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エピローグ
エピローグ
「夏、今日はせっかく休みなんだから出かけようぜ」
「どこへ?」
四季家では、いつもと変わらぬ朝を迎えていた。春一の大学は夏休み、文房具店は定休日だ。
「そうだなぁ……川でバーベキューしようぜ」
「もう九月ですよ」
「九月にバーベキューしちゃいけないって法律があるか?」
「ハル、その肉寄越せヨ!」
「俺が取ったんだろーが!」
「二人とも、喧嘩しないの。あ!ジョー、それあたしのソーセージ!」
結局いつもと同じメンバーでバーベキューをする羽目になった夏輝は、肉と野菜を焼くのに必死である。肉は全部持って行かれるが、それに対して野菜は夏輝の皿に盛られる。
「みんな、野菜も少しは……」
「ハルテメー!俺の肉取りやがったナ!」
「仕返しだ!」
「あっ、琉妃香、お前も取ってんじゃねーヨ!」
「食べたもん勝ち~」
夏輝の言などどこへやら。川のほとりには、いつまでも笑い声が響いていた。
TRUMPⅢを読んでいただき、ありがとうございました。
次回作もよろしくお願いいたします。




