表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
TRUMPⅢ  作者: 四季 華
第3章
14/48

3-1

3-1


 時は十二年前に遡る。春一達が小学校に入学した時代。髪もまだ全員黒く、ピアスも開いていなかった時。

 三人は入学してクラスが一緒になると、すぐ仲良くなった。小学校一年生の頃はクラスメート全員が友達のようなものだが、この三人は特に仲が良かった。元々性格が似ているということもあり、学校にいる間も終わっても、三人は毎日一緒に遊んだ。

 そうして一学期が過ぎ、二学期に入った時、事件は起きた。

 春一と丈は、毎朝一緒に登校していた。琉妃香だけ家が別方向なので、登校だけは分かれていた。大方春一と丈のどちらかが寝坊をするので、いつも琉妃香が教室で二人を待っていた。そして今日も、春一の寝坊のせいで遅れて教室にやってきた二人は、異変に気付いた。

 いつもいるはずの席に、琉妃香がいないのだ。赤いランドセルはあるのに、琉妃香本人がいない。彼女は今日日直ではないはずだし、どこかへ行くなら他のクラスメートに言伝を頼むはずだ。

「ねぇ、琉妃香知らねぇ?」

 春一が近くにいたクラスメートの男子に尋ねると、その子は困ったように目を逸らした。何かを知っている表情だ。

「おい、琉妃香どこだヨ?」

 丈が肩を掴んで揺さぶると、男の子は泣きそうな顔になって口を開いた。

「三年生に連れていかれたんだよ!五人くらいで来て、琉妃香ちゃん連れて行っちゃった」

 その言葉を聞いて、春一と丈の目が見開かれる。丈も相手を揺するのをやめ、放心状態で固まる。

「……どこ行った?おい、どこ行ったんだ!?」

 春一が声を荒らげて聞くと、男の子は震える声で「プールの方」と言った。春一と丈はそれを聞くや否や、すぐに駆け出した。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ