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クラスで目立たない超絶陰キャの僕は、三人の美少女ギャルに毎日言い寄られてかなり困ってます。  作者: 戸松原姉線香


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第17.5話 音葉と店長の会話

 女心をわかってない陰キャの鈍感ボーイが帰路についた時の話である。


「う、うん……。バイバイ、オタクっち……。そ、それで店長さん、これからはどうやって彼を……」

「そうだねぇ……。彼はクソ鈍感野郎だからねぇ……。君のアプローチをなんとも思ってないようだし、さっきのラブレター風のメッセージカードも、『迷惑だー』とか言ってたし……」

「や、やっぱりウチのアプローチのやり方がいけないのかも……」

「いんや、そんなことは決してないよ、金城ちゃん。君のアプローチはほどよく距離感を詰めているから、逆に効果的なんだよ?」

「そ、そうなんですか?」

「そうなんだよ。ちょっと説明するね」


 音葉は店長に連れられて、女子従業員のみ入ることができる場所へと向かった。


「あんまり人に聞かれたくはない話でしょ、自分の恋の話ってさ」

「そ、そうですね……。お気遣いありがとうございます、店長さん」

「んー……」

「な、なんでしょう?」

「金城ちゃん、君って格好が派手なギャルっぽいのに、意外と目上の人に対しては丁寧なんだね。口調もかなり優しくなってるし」

「あ、あー……。ウチの家庭って、結構厳しめなんですよ。だから本来ならこういう格好とかしてるとすごく怒られるんです。でもゴリ押しすれば、勝手に両親が折れてくれますから! あと祖父母はウチにすごく甘いんです!」


 ふむ、と口元に手を当てながら静かに何かを理解する店長。音葉はそんな店長の次のセリフを予測していた。


「金城ちゃんって、もしかしてあの有名な『金城ホテル』を経営してる金城家なの?」

「や、やっぱり名字で察せますよねー……。大正解です……!」

「なるほどねー、だからこんなに丁寧なお嬢様言葉なんだ。納得納得ー」

「店長さん……! あんまりお嬢様って言わないでください……! ウチ、その呼び方あんまり気に入ってないんです……! 呼ぶなら名字か名前でお願いします……!」

「了解だよ。じゃあ金城ちゃんだね」

「はい、それでお願いします。ところで、店長さんがおっしゃってたアプローチの効果というのは、一体……」

「あー、あれね」


 突然、店長は音葉に身を寄せた。音葉は当然驚く。自分がなぜ店長とゼロ距離なのか、店長がなぜ自分とゼロ距離にまで近づいてきたのか、何もその意図は分からない。訳が分かっていない。


「わわっ! て、店長さん!?」

「こうやって身を寄せてみたり、顔を近づけたり、そういうふうにはしてみた?」

「してみた、というか、したことはあります」

「もっと実践した方がいいわね。バイト君、彼はどこからどう見ても……」

「どう見ても……」


 ゴクリと音葉は唾を飲み込む。


「童貞だっ!」

「……」

「童貞だからこんなふうに距離をガンガン詰めれば、女性の扱い方も分かってない陰キャな彼なら、そのうち向こうの期待が膨らんで、最終的にはゴールインになるはず!」

「なるほど!」


 すごく理解してそうな音葉。本当に理解しているのかは定かではない。


「金城ちゃんの今の距離感はすごくいいの! 絶妙なの! でももっとガンガンこっち側から責めていかなきゃ、ただあっちがドキドキするだけで無駄なことになっちゃうの!」

「自分から……自分から、ですね!」

「そう! だから金城ちゃん? もっと体を密着させたり、もっと顔を近づけたりしたほうがいいわよ! そうじゃないと、あのバイト君はオトせないわ!」

「ありがとうございます、店長さん! 明日から早速やってみます!」


 深々とお辞儀をして、まるで何か大事な商談が成功したみたいな時間だ。


 音葉はゲームの必勝法でも見つけた小学生のように、ルンルンで明日に期待しながら歩いて帰るのだった。

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