姫、乱心?
王から仕事を続けていいといわれ無職になる危機をとりあえず脱したフィリップは魔王とともに家に帰ってきた。
「あ、お帰りなさい、お兄様」
「姉貴は?」
「ただいま買い物に行かれました」
「よかった~」
「なんでもお兄様とつながるためのものだとか」
「安心した俺がバカだった!」
ピンポ~ン
「姉貴か!」
「いや、姉様なら呼び鈴など鳴らさず普通に入ってくるでしょう。宅配便かなんかでしょう」
騎士のいる世界で宅配便とかどことなくシュールである。
「はい、どちら様でしょうか?」
フランチェスカが扉を開けると
「フィリップ様~!」
いかにもお嬢様といった風貌の少女が入ってきた。
「ア、アリス姫!?」
自分に抱きついてきた少女におもわず驚きの声をあげるフィリップ。
「はい!それにしても本当にフィリップ様、女性にされてしまったんですね。なんということを……」
そういって魔王の方をみるアリス。
「あなたが魔王ですわね?」
「あ、あぁ」
「あなたがフィリップ様を女にしたんですわね?」
「そ、そうだけど。なんか目が怖いよ?」
「当たり前ですわ。私のフィリップ様にこんなことしたんですとも。それなりの罰を与えなきゃですわね?」
「何この人……やばい怖い」
「毒薬かロープかくらい選ばせてあげますわ」
「ちょ、ちょっと落ち着いてください、姫!」
「フィリップ様!この女の味方をするというの!私、信じてたのに!わかりました、フィリップ様が私のものにならないのならフィリップ様を殺して私も死にます!」
「どういう展開ですか!」
「おい、フランチェスカ」
「なんですか、魔王」
「あの怖い女は誰だ?」
「アリス姫です。国王様の娘様ですね」
「おい、あのどう考えても小学生なお妃子ども生んでたのかよ!」
人の体はミステリー。
「やっぱりフィリップ様、浮気をしていたのですね!」
「いや、姫、私と姫は別に夫婦でも恋人でもないですからね」
「最近メールにも返信してくれませんし!」
「一日五千通のメールに返信してたら私仕事できませんよ!」
姫と騎士のやり取りがメールとはなんとも夢がない。
「昔はあんな情熱的な一夜を過ごしたというのに!」
「過ごしてませんよ!」
「湖畔であんなにも布団を濡らしていた私を忘れたというのですか!」
「普通に漏らしただけですよね!」
「違います、あれはあなたのことを思ってついあそこに手が伸びて……」
「何をいってるんですか!」
「深い森のなかであんなにも大きな声で私を求めてたじゃないですか!」
「迷子になった姫を探してただけでしょ!」
「おい、フランチェスカ?」
「なんですか、魔王?」
「変態って形を変えて遺伝するんだな」




