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《傷と土産》&《或る午後に》

長くて切ない。短くてほんわか。

《傷と土産》

俺の心臓から


ドクドクと


赤い液体が


流れている。


あいつが死んでから


ずっと。


傷を防ぐ術はない。


約束したから。


「半分やるから半分くれ」


あんたの


お前の


心臓を。


そして


もう一つ


約束した。


「死んだら全部、だ」


あいつは約束を守った。


オレも守った。


オレの心臓は


あんたの元で


ずっと


赤く色づいたいのちを


溢れさせる。


しかし


永遠


ではない。


オレが


あんたに


会いに行くまで。


それまで


持っていてくれよ。




あんたとの


楽しかった


思い出。


ムカついた


出来事。


思わず照れた


言葉。


悲しくなった


行動。


すれ違いと


思いやり。


喧嘩と


仲直りのキス。


二人の


過去の遺物だけは


忘れないように


しっかり


握っておくから。


そして


会ったときの


酒の肴にでも


しよう。


じゃあ


その時まで


よろしく。


(持って行かれたのは愛を知った心。)

《或る午後に》

貴方と


私は


何をすると言うわけでなく


ただ


手をつないで


日だまりに


立っている。


幸せだなあ、と


小さく口にすると


そうだなあ


なんて


のんびりした答えが


かえってきた。


それに


少しだけ


嬉しくなって


そっと


息をする。


この瞬間を


壊さないように。


それから


黙って


きんいろに輝く


ゆったりとした


空間を


かみしめた。




帰り際に


なんとなく


寂しくなって


貴方の手を強く握り


貴方の香りを胸一杯に吸い込んで。


やっぱり


貴方は


おおきいね。


そして


私は


しあわせなんだね。


(或る日突然気付くしあわせ。)


皆さんありがとうございます。

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