表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
理不尽な世界に起こす撃鉄  作者: 黒咲
理不尽な町に起こす革命
1/4

プロローグ

こんにちわ。黒咲と言うものです。こういったモノを書くのは初めてなので、至らぬ点ばかりになると思いますが、自身のやる気の続く限り頑張らせていただきます。もし一人でも、自分の作品を好いてくれる方がいればいいなと、そう思っております。

週一か週二位のスローペースでの更新になるかと思いますが、よろしくお願いします

――この世界は理不尽だ。



なんて言う奴は五万と居るが、理不尽なのは人間の方だ。

真面目な人間が事故や病死するのも世界の理不尽だというが、そんなことは無いだろう。

いちいちそんなことで理不尽だのなんだの喚き散らしていたら、俺たち人間が食事として取っている動物はどうなる?

牛や豚、鳥といった動物。植物にだって意識はあるかもしれない。そういう捕食関係にある動物たちが、人間が生きていくため殺され、調理され、食べられる。

それも世界が理不尽だからだ、とでも言うのか?

違うな。十中八九こう答える。



自然の摂理だ。運命だ。と



自分達のことは棚に上げ、他の生物たちの意見は聞かない。動物が話すわけが無い。そんなことを考えることはない、と。

何も動物たちだけに言えることではない。人と人の間でも起こり得ることだ。

ニュースで取り上げられる殺人事件。被害者は加害者に対し理不尽だ、と思うだろう。だが、加害者は理不尽だなどと思わない。

恨みがあったとしても、ただの快楽殺人だったにしても、金目当ての殺人だったとしても。



そういう運命だったのだ。運が悪かったのだ。と



何もこれは加害者だけに言えることではない。被害者の親族や親しい人等は理不尽だ、なぜ彼が殺されなければならないんだ。と嘆くだろう。

だが、それは小さな輪の中だけだ。

大きな輪で見れば、かわいそうに、運が悪かったわね。これで終わる。

自分が当事者にならなければ、それでいい。

人間って言うのは実に身勝手で、理不尽な生き物だ。





―――世界を理不尽なものにしているのは、人間だ―――





~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~





俺の名前は椎名春樹。運が悪い以外は普通の高校生だ。

どのくらい運が悪いかというと、自販機には二分の一の確率で金を呑まれ、外を歩けば鳥にフンをかけられ、犬のウ〇コを踏み、前日が快晴にも関わらず車に水をかけられ。

挙げれば切がない。自分で言ってて悲しくなってくる。

そんな不幸に好かれている俺でも、今までは命にかかわるような不幸は無かったのだが



現在、銀行強盗に人質として捕らえられている。

おまけに犯人たちの会話から察するに、俺は後で殺されるみたいだ。

今回ばかりは自分の運の無さを本気で呪ってしまいそうだ。

運命を呪うあまり世界の理不尽さについて考えてしまうレベルだ。

たまたま昼過ぎまで寝てしまい学校に行く気がなくなり

たまたま家に食料が無く

たまたま財布に金が無く

たまたま母親が外出中で

たまたま金を下ろしに行った銀行で銀行強盗にあい

たまたま近くに居た俺が人質として捕らえられた。



不幸に不幸が重なり、大きな不幸を生んだというところか。

もし、俺が朝起きていたら

もし、家に食料がおいてあったら

もし、財布に少しでも金を入れていたら

もし、母親が家にいたなら

もし、違う銀行で金を下ろしていたら

もし、銀行強盗から離れた位置にいたら



今更ではあるが、今日の行動の一つでも違っていたら、こんな事態にはならなかったんだ。

世界の理不尽さについて、散々偉そうに語ったが、言わせてほしい。




この世界は、理不尽だ




やがて、車が森の中に入り、森が深くなった所で止まる。

恐らく、ここが俺の墓場になるのだろう。

犯人の一人が俺のそばにやってくる。その右手には、黒い何かが握られていた。



「悪く思わないでくれよ、お前が生きていると、俺たちも捕まっちまう可能性が高くなるんだ。だから、運が悪かったと思って、俺たちのために死んでくれや」



なんと身勝手な奴らだ、なんと理不尽な奴らだ。

こういう奴らがいるから、世界は理不尽なんだ。

男が俺の眉間にピタリとその黒い何かを当て、指を動かす。その動作はいやにゆっくりに見え、これから俺が死に逝くことを嫌でも感じさせられた。

今やっと、世界は理不尽だという気持ちが、わかった。



――もし、生まれ変われるならば




こんな理不尽な世界には生まれたくは無いな




パァン。と渇いた音がすると同時

俺の意識は、闇の中に落ちていった―――

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ