図書館デート。
セバスに連れられ馬車で王宮まで出向き、来客用の部屋に泊まっているアルルさまをお迎え。そのまま王立図書館まで出向いた。
まあセバスは保護者然としているのは当たり前として、あたし付きの側仕えとしてクロム。アルルさまにはコンダーのお役人さんが一人同行した。
最初の頃は一人歩くたびに大勢のお付きの人がついてまわってたけど最近は身軽に歩き回るようになったアルルさま。
護衛らしい護衛もつけないであちらこちら行かれるのはどうかとも思うけどそれはまあこちらの国を信用してくださってるんだなって感じるかな。
セバスの事だからあたし達の周囲にはちゃんと何人もの専属護衛が隠れてついてきてるはず。
それがわかるからこうして役人さんの振りをした護衛さんを一人だけ連れているのかも。
お付きの人は図書館のロビーで待機。クロムも大人しく待っててもらう。
ゲートを潜って中に入るのはセバスとあたしとアルルさまだけ。
まあ中は安全安心だし。逆に不特定多数を登録しちゃったら意味がないのでしょうがない。
そんなあたし達をゲートの向こうで出迎えてくれたのは猫型司書ロボット? 二本足で歩く猫の大きなぬいぐるみみたいな二人。
フロスティとタビィだった。
「ご機嫌よう姫さま。本日はどのジャンルをご用意しましょうか?」
「ご機嫌よう姫さま。本日は美味しいアップルティーをご用意しておりますよ」
あたしの目の前にとととと近づいてきた二人からそう声をかけられて。
「あら、フロスティとタビィ。今日はコンダーのアルル王太子さまがご一緒なのよ。ちゃんとご挨拶してくださいな」
そう諭す。さすがにね?
「はう。初めましてアルル王太子さま。本日は何をご希望でしょうか?」
「ああ、初めましてアルル王太子さま。本日は何を飲まれますか?」
「ああ、よろしくねフロスティとタビィ? 今日は魔王討伐戦争の歴史について知りたいな。あと、飲み物はアリシアと一緒で良いよ」
そう二人の頭を交互に撫でるアルルさま。
フロスティもタビィもアルル殿下の腰くらいまでしかない。あたしも殿下の胸まで無いからそんなに気にした事がなかったけどこの子達って大人の人には少し小さく見える?
そんなことを考えながら二人に案内されるまま奥の閲覧室に入るあたし達。
大きなテーブルの奥に二人並んで腰掛けると、フロスティ、
「では、魔王討伐戦争の歴史について、見繕ってきますので暫くお待ち下さい」
と言って部屋から出て行った。
フロスティが部屋から出るのとほぼ同時に配膳用のワゴンを押して入室するタビィ。
さっきこの部屋に着くまで一緒にいたはずなのにもうお茶の準備が出来てるって事に、アルルさまが少し驚いていた感じ?
まあこの子とロビーで会話してる間に裏方の子達が用意してるのを知ってるあたしは、ちょっと得意げに、
「まあタビィありがとう。いつもお仕事が早いのね」
と大きめの声で褒める。
ふにゃんと破顔し微笑むタビィ。
「ありがとうございます姫さま。さあ温かいうちにどうぞ」
と、テーブルの上にお茶のセットとお菓子を並べる。
お菓子はクルミの入ったシフォンケーキ。
ふふ。
ここのお菓子はほんと美味しいんだから。
そうなんとなく自慢げに微笑みアルル殿下を見るあたし。
なんだかこういうのも楽しいな。




