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30歳の異世界秘密基地  作者: 康成
6/10

第5話 キャラバンの残骸

昨日投稿のはずが・・・遅れてすみません

「おっし、充電完了しているな」


時刻 8:00


休日、何時もなら昼まで寝てたりすることもあるが、人間やることがあると、朝早く起きてしまうものだ。


押入れに眠っていた高圧洗浄機を手に持ちつつ、ゲート{転移/異世界門}にて転移する。


青空が広がり、異世界は本日もいい天気、冒険日和だ!


しかし、まずはやることやってからだ。


やることとは、洞窟内の洗浄だ。


洞窟に置いてある入れたあるものを一旦全部出す(といっても折りたたみの机と椅子。ブルーシートぐらいだが)


高圧洗浄機にホースをセットし、ドラム缶に浸す、利用するため昨日の風呂の後、捨てずに取っておいたのだ。


高圧洗浄機というのは、水に圧力をかけて勢いよく吹き付けることでこびりついた汚れを落とす清掃機器で、建物の壁や車なんかの掃除で使われたりする。


しかし、一般家庭で使用するには、威力が強すぎるのと、あと水をすごく使うので調子に乗ると、凄い水道代が来る‼︎


しかも水道代というのは、二ヶ月に一度に請求されるので、ダブルパンチだ‼︎

ヨゴレは気持ちくらい落ちるが、押入れに封印するには、十分な理由になる!


しかし、ここは異世界! 川の水を使えばタダだ!


早速、高圧洗浄機を起動して(バッテリーを積んだ自立式だ)、洞窟内の天井に向け、水を発射!


土やコケを落としていくと、みるみると滑らかな岩肌になっている。


岩肌は、黒光りをしており、黒檀石と言わないまでも、きらめきを放っている。

なかなか豪華な感じになりそうだ。


ものの数分で、ドラム缶の水がなくなってしまったが問題はない。


一方を川に、一方をドラム缶の上に、ゲート{転移/異世界門}を起動させる。


「うおっと!」


ゲート{転移/異世界門}から、川の水が溢れてきて、あわててゲート{転移/異世界門}を閉じる。


ドラム缶あたりが水浸しになってしまったが、そのうち乾くだろう。


高圧洗浄機も軽快に水を噴き続ける。


ここで皆さん、疑問に思っただろう。


洞窟内でドラム缶数本分の水を撒いたら、ビシャビシャになってしまうだろうと。


それにはちゃんと対策してある。


水を吹き付けているあたりにゲート{転移/異世界門}を起動させているのだ!!


もう一方は、川だ! 


多少の水漏れはするが、ダイレクトに落ちるよりは全然いい、土が湿る程度だ。


そうして、何度かドラム缶に水を補給を繰り返し(繰り返す内にだんだんと調整できるようになってきた)


天井に壁にとかなり綺麗になった。


次にクイックルワイパーに雑巾を装備し、乾拭きして水気をとっていく。

雑巾数枚を使いつぶしながらも完了した。


ちょうど土が湿っていて舞い上がらない、床まで仕上げることにした。


軽く雑草を抜いていき、塩を撒く。


ここで一つ塩は別にお清めの意味ではないよ。塩は除草剤代わりにもなるのだ。

新聞を取っている特典で洗剤と塩が大量に余っているので塩を使うことにした。



今度は、その上から砂利を撒いていく。

これは、地面がデコボコしているため、均一にするために敷いている。

(土をならすトンボ的なものなかったし、石を拾っていくもの面倒なため、逆に石を撒いて高さを調整することにしたのだ!我ながらあまたがいい!)


足とクイックルワイパーをトンボ代わりに、慣らしていき均等にしていき、その上にタイルを置く土台、下駄付きの板(板に足をつけたもの)を置いていく。


下駄部分を砂利で固定し、歩いても地面がぶらつかず、板張りのフローリングとしてもはや完成といっても過言ではない。


しかし、料理と一緒だ。一手間の工夫が、より空間を充実させていくのだ!


土台にした板に接着剤をつけ、タイルを張っていく、洞窟にあわせて黒い色を選択して正解だった。


タイルを張り終え、黒光りする部屋が完成した。


入り口がまだビニールシートのカーテンというのが気になるが、洞窟特有の埃ぽっさや土臭さがなくなり、これなら快適に寝れそうである。


時刻は、11:30


実に4時間近くかかった計算である。


「腰いって~」


近くの地面に座り込んで、額に浮かんだ玉のような汗を手の甲で拭い、一息つく。

達成感に満足した心地よい疲労ではあるが、さすがに疲れた。


あとは、ベット等寝具を置いたら、洞窟寝室の完成だ。


しかし、金が・・・・・・。


ここ最近、薪だのドラム缶など、出費しすぎた。


社会人として魔法のカード、クレジットカードを使用しているため、財布にダメージはないが、

来月の請求書を思うと憂鬱だ。


そろそろ節約せねば、そんなことを思いつつ、立ち上がり、道具を手にゲート{転移/異世界門}をくぐり、我が家に転移した。


道具をそこらへんに、一まとめに置き、服を脱ぎ捨てる。


シャワーを浴びたかったのだ。


キュッ、キュッと蛇口を捻れば、暖かいお湯が出てきた。


ドラム缶風呂も風情があっていいが、時間がかかる。

文明の有難さが身に染みて分かる。


シャワーを浴びて着替え、さっぱりしたところで、ビール・・・ではなく、作り置きしてる麦茶を飲む。


それから、朝セットをしておいた炊飯器からご飯を取り出す。


「日本人たるもの、旅のお供は、おにぎりだよな」


買いだめしておいたツナ缶をあけ、米と一緒に握りこむ。

おにぎりを数個つくり、ラップで包んで、弁当箱に詰める。


今度、笹の葉っぱで包んで風来坊スタイルに持ってみようかな。

何事も遊び心が自由だ。


森の先には、何があるのだろう。


期待に胸を膨らませながら、冒険の準備を済ます。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「装備よし。では出発だ」


安全を考慮し、上はキャップ帽をかぶり、長袖、軍手、下はジーンズに、登山靴トレッキングシューズを履いて万全だ。


早速、ゲート{転移/異世界門}にて川へと転移。


今回はこの川を起点に捜索することとした。


理由としては、森の中では報告感覚がなくなり、迷ってしまうかもしれないからだ。


まぁ、ゲート{転移/異世界門}を使って帰れるので遭難する心配はしなくてもいいのだが、同じどころをぐるぐると回ってしまっていては効率が悪い。


それと今回の冒険の目的は、ファンタジー、異世界要素の発見でもある。


人は生活するのには、水が必要であり、必然的に川沿いまたは近辺に生活圏を置くのだ。

わざわざ山頂付近に村を起こして、川まで汲みにいく降りる民族もいることはいるが、世界的に見て概ね近辺だろう。


「上と下、どちらに行こうか・・・」


一瞬滝のほうをみやり、迷うが下流に向かうことにした。

高台に上っていて、全体を俯瞰するのにも惹かれたが、下流の平地部のほうが人がいそうだ。


それに、ゲームではないので効率プレイする必要もない。

気楽に、気長に楽しめばいいのだ。


ごつごつとした石の道である川沿いを歩く。


時には、巨大な岩に阻まれ、洞穴に顔を突っ込み、コウモリの群れが飛び出してきたり、

飛び跳ねている川魚を鷲づかみしようとしたりとすること、1時間ほど経過していた。


持ってきたおにぎりを半分ほど食べたころ、

(我慢しきれず、食べちゃたテヘッペロ!)



ごつごつとした石や岩の地面がだんだんと草木が混じりはじめ、

土になっていく、川幅も徐々に広がっていき、もう少しで違う景色が見え始めると予感したころ、


川が、別の川と合流して、一気に多きくなり(といっても10メートルほどだが)、その横に草原らしきものが見えた。


だが、渡ろうにも当然橋などというものなく、岩が都合よく連なってくれているわけでもない。


川幅は10メートルで飛び越えることもできるわけでもなく、川の水位がどれだけあるかも分からない

(というよりも、モンスターがいるかもしれないし)


しかも濡れたくもないしね。と、普通なら八方塞だが、俺にはゲート{転移/異世界門}がある!


ゲート{転移/異世界門}は、一度でも「視認」出来れば、その場に展開することが出来るのだ!


「さぁ、我に道を切り開け、ゲート{転移/異世界門}よ!!」


勿論こんな文言などは入らないというよりも詠唱する必要もないのだが、それは気分。カッコいいからだ!


ゲート{転移/異世界門}にて、川を超え、草原に降り立つ。


そこは、森がちょうどひらけた場所であり、


地平線が見える、とまでは行かないが、かなりの大草原が広がっており、周りには、山陵が見て取れる。


どうやら、ここは地形的に四方を山に囲まれているようだ。


もしかしたら、山を越えないと村はないかもしれないな、と考えながら草原を見渡すと、


草原が盛り上がり、ちょっとした丘のようになっているところに、なにか白いものが見える!


ついに、この異世界で初の発見である!!


期待に胸を膨らませつつ、小走りで丘を目指して走り出した。



--------------------------------------------------------


「なんだ・・・・・・この光景は・・・」


丘を登ると草原を見渡すことが出来た。


牧草地のように短い草が生い茂り、平坦とはいえず、起伏が見て取れる地形。


そこに、白い布で覆われた荷車が点在して置かれていた。


「この白い荷車、どこかで・・・・・・商隊のキャラバンかぁ!」


よく見れば、アニメやゲームで見る、旅の商人などが使っている荷台つきの馬車だ!


中を除くと・・・藁だろうか、茶色の乾燥した草が積まれていた。

もしかしたら、馬か何かの餌なのか知れない。


他のキャラバンも調べていくが、最初のキャラバン以外は、中には何もなかった。


またキャラバン自体も壊れているものばかりで、横転して車輪が外れているものや、何かにぶつかったかのように真ん中からひしゃげているもの、ひっくりかえっているものもあれば、中には火で炙られたように、地面ごと黒こげのものあった。


「モンスターとかだよな、たぶん・・・」


人間のしわざ、ここではファンタジーのやられ役の定番、山賊ということにしておこう。


だった場合、積荷を奪うなら、運ぶためにキャラバンを使うはずだ。

見せしめに2,3個壊すかもしれないが、燃やしはしないだろう。積荷も燃えちゃうし。


そうすると残るはモンスターだ。


火を吐くモンスター・・・・・・ドラゴンかぁ?!


と想像に想像を重ねてみるが、情報が足りないし、考えてもしょうがない。


というわけで、キャラバンの残骸群を離れ、草原を探索していく、



ある程度歩き回り分かったことは、この草原はどうやら戦場跡?ぽいのだ。


何の動物か分からない骨が散乱していたり、


錆びついたロングソードやシールドが落ちていたり、(勿論、装備したが重くて捨てた)

草木に蝕まれた朽ちたキャラバンもあった。


地面は抉れめくれあがり、日本なら神木と言われそうな大木が引きちぎれたように倒れていたりした。


特に興味を引いたのは、砦と思われる残骸。


ところどころに、柵で囲った後があり、堀の代わりだろう。溝が掘られていたりとして、

半壊した小屋があった。


中は風雨に晒され、朽ちていてめぼしいものは何も残されていたなかった。

人らしき痕跡は見つけられたが、この草原では異世界人との交流とまで行かなかった。


粗方、草原を探索したので一旦休憩としてキャラバンの残骸群まで引き返すこととした。


まぁ、ゲート{転移/異世界門}で一瞬だけど。


時刻は、15:00


昼食というのは、いささか遅いが、夏場で日が高く、見晴らしもいいため。ここで食べることとする。


仮にモンスターが来ても、やばそうならゲート{転移/異世界門}で逃げればいいし。


そんな暢気に構えつつ、キャラバンに積んであった藁に腰掛ける。


硬いということもなく、沈みすぎることもない独特の感触、クッションとしてはなかなかいい。


少し暑いくらいの日差し、草原を拭きぬける優しい風を歩き疲れたからだで受ける。


おにぎりをほおばり、水筒に入れてきた麦茶で流し込む。


うん、実にいい冒険ピクニックだ!


元々、半分ほど食べていたのもあり、おにぎりはすぐに完食し、藁に倒れこんだ。


チクチクと体に藁が刺さるのが煩わしいが、吸い込むと藁の独特な匂いがかすかに感じる。


元々イ草(畳の原料)の匂いは好きなほうなのでかなりいい。


ベットにしてもいいかもしれないな・・・・・・そうだ!洞窟の一部に敷き詰めよう。


漫画やアニメの主人公たちも、納屋の藁ベットで眠る。


そんなシーンがピーンと来た!少し、休憩したら洞窟に運ぶとしよう。


朝から動き放しだったのもあり、なんだかんだ1時間ほどウトウト(寝てしまって)していた。


時刻は、16:30


「う~ん、疲れた。今回は、これぐらいで勘弁してやるか」


今回の冒険はここまででいいだろう。


ゲート{転移/異世界門}を起動させて、藁を洞窟に運び込む。


たぶん、ずっと雨が降ってなかったのだろう(少なくとも俺が異世界に着てからは降っていない)


藁は乾燥しており、虫がついていたり、腐っていたりはしていなかった。

もしかしたら、割かし新しいのかもしれない。


運び込みは、30分ほどで終わった。


洞窟の奥に藁を敷き詰め、簡易なベッドにする。


「今夜は藁ベットだな」


と満足げにうなづいた。

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