたいって思う人をひとり選んで,真っ先に思い浮かんだ人を教えて。過去,現在,未来は問わないわ」


ユアは最後に僕にそう告げた。


―――――そうか。やっとこの汚れきった世界も終わりを迎えるのだな。


僕は心のどこかで安堵した。

同時に,ユアと過ごす時間がもうわずかしか残されていないという事実が現実となって僕に降りかかってきた。


「―――17歳の君に会いたい」


少し間を置いて、僕は答えた。


「へえ,何するの」


「こいつを17の君に渡したかった」


そういうと僕はポケットから白いUSBメモリを取り出した。


「ここには僕とユアの“希望”を詰めてある。

僕にしか開けないアルゴリズムで暗号化されている。

趣味で作っただけなんだけどね。

これを過去の君に渡して,未来を託せたらなって思った」


「え,おもしろそうじゃん」


ユアはにっこり微笑むと,僕をぎゅっと抱き寄せ耳元で囁いた。


「いってらっしゃい。大好きだよ,たっちゃん」


背中で指を鳴らす音がした。


「お,おい,ばか!何考えてんだ!

その力は世界を終わらせるための力じゃ――――」


言い終わる前に、僕の意識は遠のいていった。


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