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30歳の異世界秘密基地  作者: 康成
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第4話 ポータブル露天風呂②

「つまみ! 缶ビールよし! 景色よし!」


仕事が終わり、スーパーに立ち寄り(ゲート{転移/異世界門}で転移だけど)、晩酌の用意すませる。


時刻は、20時・・・・そろそろか。


ゲート{転移/異世界門}にて、自宅へと戻るとチャイムがなった。


「ちわっーす、宅配です」


ちょうど。よかったようだ。


例の物の受取を済ませ、玄関に置いてもらう。


「ありがとあっしたー」


元気よく去っていく配達員のお兄さんをおじきしつつ、ドアを閉める。


ダンボールやエアパッキンに包まれた人の腰ほどある、円柱の形した宅配物。


昨日注文したドラム缶だ。


早速ゲート{転移/異世界門}にて、運ぶことにした。


「よいっしょ・・・てっ、おもっ!」


円柱型で取っ手がないため、持ちにくい。


持ち上げられないことはないが、ふとテレビでみた光景を思い出し、ゲート{転移/異世界門}の位置を調整して、傾けて転がして、転移した。


事前に用意していた竈(耐熱レンガがセットしておいた)へと設置し、


一息つきたいところは、やまやまだが、これで終わりではなく、次は川から水を汲んでドラム缶に入れなくてはならない。


「っしゃーやんぞ!」


気合をいれ、バケツを片手にゲート{転移/異世界門}にて川辺に向かう。





「ぜあっはぁ、ぜあっはぁ」


正直舐めていた。


水の重さは、1リットル=1kg。つまり10リットル入るバケツなら、10kgだ。


川で水を汲み、ゲート{転移/異世界門}にて、ドラム缶前まで転移し、水を入れる。


水を入れるのには、持ち上げなければならず、これを30回も繰り返せば腕がパンパンで上がらなくなる。


「なぜたまらん」


地面に倒れこみながら、考える。計算が合わないのではないか。


ドラム缶の大きさは、200リットル。バケツの大きさが10リットル、満タンに入っていなかったとしても、短銃計算で20数回汲めばドラム缶は満タンになるはずだ。


それがなぜか満タンにならない、なぜか・・・・!!!


あまたに水が触れる感触・・・・・・起き上がって見てみるとドラム缶から水が広がっていた。


「まさか・・・水漏れか!」


ドラム缶の細部を確認して、驚愕の事実が発覚した。


水道の蛇口のように、コックから、水が吹き出ている。


排水用に取り付けてもらっていたものの、栓が開きぱなっしになっていたようだ。


これでは、いくら汲んでもたまらないわけである。


あわてて栓を閉めるが、三分の一ほどしか残っていなかった。


「くそがっ!」


誰に当たれることでなく、無造作に近くにあったバケツを蹴り上げる。


プラスチック製の軽いバケツは、思ったより飛び、展開してあったゲート{転移/異世界門}

をくぐってしまった!


「やべえっ!」


そういえば、ゲート{転移/異世界門}に物を投げ込むとどうなるのか、いままでは物は手運びをしてきて投げ込んだことはない。


ゲート{転移/異世界門}をくぐり辺りを見渡すとすぐ足元にバケツが転がっていた。


「ふっー、良かったあった」


安堵しつつ、バケツを拾い、ゲート{転移/異世界門}を見やる。


向こう側、つまり転移する側はどうなっているのだろう。


いままで考えもしなかったが、

転移する側と転移して出てくる側でゲート{転移/異世界門}は、同一のものなのか。




ゲームなんかだと描写的には同一の物が多いイメージだけどどうなんだろうか?


もう一つ考えられるのは、地点A→地点Bにそれぞれ入り口・出口とゲートがある場合だ。


異世界移動だと、しっくりくるが、転移だと不恰好な気がする。


考えていてもしょうがないので、近場で試してみることにした。


結果は、後者だった。


目の前にゲート{転移/異世界門}を呼び出し、数メートル先を移動するイメージをする。


すると地点A→地点Bにそれぞれゲートがゲート{転移/異世界門}が出現している。


おおっ、なんか初めてゲート{転移/異世界門}の裏側を見た気がするが、どうやら表・裏はなく銀縁に縁取られた楕円形の靄が広がっている。


それから、思いつく実験を幾つかしてみた。


ゲート{転移/異世界門}の能力発見。


①転移の場合、ゲートは二つ存在する※異世界移動に関しては、見れないので確証はない。


②ゲートは、表・裏はない

裏でも表でも転移は可能であり、物を投げ込んでみたが、ひょっこりと出てきた。


③地点A→地点Bに呼び出しゲートは、地点B→地点Aにも転移できる


表裏実験の際に、思いついて反対のゲートを通ってみたが、問題なく転移できた(物も)。

これは呼び出したゲートを使って他の何かがこちらにも来れる!ということであり、ゲート内で鉢合わせ?(するのかどうか分からないが)の危険があったが、こちらはどうやらゲートの使用に関して、許可のオンオフが出来るらしい。


④ゲートの位置、方向は自由自在

これは、ドラム缶を運ぶ際、上下に動かせたので出来るのではと思っていたがやはり出来た。


平面のゲートを垂直にしたり、斜めにしたり、ある程度上空にもできた

(どうやら、目で認識した場所なら出来るようだ)



なぜ?急に出来るようになったかは、分からないがその能力を認識した習慣、呼吸をするように出来るようになったいた。

この感覚によると常時許可を出していたようでこれからは、オンオフをつけるようにすることとした。




まさか、ドラム缶風呂に水を入れる作業でこんな新発見が出来るなんて!


水が溢れていたのも、全部計算!?

さすが、俺だな。と自画自賛をしつつ、早速実験で得た能力を屈指してみることにした。


まず地点A川にゲートを、次に地点Bとして、ドラム缶の上にゲートを垂直に出現させる。


多分できてるはずだ。

次に地点Aのゲートに川の水だけを許可する。


すぐに解除。これでドラム缶には水が満タンに入っているはずだ。


早速、ゲート{転移/異世界門}にて転移して確かめてみる。


ドラム缶には、なみなみと溢れんばかりに水が入っていた。


というよりもむしろ、溢れていた。

あたりは水浸しだ。


これから、量を調整していくことにしよう。


ーーーーーーーーーーーーーー


濡れた耐熱レンガを軽くタオルで拭き、地面には余ったレンガ敷き、その上にもう一段薪を敷いて火をつける。


(最初は、場所を変えようと思ったが、なにせ200リットル入っているということは、200キロだ。とてもじゃないが持ち上げられない)


火をつけつつ、湯が沸かす間、

腹が減ったため余っていたウィンナーなどを焼くことにした。


「ふっ、湯を沸かすためだけに、火をおこしたんじゃないんだぜ?」


と誰に言うでもなく、呟きつつ、時間を潰した。


200リットルの水を沸かすのには、大体1時間ぐらいかかった。


というのも、熱いくらいにあっためてから冷まして入るのが一番いいとホムセンのおじさんが言ってた!


ドラム缶風呂に手を突っ込み、かき混ぜるほど良い具合になったようだ。


上着を、ズボンを、下着を、

誰に気兼ねすることもなく脱ぎ捨てる。


ここは、異世界。誰もいない森の中だ!(きっと)


踏み台を登り、縁に手をかけ、そっと入る(ホムセンのおじさんは、昔飛び込むように入り、土台が崩れてドラム缶風呂ごと倒れて怪我をしたと笑っていたためだ)


つま先から、入り、するりと全身を程よいお湯が温め、体重分の容積が増えお湯が若干溢れ、焚き火がじゅーと音を立てる。


「フアッー」


と思わず、息が漏れる。


やはり日本人は風呂だ!

無駄に水汲みをして、冷えと疲労した体にお湯が沁みる。


しばらく湯を堪能して、程よく体が温まったあと、ドラム缶横に設置したサイドテーブルに置かれたクーラーボックスに手を伸ばす、


「くぅー、キンキンに冷えてやがるぜ」


火照った体に、ビールがこれまた沁みる。


見上げれば、ちょうど空いた木々の間から、星が煌めく夜空だ。


昔、高校の修学旅行で行った北海道の夜に、ペンションで見た光景を彷彿させる。


いや、あの時よりも凄いかもしれない。


気分良くグビリともう一杯、ビールを飲む。もう一本空きそうだ。


今日、気分が良い。

ドラム缶風呂が心地いいというのもあるが、今日は花の金曜日だということが拍車をかけていた。

しかも、月曜日は祝日で三連休だ!


明日仕事に行かなくてもいいと思うと、ビールが、すすむすすむ。


ーーーーーーーーーーーーーー


ビールが三本目に突入するころ、

ほろ酔い気分で明日の予定を考える。


洞窟の寝室化計画も進めたいが、なにぶん土臭い。


周りの土を落として、床をタイルか何かを敷き詰めて入り口はドアか何かを設置しよう。

確か、土木関係の奴の結婚式の二次会で当てた高圧洗浄機が押入れにしまってあったはずだ。


あと風呂は、いいがやはり薪を大量に使う。

昔の人は、燃料が確保出来ず。風呂は、嗜好の類だった頃があるのもうなづける話だ。


そろそろ薪代も勿体無いし。

木はそこらへんに生えてるのだから、薪の自作を始めるのもいい。


川があるということは、山もあるということだから、温泉とかもあるかもしれない。


考えてみれば、異世界に来てから全然移動していない。


せいぜい洞窟というか、洞穴を発見したのと、川と滝を発見したぐらいだ。


後、ウィンナー焼いたり、ビール飲んだり、風呂に入ってたりと、完全にただのアウトドア、キャンプだ。


モンスターや、魔法ゲートはあるけど、それに異世界人!


何にも遭遇していない。


全くファンタジーらしさがない。


異世界=ファンタジーではないのかもしれないけど、


明日は冒険に出かけよう!!


「見知らぬ土地、蔓延る凶悪なモンスター、美少女との出会い!!未知なる冒険が始まる‼︎・・・なんつって!」


と、一人ゲラゲラ笑いながら、4本目のビールのプルタブをプッシュ!と開けた。


ゲートの能力を、発見。

如何様にも応用が利きそう。


便利な能力ですね。色々と便利法を考えていきたいですね。


話的には、そろそろ起が終わり、承に入るのですが、ファンタジー要素ねぇー!と焦っております。


徐々に出していきたいと思っておりますので、暫し、もう暫しお待ちを。


ドラム缶風呂補足


①ドラム缶風呂は、熱くないのか?

底は熱いですが、スノコを敷いてます。

側面は、実は熱くありません。


紙鍋の法則?ていうんですかね。

科学的何かでそうなっているみたいです。


三連休中は、毎日更新をしたいと思っています!

次話もよろしくお願いします

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