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十三 ギルドへ?

「旦那様そこに座るのです」


「ジャベリン。そこに四つん這いになれ」


 一郎はガオガブとミーケに蔑むような視線を向けられながら、お銀の尻から離れると、正座をする。


「いや、あれだよ。これはちゃんとした尋問の為の行動だよ?」


 一郎は超が付くほどに真面目な表情を作って言う。


「わっちはたくさんお尻を撫でられたのだ。もうとっても困ったのだ」


 お銀が誰も聞いていないのにそんな事を言う。一郎は咄嗟にお銀を睨み、こら。お前、嘘は良くないぞ、嘘は。と大きな声を上げる。


「旦那様。ガオガブはショックなのです。ガオガブという者がありながら、どうしてなのです?」


 ガオガブが一郎のそばに来て、一郎の顔をじっと見つめる。


「だから、ガオガブちゃんこれは誤解なんだ。このスク水を人に見せて付け喜んでいる変態少女が、このスク水は鎖帷子だとか言い出して。それで、俺は鎖帷子なら触ってみたいと思ってしまって。それで、触ろうとしたところにガオガブちゃん達がちょうど帰って来たから」


 一郎はすがるような目をガオガブに向け、必死に弁解する。


「鎖帷子? ジャベリン。お前馬鹿だろ? こんなのどこからどう見ても水着だ。嘘を吐くならもうちょっと捻れよな」


 ミーケが言い、一郎のそばに来ると、一郎の顔を足で踏む。


「ぶひー!! ミーケ様。御褒美をありがとうございます」


 女の子に顔を踏まれるという、滅多にないシチュエーションに一郎のエロ心が反応してしまい、一郎の瞳はハートマークになる。


「ジャベリン。エロゲージ」


 ミーケが言った途端に、一郎の頭が爆発した。


「なんなのだ? 大丈夫なのか? なのだ」


 お銀が皆の顔を見回す。誰も一郎の事を顧みず、会話が進む。


「お銀さん。それは本当に鎖帷子なのです?」


「そうなのだ。でも、なんか、ただの水着っぽいのだ。それでちょっと困っているのだ」


 お銀の言葉を聞いたガオガブがお銀のそばに行き、お銀のお腹の辺りを撫でる。


「え? ちょ? く、くすぐったいってば、なのだ」


 お銀がくねくねと体を動かして、ガオガブの手から逃れようとする。


「これはどう考えてもただの水着なのです」


 ガオガブがお銀の体から手を放す。


「うーん。なんだかどんどん自身がなくなって来たのだ。でも、もう一度なのだ。ちょっと触ってみて欲しいのだ」


 お銀が言って、ぷりっとお尻をガオガブに向かって差し出す。


「ミーケも触ってやる」


 ミーケがささっとお銀のそばに行って水着に向かって手を伸ばし、こすこすさわさわと触る。


「うん。これはただの水着だ」


 ミーケが自分の掌を見つめる。


「これは鎖帷子ではないのだ?」


 お銀が泣きそうな顔になる。


「だから、俺は触ろうとしてたんだ。な? 俺は悪くないだろ?」


 一郎はここぞとばかりにミーケ達の会話に割り込んだ。


「ジャベリンは、もう有罪決定だから。何を言っても無駄だから」


 ミーケがまた蔑むような目を一郎に向ける。


「これが、水着だったら、お銀はギルドマスターに騙されたという事なのだ」


 お銀が顔を俯け、その場にしゃがみ込む。


「そいつんとこ行って聞いてみようぜ」

 

 ミーケが言って嬉しそうな顔をする。


「ミーケ。そんな事してなんか意味あんのかよ?」


 一郎は口をとがらせて言う。


「ボットがどうとかチーターがどうとかこいつが言ってたからさ。何が目的なのか探りに行きたんだよね。こいつに案内させれば探すの楽そうじゃん」


「そういうのはしばらくやらなくて良くないか? 俺達結構頑張って来たしさ。一ヶ月くらい休もう」


「よし。早速出掛けよう」

  

 ミーケがあからさまに一郎の言葉を無視する。


「ガオガブも行くのです。なんか楽しそうなのです」


 ガオガブが、ものすごくやる気を出す。


「いつでも案内するのだ。ついて来るのだ」


 お銀が部屋の出入り口に向かって歩き出した。


「ちょっと待った。これ罠だろ。絶対に罠だ。だってさっき、お銀が言ったじゃないか。拷問をされても絶対にしゃべらないって。どう考えてもおかしいだろこれ」


「ああ。それはくノ一のお約束なのだ。とりあえずそうやって言っておけばいいと、ギルドマスターが教えてくれたのだ。ギルドマスターはチーター狩りをやっているボットを見付けたら、連れて来いと言っていたのだ」


 お銀が部屋の出入り口のドアを開ける。


「連れて来いとは偉そうだな」


 ミーケがお銀を睨む。


「ギルドは今、チーターと何かしらの関係がありそうな魔王と戦っているのだ。それで、来て欲しいのだ」


「絶対に怪しい。罠だ罠。そもそもだ。そのスク水からして罠だったんだ。俺は見事にはめられた。きっとあれだ。俺達三人に仲間割れをさせる作戦だ。このままの今の俺達が行ったら、皆がばらばらだから、大変な事になる」


「ジャベリンもういいよ。ジャベリンが変態なのは良く分かってる」


「旦那様。ガオガブは何があっても旦那様の味方なのです。けれど浮気のけじめはつけないと駄目だと思うのです」


 ガオガブの口の中に赤色の光が生まれる。一郎は、ミーケの背後に移動し、そこに隠れる。ミーケがしゅっと動き、一郎の背後に回り込む。一郎はくるりと身をひるがえすと、ミーケの背後に回る。ミーケと一郎はくるくると背後を取り合う。


「なんか二人してずるいのです」


 じゃーという音とともに、赤色の怪光線が発射され、ミーケの頭がアフロになった。一郎の身はケミカルウォッシュに守られている為になんともない。


「ミーケ。今度は光線を受けても大丈夫じゃないか」


「ん? 駄目だにゃー。ダメージはないけど猫になってしまうにゃー」


 ミーケの体がみるみるうちに小さくなり、頭の部分の毛がアフロになっている三毛猫の姿になる。


「アフロの猫て」


「かわいいのです」


「すごいのだ。撫で撫でしたいのだ」

 

 皆が一斉にミーケをがん見する。


「おい。お前ら。なんか怖いんだけどにゃー」


 ミーケが言った。


「いや。ミーケ。その頭は反則だ。頼む触らせてくれ」


「すごくかわいいのです」


「猫ちゃん。おいでーなのだ」


「ミーケは罪深い猫。さすがだぜにゃー」


 ミーケが呟きその場にお座りをする。三人は思う存分ミーケをもふもふし、ミーケのアフロを堪能した。


「満足なのだ。では行くのだ」


「だから罠だってばヤバいって」


 一郎はあくまでも行く事に反対する。


「おい。そんな事言ってばっかりいないでちょっとはやる気を出すにゃー」

 

 ミーケがぴょんっと飛ぶと一郎の胸に飛び込む。


「はあー。このもふもふ。心が洗われる。ミーケ様。どこへなりともお供しますー」


「旦那様? なんか、ガオガブは悔しいのです」


 ガオガブが身をよじる。


「では行くのだ。ついて来るのだー」


 お銀がはりきって歩き出した。


 ゲーム前ロビー内にある、各ゲーム世界へと繋がっているゲートがある所へ行き、いくつかあるゲートの中からファンタジー世界に繋がっているゲートを選ぶとその前へと進む。


「ああ。俺はあっちに行きたい」


 一郎は足を止めると、エロゲー世界はこちらという、ピンク色の派手派手ないかにもという看板が出ているゲートを見つめる。


「こら。早く行くにゃー」


 一郎の腕の中にいるミーケが言う。


「ミーケ。今回はそのままなのか?」


 一郎はミーケをもふる。


「怪光線の影響でまだ変身できないにゃーよ」


 ミーケがアフロになっている頭を一郎の胸にこすこすする。


「アフロ猫ってかわいいなあ」


 一郎はまたミーケをもふってしまう。


「ふひひ。こっちの方がジャベリンにかわいがってもらえるからずっとこのままでもいいかもにゃー」


「うん? ミーケ? 今何か言った?」


 一郎はミーケを持ち上げると、ミーケのお腹に顔を押し付けて匂いを嗅ぎながら言う。


「あふう。ジャベリン。もう。そんな事したら、ミーケ、昂っちゃうにゃー」


「ちょっと。二人して駄目なのです。ミーケさんはガオガブが持つのです」


 ガオガブが二人のそばに来ると、ミーケに向かって手を伸ばす。


「シャアアアアアア」


 ミーケが威嚇しつつ猫パンチを放つ。


「こら。ミーケ。危ないから、めっ」


 一郎は優しくミーケを叱る。


「うんにゃー。じゃあ、ジャベリン。もっとミーケをもふもふするにゃー」


 ミーケが一郎の手をそっと握って来る。


「うおおおおお。ミーケ。かわいいぞミーケ」


 一郎はまたもふもふした。


「お銀もー。お銀ももふもふしたいのだー」


 お銀がそばに来る。


「ちょっとお銀。いつまで遊んでるのよ。こっちはずっと待ってるのよ」


 聞いた事のない声が、ゲートの方から聞こえて来た。


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