となりの部屋の吸血鬼ちゃん
となりの部屋に吸血鬼ちゃんが住んでいる。
毎晩、毎晩、グールが徘徊しているらしく、呻き声が鳴り響いていた。
その騒音に耐えかねてきた僕は、隣の部屋に向かってニンニクを投げ入れた。
投げ入れると吸血鬼ちゃんの悲鳴が聞こえた。
味をしめた僕は、ニンニクを通販で購入する事にした。
次の日、インターホンが鳴ると僕は急いで玄関に向かった。
玄関の扉を開けると、大きいダンボールを持った配達員がゆっくりと顔を上げ、僕の顔をみた。
僕は、思わず声を出してしまった。
「吸血鬼ちゃん?」
すると、吸血鬼ちゃんが僕の首元をガブリと噛み付いた。
突然の出来事に腹が立った僕は、携帯電話で本社にクレームを入れた。
クレームを入れてる最中でも、噛み付いてくる吸血鬼ちゃん。
クレームを必死に伝えること数時間、僕の首元の違和感がなくなった。
疑問に思った僕は、吸血鬼ちゃんに声をかけようとした。
しかし、そこにあったのは、灰が床いっぱいに積もっていただけだった。
それをみた僕は、昨日のことを思い出すと優しく声をかけた。
「昨日のラーメン、ニンニクマシマシだったわ!」