プロポーズ。
はう、まさか!
「ごきげんようアルル殿下。まさかこちらで殿下にお会い出来るとは思ってもいませんでしたわ」
あたしは立ち上がり殿下の方に向き直ると、スカートの裾を軽くつまみ会釈した。
ニコニコと微笑むその姿が眩しい。ほんとこの人美形かも。そんな腐な感情が出そうになるのを堪えてなるべく上品に上品にー。って心がけて応対するあたし。
「私は薔薇が好きなのです。それでここを教えて貰い伺ってみたのですが。ああ、来てよかった。今日の貴女は真紅の薔薇のように咲き誇っていますね。此処でお会いできたのは神の思し召しでしょうか」
はうあう。ちょっと。
「佇まいが薔薇の花びらのようだ。貴女のその芳しい香りを浴びてみたいものです」
もしかしてこれって……。
「お上手ですわね。殿下には碧い薔薇が似合いそう」
「碧い薔薇とは……。手が届かない薔薇という意味でしょうか? 私はこんなにも貴女を想っておりますのに」
ちょっとほんと待って。っていうかこれってほんともしかしてわざとセッティングされた?
「わたくしなど、殿下には相応しくありませんわ。ご存知なのでしょう?」
ならもういいや。ちょっとこういうのは嫌。
「貴女の血の事でしょうか? お母様は平民の出だとは伺っておりますが……。私の国では割とよくある話なのですよ? 現に私の叔父は平民女性を妻に迎えておりますし」
え? そうなの?
「そもそもお母様のローゼマリー様は平民とは思えない魔力量を誇ってらっしゃったと伺っておりますが、それはきっとご先祖に貴族の血が流れていた証なのでは無いですか? であれば貴女がそう気に病むことでもありませんよ」
「ああ、でも……」
「ふふ。幼い貴女にこんな話、まだ早かったですかね? 私も周囲から急かされすぎて麻痺してましたが」
あう。
さっとあたしの手をとってベンチに腰掛けるアルル殿下。自然にあたしも横に座らされた。っていうかスマートすぎる!
「対魔族との戦争では我が国は大国に追随するしかありませんし、そのためにも貴女の国との繋がりが、後ろ盾が欲しかったのは事実です。今回の外遊では重臣からそう急かされてきましたし」
「だったらお姉様の方が良いのでは? あたしみたいな子供ではなくて……」
「ああ。興味深いですね。やはり貴女は。まるで中身は大人の女性であるかのような言い様だ。私には相手の魔力紋が視えるのですが、貴女のそれは突出していました。おそらくこの国一の潜在魔力量を誇るのではないでしょうか。そんな貴女を他の人間に取られたく無い、そんな思いで焦ったのですかね。私としたことが」
はう!?
「どうでしょう? 改めて、この私、アルル・コンドを貴女の伴侶の候補としてみてはもらえないでしょうか? 精一杯貴女を幸せにできるよう努力しますよ」
ブクマ、評価、ほんとありがとうございます。
励みになってます。
おはなしはここから動いていきます。
もうちょっとお付き合いくださいますと嬉しいです。
楽しんでもらえるよう頑張りますね。




