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第18章 ポリプス戦

フィエルテ国の儀式も、なんとか終わる。

 船に乗って、新たな大陸・・・コロモス国へと向かう。


 久しぶりの船の上で、のんびり過ごしている‥俺たちだったが・・・

今日は穏やかな陽気で、過ごしやすいなぁ・・・風も気持ちがいい。


・・・昨日の夜は、酷い嵐で‥あんま寝てないから、今・・ごろ寝中。

あの嵐の中で眠れるのは、もはやオリクトと、魔法で揺れ軽減してる強者つわもののルアさんくらい。王子は、しんどそうだったけど・・・。


たぶん、王子は俺と同じで、今 寝てるんじゃないかなって思う。オリクトが護衛として近くに居るだろうし。まぁ 今のこの世界は、けっこう平和だからな。



と、何かが船に ぶつかるような衝撃を感じた。


・・・? なんだ?・・・


流木とか・・かな? たまに、あるらしい。

 船員たちが、小さな船じゃないのか?!とか、言ってる声が聞こえる。



 次の瞬間、ぐらっ!と船がかたむく!! 

俺は、飛び起きる!


 風、ほぼ無いのに・・・揺れるなんて、オカシイ!

オリクトや王子、ルアさんが、船室の扉から甲板に出てきた。


オリクト「ユナム! 今の揺れは何だ?!」

   俺「わかんないっ」

船員たちも、慌てている!!



今度は、反対側に傾く! かなり大きく傾いて、船の真横に海が迫る形で・・垂直に近い状態! 大半が海に、落下!


 俺も落ちると思った瞬間には、オリクトが甲板の鉄部分を掴んでルアさんを抱え、俺の腕を掴んでた!!


 王子自身は同じように、鉄の部分に掴んでいた。


傾きが戻り、船員たちと船長が、船の下に巨大な魚影を見つけたみたいで、騒いでいる。


 王子「何が居る?!」と船員に聞くと・・

この辺りの海域を縄張りにしている、ポリプスって8本の足がある海洋生物の巨大化した魔物らしい!


・・昔、ギルド長の武勇伝を聞かされた時に、確か・・そんな名前のが居たような?・・・。


なんて、考えてる間に、船から落ちた船員は船に戻って来た。それを確認した船長が、その魚影に向けてモリからライクルドを発射していた。



  ・・・・・すると・・・


大きな水しぶきと共に、ポリプスは姿を現す!!


船よりも、遥かにデカい!! 長い手足(たぶん・・触手?)を動かし、船上に居る人間を襲う! 攻撃が来るまでに、時間が掛かるけど‥他の手足もびゅんっ びゅんっ と飛んでくるので、油断出来ない。


船長が俺たちにも、追い払うのを手伝ってくれって言う。いや、もちろん戦うよ!・・・船、壊される訳にはいかない!


 王子「船長たちと、連携を取りながら倒すぞ!」

 「はい!!!」


ルアさんからの補助魔法で、能力アップ!と同時に、オリクトが攻撃を防ぎつつ、攻撃! 大型魔物との戦いだと、オリクトの力強さを目の当たりにする!


マジ頼れる!


 俺は避けながら、フリュで避けた上でのカウンター攻撃で切っていくけど・・数分後には復活して、キリが無い!


王子「ユナム!本体を狙え!足は避けていけ!」 

俺「わかり…ました!」ふいに自分の上から足が横切った風を感じたまま、自分でも素早さアップをかけて・・


 口のような辺りは、吸い込まれたり・・もしくは、大きく吹き出されて飛ばされたり散々なようで、船員たちが苦戦している!


かなり手前の足から登って、他の足へ 他の足へと渡っていく!

俺の後ろから王子が足を登っているのがわかった!


 ルア「ボルトショック!」と足もろとも全域に、雷の魔法を放った!!

全部の足の動きが鈍くなる! 感電してやがるぜ・・今の内に!


 王子が、オリクトやルアさんに、指示を出しつつ、攻撃している。


俺にも指示が来る。先行して攻撃・・だ。了解!


 やっと本体近くまで来れた!と思った矢先に、ポリプスの口が上を向いていた事に瞬間気づかず、吹き飛ばされる!


 俺を呼ぶ声が、遠くに聞こえるけど、こ ん な 事 で 、飛 ば さ れ て ・・たまるかー!!


 俺は剣を自分の前に持ち、刃で風を切るように前方回転!!

ポリプスの頭上付近で、一気に剣を真下に向け、矢の如く重力に任せて落下する!!


 「これでも くらいやがれ!鳴雷炎落めいらいえんらくけ~ん!!」

直後、雷鳴の音と共に落下する中で、剣に炎のような熱を帯びだし脳天への一撃をくらわせる!!(正確には”脳天”では無さそうだが・・いや・・いいか)


 俺を吹き飛ばす為に上を向いてた口のお陰か、王子が迫っていた事に、ポリプスは気づいてない!!


 俺の一撃で、すごく痛がって暴れ始めている!

手足を バン バン 甲板に叩きつけて、船員たちを攻撃している…


 王子「・・剣華・・シラユキ‥」


 俺がポリプスの体から、下へと降りてく時に見ると、王子の細身の剣が自身の前で円を描いたかと思うと、前方への突き・・いや、切り払う!

 その際、白い花びらが舞う! 動きは速いはずなのに‥すごく ゆ っ く り攻撃してるように見えるから・・・不思議だ。


 ポリプスの急所を突いたようなのに、まだ倒れない!


‥どんだけ、しぶといんだよ・・こいつ。 だてに大きくないってか?

しかし、王子の攻撃が決まった時にはもう、上空に・・・!


ルア「シッチタ・テンポラーレ!!」

小さい太陽のような光の塊が、ポリプスに近づくと・・ジュウウゥウゥゥ‥と焼けていく。


ある程度 干からびた時点で、ポリプスは‥素材という名の大量の魚を残して塵と化した。その瞬間、船員や船長たちから歓声が上がる!


はぁあぁ・・つ・・っかれた~・・・


 ルア「・・ふぅ・・上手く、行きましたね」

 王子「…あぁ・・・そうだな・・・」

オリクト「ユナムも、スゲー技出したなぁ!」

  俺「ぁ…ははっ・・はいっ」


 ルア「自分で編み出したの?」

  俺「まぁ、昔に編み出そうとして失敗してたやつですけど・・上手く行って良かったですよ・・」


 王子「・・今回は、船長たちの手助けもあったからな‥」

王子は とことん、謙虚なんだな・・と思った。


俺が王子の剣技の凄さを語ろうとしたら、船長から声をかけられる。

 船長「聖竜の皆様方、すぃやせんねぇ・・助かりましたよぉ」

 ルア「いえ、こちらも大変、助かりましたわ‥船長」

 船長「そうそう。あのポリプスが出した魚、どうします?」と、ポリプスが居た辺りに大小様々な大きさの魚が ピチ ピチ しているのが見える。


・・大量だな・・・。


 王子「ユナム、お前が選んでくれ」

はい?っ と首を傾げる・・え?なんで…俺?


 ルア「はい!これにお願いね。好きなの選んできて」

返事するよりも前に、いつもルアさん愛用の『トーポサコ』を持たされ、魚の方へ背中を押される。「調理器具、買ってあげるから・・選んできて」と小声で言われる。


あぁ・・はい。そういう事でしたか・・と魚の群れの所へおずおずと進む。


 子供の頃の訓練で、食べられる食材や、逆に食べられないものを勉強してた時、俺は旅先でも美味いものが食べたいし!って思って、やたら食材の名前とか料理法とか覚えるのにハマってたなぁ・・とか、思いながら選ぶ。



 かなり大きいのも、船長に聞いたけど「おう!持ってけ!」と言われたので、大きいのも身は少ないけど美味い魚は多めに、ちょっと調理方法が分からない魚はスルーして選んだ。俺が「これで十分です」って言うまで、船長や船員たちは、俺たちの技の凄さに感心していた。


俺的には、船長が魔法使ってる方が驚いたけど。・・・と言ったら失礼だと思って、何も言わずお礼言って、みんなの所へ戻って来た。



そして、ルアさんに返す。

 ルア「良いのはあった?」

その言葉に、俺は頷く。


 残りのはどうするんだろうと、振り返ると・・・食べれるものは、水の入ったタルに入れられ、フタをされて船倉に運ばれ、その他の食べれないものは、海へと放り投げてた。


 その様子を見てたオリクトが「勿体ない」というから

  俺「あの海に投げてるのは、全部、食べれない魚なんだよ」

というと、驚いていた。


 どうやらオリクト的には、海の魚は魔物以外は‥全部 ” 食べれる ” と思っていたらしい。違うんだよなー・・残念だけど。


 俺たち人間が食べれなくても魔物や他の生き物にはメシだし。それに、ああいう食べれない魚の素材で薬にするような職業も在る訳で。まぁ、よく知らないけど。


魚が1匹も甲板に無くなって、やっと船長が「出航だ!」と降ろしていたらしいいかりを引き上げていた。


 そしてすぐさま、動き出す。

甲板の所々が、めくれていたけど・・船員たちが板を持って来て直していた。



 夜。 食事に、今日倒して入手した魚料理が出てきた。



その後は、コロモス国に着いた後の話になった。


 王子「この船が向かう先は、コロモス国のトルエノこうだ」

オリクト「まずは、王様に会う・・んですよね?」

 ルア「オリクト、コロモス国の王は…女王様よ。間違えないで」

オリクト「‥っと、そうだったな」

 王子「城まではかなり遠いが、途中に町や村が在ったはずだ。都度、休みながら向かおう」基本的な流れは、もう‥これで固定って感じなんだけど・・・。



・・・また、何か‥ありそうだよな?


 そういや、アイラのやつ・・・今頃、どこに居るのやら・・?


オリクト「アソオス王子たちと、会いますかね?」

 王子「どうだろうな?すでに、国を離れてるかも知れんぞ…」

 ルア「コロモス国に、観光出来るような場所・・・特に無いですものね」

  俺「え?‥‥そうなんですか?」

俺は てっきり、他の国と同じで、城の近辺に城下町があるのかと思ってたけど・・・違う国もあるのか・・。


 ルア「‥今度は、どんな試練なのでしょうね?」

オリクト「前回は、力量じゃなく‥覚悟を問われる話でしたけど・・・」

 ルア「そういえば、私が一番先に出てきたのよね・・」

  俺「そうなんですか?! てっきり、王子が先なのかと…」

王子は、首を軽く横に振る。


 王子「少し、過去の記憶と対面してな…。それで、その場面を抜けるのに時間がかかってな・・」


 王子には、王子の大変な記憶でもあったのかな・・・。

まぁ・・俺も・・・。

 と、そんな話をしている内に夜も更け・・・就寝。

明日の昼前には到着すると・・船長が言ってた‥‥くぅ・・すー・・・


 


その夜‥王子は一人、甲板で・・。普段‥誰にも見せない銀のネックレスを取り出す。それを両手の拳で握り、思いつめた顔で『リーリエ‥‥』と、呟いた‥









 木々で視界が悪いほどに森が広がっている場所・・・

少し開けた所に、太い木を切ったようなテーブルと木材の手頃な大きさのイスが並んでいる。


・・・あ・・・アソオス王子たちだ。 全員居る。


・・・? 何か・・・あるのか?

それとも、ただの会話シーンか?・・・たまに、あるんだよな・・。


アイラ「今回は、楽勝でしたね♪」と、ウキウキして話すアイラ。

ベルク「アイラさんは、余裕でしたか・・自分は少し・・ぅぷっ‥」

なんだろう? 何か辛そうだ・・・


 ヘルト「ベルク、ここで吐くなよ?・・」

ステッラ「ベルクさん、これを…」と何か薬を渡す。


アソオス「アイラ、油断はするなよ。これからレスカテ国に向かうからな」

 アソオス王子の話に、笑顔で返事をするアイラ。


・・相変わらずな感じで、無事で何より・・・もう、見せてくれなくて良いよ・・と思ってるが、なかなか終わらない。


アイラ「あと、1つですね! ふふっ!ユナムよりも、先にクリア出来ますね!」

ベルク「儀式は・・ね。ですが、聖域での信託が無ければ…終わりませんよ」

アイラは、むすっとして『知ってますけど!』って顔をしている。


アイラは、やたらと俺の悪口を言いだした。夢なんだから、うんざりさせないでくれよ・・・と思ってると・・・俺の悪口だけなら、まだ良かった。日常だったし・・な・・。


アイラ『レスカテ王子なんて、アソオス王子に比べれば…なんも苦労なんてしてない王子でしょ‥。絶対負けるわけが無いわ・・・ふふっ。こっちが上だって証明してあげるんだから♪ ‥絶対、勝って…アソオス王子が賢王になるんだから!それで私が・・・』


 腹立つ~・・・あ?何様だよ!? アイラの奴!!って所で、目が覚めた。


 起きた時は、まだ日が昇り始めた時だったが朝食中まで、俺はイライラしていた。見かねたオリクトが声をかけてきたので、昨夜の夢の話をしたが…。


オリクト「危険な目にあってないだけマシだろ」

・・怒りを鎮めろって言うのさ。



 今度会った時、そんな事言ったら・・例え、アイラでも許さない。

王子もルアさんも心配してくれるので・・・ひとまず 考えないようにした。




・・・さぁ、やっとコロモス国だ!

【ポリプス】(ラテン語・タコ)

コロモス国の海域に生息しているタコの化け物(魔物)。8本の足の内、3本で海底や船体を掴み、5本で船に居る人間を喰うため、足で叩いたり掴んだりして倒してから口に運ぶ。口で吸いこんでも、生きていると再び、外へ吐き出す。動いてると抵抗されるから食べれないかは定かではない。雷や炎攻撃に弱い。コロモス周辺の海域では、今回の1体倒しても、また襲われない可能性は低いらしい。倒すと、海を泳ぐ時に海水を飲み込む。その際に魚も一緒に飲み込んだものが出て来る。


【ボルトショック】中級魔法・基本は単体攻撃魔法。敵の頭上から雷の一撃が落ちる。地面が水浸しのような状態時では、全体攻撃となる。この時大抵人間の靴には雷を通さない素材が靴底に使われているので、攻撃は受けない。


*連携時の指示→決まった片手の腕や手の振り、指の本数などの組み合わせで王子が指示を出す。


鳴雷炎落剣(めいらいえんらくけん)】ユナムが子供の頃には体のバランスが取れずに失敗し続けてきた必殺技。敵の目の前で真上に飛び、落下速度を増した状態で雷を纏った剣を相手に突き立てる。真上の高い位置に居るほど、効果が高くなる。敵に当たった瞬間は、雷鳴が鳴り響くような音がなる。


剣華(けんか)】レスカテ王族の剣技の奥義に近い技の事。言っても言わなくても効果は変わらない。技を発動する間を整える意味で、王子は言う。


【シラユキゲシ】レスカテ王族の剣技のひとつ。正式名称。略しても効果は変わらない。自身の目の前でゆっくり円を描くのは、技を繰り出す為の体の動きをスムーズにするための溜めの役割。その後、整った体で全身の力を剣に集中させ空間を割くように振りぬく技。剣を振りぬく瞬間は息を止めてブレを失くすらしい(王子談)。なお剣を振り切った瞬間に花びらのようなものが飛び散るが、王族の光の力が剣に込められていた一部が外に飛び出してくるのが見えてる。


【シッチタ・テンポラーレ】

(シッチタ=イタリア語・日照り/テンポラーレ=イタリア語・嵐)

光&炎の合成魔法(エルグレインでないと使えない魔法・術士のセンスにより変化)。炎を中心の核として光を纏わせ球体して敵に当たる辺りから、その高温に身を焼かれる魔法。晴れてる日ほど効果が高くなる傾向にある。かなりの集中力や魔力を消費するので、おいそれと使えないらしい(ルア談)。


【トーポサコ】レスカテ王の儀式時代の遺産状態のアイテム。白い鞄のような姿の袋。中はどれだけ大きいものでも入ってしまい、その重さは出すまで分からなくなる、不思議な鞄(アイテムボックスのような構造)。


【トルエノ(こう)】コロモス国、唯一の港。コロモス国をかなり回り込んだ位置にある。この為、やたらとポリプス含む、魔物に襲われやすい、危険航路・・らしい。


次回、雲行き怪しい儀式道中。アイラたちに遭遇するのでしょうか・・・

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