表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/42

第19話・舂米皇女の説得

「私は隠居し出家しようと思う」

 山背皇子が舂米皇女にそう告げたのは、厩戸皇子が崩御してちょうど二十年めの二月のことだった。

「もう天皇になることはないし、残りの人生は仏の教えを学び、父母の菩提を弔って生きたいと思う」

「何を言い出すのです。天皇にならずとも、政や人々のためになることはできまする。貴方は人望がおありです。貴方が何かしようとすれば皆、力になりましょう。この国がおかしな方向へ行こうとしているのを止められる力があるのは貴方だけなのですよ。それに、まだ息子たちがいます。先の田村皇子の時のように何があるかわかりませんでしょう。将来のためにも、常に上宮家が政の近くにいることを見せつけておかねばなりませぬ」

 息もつかずに捲し立てる舂米皇女に、山背皇子は唖然とした。

「……そなたは、実に強い」

 舂米皇女の説得に、山背皇子は仕方なく出家を思いとどまった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ