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魔王の目標

部屋についた。まがまがしく大きい扉を開けると大きいなベッドと玉座のような大きな椅子がが置いてあった。


「それでは魔王様ごゆっくりお過ごしくださいませ」


そう言い残してガーゴイルたちは去っていった。俺はひとまず冷静になるよう深呼吸をした。そして状況を整理した。


「俺はトラックに轢かれて死んだ。だが魔王とやらになっている」


意味が分からないと思った。気が付くと頭に角が生えてペイントがされてある恐ろしい顔になっており、魔人のような手と体、そして大きなマントを付けている。しかし、ゲームやアニメ好きの俺からすると少しかっこいいと思った。中二病オタクだなと改めて感じた。


それはいいとしてこの状況から導き出される答えは一つしかない。


「これって異世界転生じゃねぇかぁぁぁあああ」


大声で叫んだ。


「どうせ異世界転生するんだったら勇者とか冒険者とかでかわいいヒロインと旅をするような物語にしろよ。なんで俺はあんなおっかない連中と生活しないといけないんだ。世の中不公平だ」


激しく気が動転してしまった。神に怒りさえ覚えた。


「人間界を滅ぼすとか言っていたな。そんなことおれにはできねえよ。だって元人間だし、ひきこもりだし、中二病オタクだし」


怒りがますます込み上げてきた。


「てか、それ以前に魔物とか魔獣こえぇよどうすりゃいいんだよ俺は」


頭が混乱して理性が効かなくなってきた。このままだと先に進まない、嘆いても何も解決しない。そう思い俺は慌てて深呼吸をし、気持ちを落ち着かせた。


「今の俺の望みはなんだ?」


俺は考えた。すると本能的に一つの答えが出た。


「人間に戻りたい」


自分でもその答えが出てきたのは驚いた。ひきこもってばかりで特にいい思い出もなかった人間生活だったが実は幸せだったのかもしれない。


「こんなところで俺はやっていけない。俺は再び人間に戻るぞ。そして何不自由なく暮らすぞ」


俺の決意は固まった。


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