ー裏ー
うわぁぁぁぁぁぁ 死ね死ね死ね!
彼は、出刃包丁を振り回している。
「死ね 死ね 死ね 死ね 死ね!」
生徒たちが倒れていく、泣きだすもの、逃げ惑うもの、もう動かなくなってしまったもの、様々いた。「俺の前から子供は消えろ。子供はいらねえーんだよ!」そう叫び、包丁を振り回している 彼の子供がいるのに、
「抹茶アイスって美味しいよね。」
彼女はそう言った。
「抹茶はアイスは美味しくないよ。」
彼はそう言った。
「そんなことないもん。一番美味しい!」
私はその光景を見守っていた。
私はアスタロト。悪魔だ。悪魔と言われても何もわからないだろう。悪魔は人間に悪いことをするというが、こいつがこんなおかしな奴になったのは、俺のせいではない。
こいつはそもそも頭がおかしいのさ。
真実ってなに?
私は今こいつに取り憑いている。こいつは面白い奴だからな。マジウケるわ。って現代では言うんだったかな。悪魔といっても、やることは、お互いにメリットデメリットがある関係だ。
俺という存在は誰かに取り憑くことによって生きることができる。取り憑いたそいつの魂を少しずつ吸収することが俺のエネルギー源だ。その分そいつに特殊能力与える。
まさに御恩と奉公やな。 これであってるんだっけ。日本語はまだ勉強中でござる。
なんかおかしいが、大目に見てくれ。
こいつについてきて面白いことしかない。
本当にな。
こいつは村瀬秀一というやつを調査するらしい。というか調査する意味ないだろ。
だってこいつの父親は、村瀬秀一だ。
しかも今の状態では、こいつは俺のことを知らない。理解していない。そんな状態だ。
こいつは、、、と、そろそろ抹茶アイスを食べ終えたらしい。
そして木野山に向かうようだ。その前に毎度毎度の恒例だ。抹茶アイスの店のトイレに入るんだよな。
もちろん女子トイレな。な。
そこで吐くんだよな。こいつ、なんで抹茶アイス食うんだろうな。バカじゃね?
そして木野山に向かいはじめた。歩きづらそうだよな。内股で歩かなきゃ良いのに。
住宅街に入って様々な家のインターホンを押しまくり始めた。藍崎中学校の生徒が多いようだがな。とある家だけ入れてくれたようだ。ふっふははははははははは、皮肉だな。
こいつのこと分からないなんてな。
ここの家には、とある家族写真が飾ってあるようだが、こいつは、気づいているんかね。
気づいているようだ。こいつナイフ持ってるし、単なる演技かよ。騙されたぜ。こいつは
お母さんぐらいの歳の女という奴を刺した。一回じゃないぞ。メッタメタにな。爽快だよ。本当に滑稽だ。面白い。面白い!面白い!!こいつ自分の母親を殺してさ!「やっぱり面白いよ! お前!」「そうだろ。」そしてこいつは振り向いた。「やっぱりお前気づいてたのかよ。びっくりするな。、、村瀬勇太でござるか?」
「その名前はやめろ。俺は、私は、武田宇都美なんだから。」
村瀬勇太というか武田宇都美は、自分の家のイスに座った。
メッタメッタにされた母親を放置してな。
そして俺との会話になった。「お前と出会ったのいつだったけな。」「そんなこと覚えてるだろ。お前が一番。」「死ねよ、お前。」
「なんでだよ。 お前。お前が、死にたいって思った時に救ってもらったやつがいたよな。
懐かしいな〜 ハハハハハは」
こいつは立ち上がって、俺にナイフを突き刺そうとした。まあ 刺さらないがな。
「黙れ、マジで黙れ。」「ふふふ、懐かしもうぜ。昔を、、」
藍崎高校2年3組 村瀬勇太の物語
俺はクラスの中で陰キャだ。何も取り柄がない。頭も悪く、運動神経も悪い、性格も悪い
ブサイク。そんな男のようだ。父親にも言われた。クラスの奴らにも言われた。俺はなんのために生きてるのだろうか。どんな奴にも認められない。そんな俺がなぜ生きてるのだろうか。幸い、俺はいじめられていない。いじめられてるのは尾鏡晋太郎だ。こいつは太ってて、勉強もできない、運動神経も悪い、性格も悪い、ブサイク、だからいじめられてる。そんな日常でよかった。良かったのに。
朝、教室に入ると、自分のイスに画鋲が、接着剤で貼り付けられていた。「マジかよ」
「うぜーんだよ」「死ねよ。」「お前まじで消えろ」教科書を捨てられた。机にはマジックで、死ね 消えろ ゴミカスと書かれた。
制服だって切り刻まれた。自転車のタイヤもパンクさせられて、俺のカバンの中には、他の奴が盗んだ、商品がぶち込まれてて、そのカバンを、持ってると密告された。「俺はやってない!」と叫んだが、誰も俺を助けてくれなかった。そして冤罪で、警察に捕まった。母親は、そんな俺の迎えに来てくれた。優しい声で、「何も悪くないのよ。」と言ってくれた。しかし、万引きをしていないという俺の言葉は、聞き入れてくれなかった。
そして、不登校になった。一時期は、、、な。
家にいると父親がいた。今の父親は優しい父親じゃなかった。あんなに、優しくて、強い。小さい工務店の社長の父親だった。なのに、従業員に、騙されて金を盗まれた。金だけではなかった。新しい取引先に、契約するための、契約金1000万円と言われて騙されたのだ。
1000万円なんて大きい金額だが、ガソリンスタンドの大手の君野石油の建設物を建設できるのは、大きい利益になるはずだった。しかし、君野石油と関係があるという植野誠に騙されてしまったのだった。
そして、工務店はそれを機に、赤字経営になり、倒産した。母親は、父親の代わりに、元々働いていた、保育所の仕事に就き直した。そしてなんとか、一軒家という財産を持ちながらも、なんとか生活することが出来た。しかし、父親は、酒を飲みまくってタバコを吸ってギャンブルをして、そんな生活をしていた。そして、DVをするようになった。
母親にも俺にも、父親は、不登校になった俺に暴力を振るようになった。痛くて痛くて、どうしようもなかった。こんな酒臭い親父に殴られるのも、嫌だったから、1ヶ月、家に閉じこもっていたが、それ以上は、家に閉じこもることもできなかった。そして学校に戻っても、いじめられた。俺はなんのために生きてるのだろうか。もう生きている意味なんて本当にない。もう俺は死ぬしかないんだろうな。
俺は、今、学校の屋上にいる。そして
飛び降りることにした。
「もう終わりだ。これで終わりに、、」
「待って、、、」とある女子に話しかけられた。その女子が、武田宇都美だった。
作者のしらかみです。
拙い文章をまたお読みくださりありがとうございます。読んでくださることが、本当に感謝です。
次でシークレットデイの話は完結になります。
なぜ村瀬勇太は、悪魔に取り憑かれることになったのか。なぜ村瀬勇太が武田宇都美になったのか。全てわかりますのでご期待ください。