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三 そしていきなりナーロッパ

「はい。という事で早速任務です。どんどんパフパフ」


 突然、目の前の景色が歪んだと思うと、次の瞬間、一郎とミーケは、青空がこれでもかと広がっている草原のど真ん中にいた。


「ちょ、ミーケ。これどういう事だよ?」


 一郎は言いながら、ミーケの声がする方に顔を向ける。


「お、おま、おま、おま」


 一郎はミーケの姿を見て言葉を失う。


「ああ。これ? ここはもうゲームの中の世界だから。その世界観にあった姿に変えたんだ。なんていうの? 良くあるMMОRPG? 剣と魔法と魔物の世界って奴?」


 一郎はミーケの姿を見つめ、ごくりと喉を鳴らして唾を飲む。


「どうした? 一郎。止まってるぞ?」

 

 ミーケが小首を傾げる。


「お前、雌だったのか?」

 

 一郎の目の前にいるミーケの姿は、ケモミミ娘であり、そのスタイルはボンキュッボン。服装も例のあれで、これから戦闘もあるはずなのに妙に体を覆う部分が少なく、無駄にセクシー。


「あ、ああ、うん」

 

 ミーケが言って、恥ずかしそうに顔を俯ける。


「なんで恥ずかしがるんだよ。俺も恥ずかしくなるだろ」

 

 一郎は顔を横に向け、ミーケの姿を視界から外す。


「ミーケの事はいいよ。そんな事よりお前も、姿変わってるぞ。気付いてるか?」


「俺も? まさか、俺も女の子なのか?」


「お前馬鹿だろ。お前は騎士だよ。全身鎧に覆われてて中身は誰にも分からない。お前はこれからチーターと戦うからな。念の為に素性を隠せる格好になってる」


 ミーケの言葉を聞きながら、一郎は自分の体に目を向ける。


「おおってぇ。お前、これ、この鎧の色、ケミカルウォッシュじゃねえか。オタク舐めてんのかコラ!!」


「えー? ミーケわぁ。猫だからぁ。よく分かーんなーい」


「これ絶対わざとだろ。ぶっ殺す」


逃げるミーケを追いかける一郎。だが、鎧なんて一度も着用した事のない一郎はすぐに草に足を取られて転倒した。


「おわっ。いってぇ。なんか、頭に当たったぞ」


「ああ。それ。背中にしょってる武器だよ。一郎の装備。大猛槍(だいもうそう)ジャベリンっていう巨大槍。このゲームの中だと(アンリミテッド)(ウルトラ)(スーパー)(スペシャル)(レア)っていうランクなんだぞ。一郎以外は誰も持ってないんだ。喜べ」


「全然嬉しくない」

 

 一郎は言って、その場に座る。


「そろそろ、今、暴れてるっていうチーターの所に行くけど、準備はいいか?」


「いいはずないだろ。どうやって戦うのかも、その他諸々も何も分からないんだぞ」

 

「おー。それもそうか。じゃあ、そうだな。一郎。お前の名前は今からジャベリンだ。これも念の為な。素性隠しだ」


「それ戦闘とかと全然関係ないから」


「じゃあ行くぞ」

 

 ミーケが言うと再び目の前の景色が歪む。


「おい。俺は行かないからな」


 一郎はその場に寝転がると、その場から絶対にに動かないとばかりに、草を両手で思い切り掴む。


「なんだよ。子供じゃないんだから。駄々をこねるな」


「嫌だ。行かないったら行かない。大体俺はエロゲー以外ほとんどやった事ないんだ。こんなゲームの世界に連れて来られても何もできない」


「そんな抵抗しても無駄。強制的に連行する」


「おー。おー。やってみろ。俺はこの格好のまま動かないからな。もう絶対このままだ」

 

 はふぅーとミーケが溜息を吐く。


「なんだよそれ。でも、まあ、それはなかなかいい抵抗方法かも知れない。分かった。どうすればいい? 何を話す?」


「話なんていらない。俺は不安で怖くて死にそうなんだ。そんな俺の為に何かしてくれ」


「不安で怖くて死にそうって。もう死んでるじゃん」


「あーそうですか。そういう事言うんだ。分かりました。もう絶対にこのままでいてやる」


「はいはい。分かった。分かった。いいよ。なんでもしてやる。なんでもいいから言ってみ」

 

 ミーケの言葉を聞いた一郎は、これは、図らずも、イッツアエロエロタイム! 到来じゃないか 。と思い、兜の中で目をきらりと輝かせた。

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