姫との生活が始まる
魔王城に戻ってきた俺は姫を玉座に迎え入れた。
「どこよここ。しかも臭いんだけど」
魔王城についてからもこの毅然とした態度に俺はむしろ敬意を表する。
「人間風情が無事にこの玉座に踏み入ることができるのを幸運に思えよ。サターン様のご厚意に感謝しろ」
イブリースが言った。幹部たちはいつもに増して威圧的になっており緊張感が走る。いくら俺が連れてきたっていっても玉座に人間が踏み入るのはあまりよく思っていないかもしれないと俺は思った。
「これから貴様をどうするか決める。サターン様いかがいたしましょう」
マーラが仕切ってくれるのでありがたい。俺ではなかなか切り出せないからなと思う。
「そうだな、貴様は人質だ」
「うるさい。きもいんだよこのロリコン。さっさと開放しろ」
(確かに幼女のアニメキャラ好きだが・・・ってちがう!早くどうするか決めないとな)
「貴様の部屋は俺の隣だ。カギはかけるがな」
「マジ嫌なんですけど。寝込みとか襲われそうだし」
「童貞の俺にそんなことできねーよ」
(やばい、思ったこと言っちゃったぁぁぁ。威厳台無しだ)
「魔王のくせに童貞とか・・・クスッ」
「殺すぞアマ!サターン様にふさわしい相手がいないだけだ」
ラーヴィナが武器を抜いて叫んだ。
「やめろ」
俺はすぐさま止めに入った。
「つべこべ言わず俺に従え」
「チッ」
姫は舌打ちをしてしぶしぶ納得した。俺は部屋へと案内した。
「ここが部屋だ」
「汚いわね」
「贅沢言うな。さっきも言ったとおりカギはかける。明日また来る」
俺はそう言い残して部屋のドアを閉じた。問題は山積みのまま今日を終えた。