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第2章 出会い という選択肢

主人公・ユナム(男・16歳)は、冒険者としてすぐさま、ランク2に昇格。

その夜に見た、意味深な夢の内容を確かめるか迷った挙句に・・・。


夢に出て来る、謎の人達と見慣れぬ魔物の姿。

実際に行くかどうかの葛藤、迷った挙句の行動・・そして、その結果。


彼の選択によって、何が変わるのか?!

※選ばなかった先のお話は、別の物語になる為、ココでは書きません。

 順調にランクも2に上がり、宿屋で次なる目的地を考えながら寝ていたユナムは、また自分の居ない夢を見ていた。


今日行ったばかりの『試しの洞窟』で赤いランプの灯った先がランク2かと思いながら通り過ぎた先に、旅立ち前に見たような姿の人達が、何か見慣れない魔物と遭遇し、仲間と思われる人が酷いケガを負ったシーンで目が覚めた。


・・なんだったんだ?今の夢・・・・。


 昔から、鮮明にリアルな夢を見る事は度々あった。


父親が魔物に油断して負傷するシーンを見た日の朝に「魔物に油断するなよ」と声をかけた事で大きなケガも無く帰ってきたりと・・今までは、きっと偶然だ・・。そう思っていた。


 今度は?


知らない人達。まだ行った事が無い場所・・・。


見慣れない魔物・・は、図鑑でも見た事の無いものだった。新種か?


俺には関わりない事だ・・そう割り切っていいのか?

それとも、この夢はただの夢だったと信じる為に、また試しの洞窟へ行くべきか?・・悩みながらの朝食は、味もしないまま黙々と食べ、どうしようか迷いながら、冒険者ギルドへ。


何か依頼をこなすか・・と思いながらも、ずっとあのシーンが蘇る。

自分はまだ、ランク2のレベル6程度なのに・・何が出来るんだって話だよな・・とか、助けたら何か・・いや、その前に夢でしたってオチになるに違いない・・そう思いつつ、依頼の掲示板を見上げてると、ふと後ろに並んでるいかにもな恰好をした剣士の冒険者が、隣の狩人の恰好の冒険者に、何か話してる。


その内容が・・・


 剣士「そういや、この国の王子の冒険者グループ、朝からランク2の試しの洞窟へ行ってるんだってよ」

 狩人「は?なんで、ランク2なんだ? もうランク3になったんだろ? 他の国へ行くべきじゃねぇの?」

 剣士「いや、俺もそう思ったけど・・なんか、ギルド長の頼みとかで見慣れない魔物が出るってウワサを確かめに行ってもらってるとか言ってたぜ」

 狩人「へぇ~王子も大変だよな~。儀式で各国巡りしないといけないってのによ」

 

・・だな~・・と声が遠ざかっていく。


・・・・・。


 王子グループ?


そういや、去年の暮れにアイラ(幼馴染の少女)が先に行ったのも、アソオス国の王子がこの国の王子より先に条件の年齢になったから。

で、俺と同じく最近旅に出たってこの国の王子の話で、この国は今、盛り上がってるから、そういった話もよく聞くけど・・。


 都合良過ぎないか?と思ったものの・・・。


ってことは、この間見た謁見の間の場面・・あれが・・白い綺麗な装束に身を包んだあの人が王子って事なのか? 周りと雰囲気違ったし。


・・・まさかな。


うん・・きっと・・ただの夢だ・・・・。

偶然ぐうぜん・・



 装備やアイテムは整えてある。

いつでも、他所へ行く準備は出来てた。


どうにも気になったし、いつまでも気にしてても仕方ないから、”夢だった”・・にする為に、確認がてらランク2の試しの洞窟に進む事に。


ランク2の洞窟、他のパーティが入っていようが、他のフリー(パーティに入ってない者)やグループが入ってはいけない・・という事は無いので、止められずに入れた。


入口はランク1のフロア。

途中に各ランクの入口が両脇にある。


そこから、赤いランプの入口に近づくと、証が反応したのか小魔法陣(簡略化された魔法陣)が発動し、消え・・入れるようになったので、入って行く。


数歩歩くと、背後で魔法陣発動の音が聞こえ、再び閉じる。

ランク2の洞窟内は、ランク1の簡素な土壁の洞窟とは違い、やや青みがかった鉱物で淡く光っている。


誰かが入ってる場合は、常に補助灯(光を放つ鉱石によるもの)が付いていて、探索はしやすい。まだ、ランク2・・・だしな。


いつ襲われても良いように、武器(長剣)と盾を構えて進む。


ランク2に出る魔物は、前日の内に確認(ギルド内・案内人情報)。

注意すべきは、サジテールっていうヤギみたいな姿の突進攻撃とヌースっていう魔物の毒のくしゃみには気を付けないとな・・。


・・一応、毒無効化の薬(これの方が毒なんじゃないか?くらいのニオイと味らしいから飲まずに済ませたい・・)があるから、まぁ危なくなったら逃げるって手もあるし・・。と考えてるといくつかの分かれ道に差し掛かる。


こういう時は、行き止まりに宝箱ってのがお約束で、まだひっかけも少ないランク2なら、左側にお宝・・右側が別ルートへ出る・・みたいな構図だって、前に親父が言ってた事を思い出す。


 ひとまず、夢に出たグループにも会わないから、左へ。

宝箱には、毒無効化になる薬・・ビボラ薬(毒には毒でみたいな発想なのか、光の魔術でなんか組み替えて毒無効になるようにしたとかなんとか・・よく分からんけど)が入っていた。


・・ちなみに、薬の名前は正式名称はやたら長くて、略した名前だったり、毒解除の薬なんかは怪しい名前付いてたりと・・いろいろだったりする。


回復薬は、そのままなのにな・・。


元の道に戻って、右へと進む。

途中にも行き止まりは在ったが、誰かの忘れた物なのか・・武器が落ちてたりしたが・・大抵は壊れてる。


そういや、聞いた話だけど・・こういうのを持ち帰って直して使う奴が居たり、それを売ったりしてる商人もやってるって奴が居るとか。


俺はそこまで器用じゃないから、そういう発想は無いけどな。


とそうこうしてると、大きな道に出た。


そして奥の方で光がっ!


・・誰かが戦ってるのか?!


小走りに近づく。

グループなら邪魔しないのが暗黙のルール。


そして、近づくごとに声も聞こえてくる。


 「・・・」


 男性の声で「ライクルド!」って声が・・。

確か・・雷属性の単体攻撃技だったような・・・。

自身の攻撃力も上乗せで発動するとか聞いたな・・。


 今度は女性の声で「ルクシール!・・みんな、きっと・・もう少しで・・」


ルクシールは、光魔法の補助系で、個人の魔法耐性を上げるもの・・だったかな。


 透き通るような男性の声と高めの男性の声で、武器による攻撃の音が響く。



見慣れないその魔物は複数で、何体かは倒されたようだった。

その死骸がなぜか残っていたせいか分からないが、他の魔物が出てこなかったんだ。※魔物なら倒された時点で素材落として消えるのが一般的


 もう少しで声の主たちが見えるくらいの所に差し掛かると・・


魔物の群れの中心に居るのがやや大きく、リーダー格なのだろう。

そいつの懐に入り込んだ白装束の剣士の頭上に迫ってた大きな武器で攻撃されそうな場面・・・すかさず誰かがそこへ飛び込んで来た!


剣士は勢いよく飛ばされる。

庇った相手は攻撃が直撃・・?! 



 俺 は 思 っ た 

  ・・・夢で見たシーンだ。



周りの人間たちの叫び声や駆け寄る足音・・


結局、助けられないじゃないか・・・・

すぐココへ向かってたら?


そんな今悩んでも仕方ない事が頭をよぎる。

しかし、仲間を庇って重傷な人とその周りに容赦無く攻撃を仕掛けようとする魔物たち。


 俺はボソッと 「スローバル」と唱えた。


そして敵の行動が攻撃が即座に遅くなった事に気付いてくれて、重症の仲間を抱え、俺の近くへ後退してきた。


 女性「誰だか知らないけど、ありがとう」

 男性「態勢整えるぜ!」

 剣士「・・・・」


 少し間が開いて重症な人が「た・・助かったぜ兄ちゃん・・」

 女性は慌てて治癒魔法をかける。


 こんな状態じゃ、倒す以外無い。 撤退も難しい。


 3人は顔を見合わせ、剣士は口を開く・・・


 剣士「おまえも、一緒に戦ってくれないか?」


 俺「え・・⁈」


 俺なんかが加わっても・・と一瞬思ったが、もう加勢してるようなもんなんだ。治癒魔法だけじゃ間に合わない! 早く倒して町へ戻った方が良いと俺も思うし、即「わかりました」って答える。


 剣士とムキムキな戦士の男性が前衛・俺は真ん中でサポート。女性は後方からの魔法攻撃。タイミング良ければ攻撃してくれと言われる。


 さっきのスローバル(即発動型・基本補助魔法・敵全体の行動を遅くする)は、もう切れかかっている。


 今は迅速行動が最優先!


 俺は攻撃や補助、アイテム渡したりした。

魔物の周辺に居た奴らを一掃し、リーダー格に攻撃を集中させる!


 剣士の放った技が炸裂した! 倒せた!と思ったが、それは突然逃げ出す⁈

・・・追わずに重症の人を担いで外へ。俺も心配になって同行。



 商館の中にある治療院で、治してもらってる中・・


 重苦しい空気が漂っていた。


・・・しばらくすると、中へ通され・・やや包帯グルグル巻きになってる男性は、ほがらかに笑っている。


 どうやら、一命をとりとめたようだった。


 ただ、大きな傷が塞がった程度で、旅に同行出来る状態では無いそうだ。


 4人だけの分かる話の中、俺は少し離れた所で聞いていた。


 と、突然声をかけられる。え?っと顔を上げると・・皆さんが俺を見て手招きされるまま、ベッドの近くへ進む。


 包帯グルグル巻きで顔部分しか分からない兄さんは、ややかすれた声で俺にお礼を言う。


 いや・・偶然・・通りかかっただけで・・そう・・ただそれだけで・・と言いたかったが、それでもとお礼を言うのをやめなかった。


 「俺はソールだ。ホント、俺らを救ってくれて・・ありがとな」

と笑顔を向けてくれる。助けれて良かった。


 名乗る仲間に続き、他の人達も名乗ってくれた。


 魔法使いの女性は、ルアさん。

  回復も攻撃魔法も補助もなんでもこざれな凄い人だった。


 ムキムキマッチョな男性は、オリクトさん。兄貴!って感じの人。

  声が大きく、豪快な人って印象で、盾や棍棒で戦うタイプらしい。


 そして・・剣士は・・


 「えぇ!? 王子?!」と思わず俺は叫びそうになって慌てて口を押えた。


 王子で悪いか?と言いたそうな顔だったが、どうやらホントに本物の・・


 このレスカテ王国の第一王子だった!


 

 ちなみに、この世界での王の子供の名称は必ず・・どこの国であっても


 ” リ ュ ウ ” という呼び名で呼ばれる為、大抵は国の名前+王子・・とか王女・・とかになる。つまりは、レスカテ王子・・だ。


 自分も慌てて名乗る。


 「俺はユナムです。レスカテ国のキニゴスの町出身で冒険者ランクは2です」


 ソール「自己紹介出来たし、俺は少し眠るよ・・」と言った声が聞こえて振り返ると、もう眠っていた。


 場所を移し、王子は俺に向き直る。


 王子「ユナム・・良かったら・・だが、私の旅に同行しないか?」

 俺は予想してなかった。


 確かに、そうなれば・・いろいろな場所に行ける。でも・・

 ルア「君はランク2って事だけど、私たちと行けばすぐランク3になれるんじゃないかしら」

 オリクト「そうだぞ!来いよ!」


 え・・えぇ~・・いや、まぁそうだけど・・


 とにかく、一晩考えさせてくださいって言って、今日は王子の泊ってる宿・・個室で眠った。ソールさん分が勿体ないだとかで。


 昨日のギルド内の宿屋と違って、高いだけあるよ・・ってくらいのふかふかなベッド。食事付きだったのは良いけど、ずっとオリクトさんに勧誘されっぱなしで、みかねた王子がルアさん共々、他の話をしてくれた後は、ちゃんと食事を味わう事も出来た。


 個室で、考えてた事は・・


 一緒に行く事で確かに俺のレベルは、すぐ上がりそうだし、ランクアップもすぐな感覚にはなった。しかし、それまでの道中で絶対、足引っ張るんだろうなって思って、うぅーんと悩む事になっていた。


 正直、ホント言うとアソオス王子のグループに入りたかったが、今はどこに居るのかも知らないし、行って会えたとしても都合よく入れる保証は無い。


 ココで一旦別れて・・とも思ったけど、そうすると義務感みたいなの出そうだし、行動に制限かけさせるんじゃ?とかも思う訳で。



 そんな事を考えてベッドに横になる。


 そういや・・と、ふと思い出す。


 まだ10歳くらいの頃・・アイラと俺、毎日の訓練や勉強の合間に、町中を歩きながら、王子との旅を想像しては、こういう時はこうしよう・・なんて、妄想して遊んでた。


 ちょっとのつもりで、試した魔法が大惨事になりかけた時に、アイラの機転でどうにかなったものの・・親たちからの説教が長く続いた夜。


 俺が泣き言・・言ったら・・・・・アイラが・・・・くぅ・・すぅ・・



《キャラクター紹介》

1⃣ 主人公/ユナム (ラテン語・夢/16歳・男) 16歳になって数日で、冒険者になった新参者。

基本武器・長剣(ホントはどんな武器も軽く扱えるが剣が好きらしい)

基本装備・冒険者セット初級(皮製品→ランクアップ後に鉄製品に)

剣を使ってるので、火・雷・風系の魔法や補助も覚えていく。


2人の王子の内のひとり

2⃣ レスカテ王子/リュウ (17歳・男) 剣士・長剣や水(氷)・光・岩系の魔法も使う。王子も剣士タイプだが、王族補正がかかってる為、普通の剣士が覚えない技を習得する。

3⃣ 王子の側近で重症で離脱する者/ソール (18歳・男) 兵士・槍・基本的に魔法は使えない人。そして何故か水系攻撃に弱く怖がるらしい(オリクト情報)

4⃣ 王子の側近のマッチョ/オリクト (19歳・男) 戦士・棍棒+盾・実は既婚者。岩・風を使う。雷は初期のモノしか使えない。器用なようで不器用。

5⃣ 王子のお目付け役/ルア (18歳・女) 魔法使い・杖・一般人としては高い魔力がある。その為、闇以外の魔法属性を使える。回復魔法も能力が高いが、まだ蘇生魔法は覚えてない。


次回は、王子の旅仲間になるのか否か、そして冒険の本格的な始まりとなるのか?

 

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