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5. 教えてよ、三谷


自分の気持ちに整理がつき始めたメイ。



あれから(可愛いの件(*´꒳`*)から)

まともに三谷の顔が見れない。



あー。今日も顔を見る勇気が出ないー…

でも目で追ってしまう自分にイライラしちゃうよ。。



今日は白いシャツに

濃紺と黒の間のダークな色のスーツ。

ジャケットの裏地はストライプ柄。

短めな黒髪に白い肌。

すらっとした三谷に全てがとても似合ってる…


横顔がちらっと見えると、

三谷の表情が気になって、

少しでも見たくなって、

瞬きするのがもったいない。



あっ!見えた!

笑ってる!!

目尻のしわや上がった口角。



ニヤニヤしてしまう…


はっ!!!いかんいかん!!

仕事に集中!!

そもそも私は三谷に苦手だと思われてる。

まずは仕事で認めてもらう!!




三谷のことが気になる気持ちがどんどん大きくなる。

それを抑え込むのが、

日に日に難しくなってくる。




仕事は忙しさMAXの繁忙期。


チームで連携をとりながら

仕事をすすめるのが基本だが、

この時期は特に

営業と事務が密にコミュニケーションをとる必要がある。



外出先の営業が外出先から

社内にいる担当事務に

電話やメールなどを使って

調べものや書類作成を依頼することが増える。



メイのチームも例外ではない。



三谷からのメール…


《長濱さん

 忙しいところごめん、

 A商事に去年提案したときの書類をデータで

 12:30までに俺に送ってくれないかな?

 30分しかないけど、できそう??》



あ!!三谷からだ。珍しい!!


三谷はメイに仕事の依頼をすることが少ない。

一人でなんでもできてしまうからだ。



去年のデータ??私の配属前の頃のだ・・・(汗)

そして、今が12:00だから…30分以内??

三谷、結構困ってるやつか…?!


やりましょう!やってやりましょう!!

まずは

私の事務力、認めてもらいましょう!!



《三谷さん

 承知しました。

      長濱》



そこからのメイは早かった。

資料庫へ向かったかとおもったら、

本社のデータベースにアクセスしたり

電話で他支店へ確認したり

フルスロットル。


三谷の希望する時間の5分ほど前にデータを送信できた。



《三谷さん

 データお送りします。

 念のため、過去3年分も。

 ご確認ください。

          長濱》



よしっ!!できた!!!

三谷、大丈夫かなぁ?

三谷を信じて応援するしかない。



安心してランチに行こうと立ち上がったとき、

隣の席の後輩、木村が真っ青になっていることに気がついた。


「どうしたの?木村さん。

 大丈夫??」


木村の目に涙が浮かび始めた。

木村は石川のチーム事務担当。


「あ、あの、

 石川さんに間違えたデータを

 昨夜渡してしまっていたことに今気がついて…


 石川さん、今日そのデータと菓子折りもって

 クレーム対応予定なんです…


 このままだと…

 取引停止になってしまうかも…

 大口のお客様なのに…」



手が震え出している木村をみて、

自分が新人だったころを思い出した。


わたしもよく加藤先輩に助けてもらってたなぁ…。



「まず落ち着いて!

 石川さんは何時からクレーム対応なの?」


「13:00からです。今12:35。

 もう、まにあいません…」



諦めかけてる木村にメイは



「大丈夫!

 わたしも手伝う!

 まずは石川さんに状況をメール…

 いや、電話してみよっか^ ^ 」



と声をかけた。

メイも内心はあせっていたが、

それを悟られまいと落ち着いてみせた。


メイは木村に電話させている間、

またもやフルスロットル。

状況把握を数分で済ませて、

データを集計しなおす。


クレーム対応訪問の直前に

正しいデータを完成させた。

木村の代わりに石川にデータを送信。



木村さん、無事に石川先輩に状況を話せたみたい。

よかったぁー…



「木村さん、お疲れ様。よかったよかった!

 もしものときは、また今日みたいに

 まわりと協力すれば大丈夫だよ。

 午後もがんばろ!」



真っ赤な目で木村はなんども頷いた。



昼休憩取得可能の時間が過ぎていたので、

メイは今日のランチを諦めた。


旅行土産に三谷が支店みんなに配っていた

おまんじゅうを食べながら



三谷は今日何時に支店に戻ってくるのかなぁ…



と時計を眺めながら 業務をすすめた。



その時、三谷からメールが届いた。


《長濱さん


  ありがとう♡(ハート)


          三谷》



三谷…

これは…

・・・ハート・・・??

ハートマーク??!!

キャラではないし、

私のことそもそも苦手っていってたよね?!…


心臓が高鳴る。


意図を知りたい、

教えて欲しい…

なぜ ハート?





———



夕方



三谷が支店に戻ってきた。


ハートの意味を知りたいメイ。


ど、どう聞こう?

どう確認するのが、正解なの?!

…ぐるぐる考えている最中だった。



三谷は自分の席につくやいなや、

メイに話しかけてきた。



「今日、ありがとね。

 助かった。。。

 …ほんとに。

 あの、

 あのさー、


 もし、よければだけど、

 明日の夜、ご飯でも、どうかな?」



えぇ?!

ふ、ふたり??

え?!!!デート?

ハートってそーゆー意味?!!



動揺しつつも、気にも留めないそぶりで



「あー…そうですねー…

 明日なら、大丈夫ですよ」



ってゆーか、毎日大丈夫ですー!!

大丈夫にします!!!

でもなんで?

いつ 「苦手」から「ハート」に?!

きゃーーーー!!!


うれしすぎた。

飛び跳ねたいくらいに。


喜びを噛み締めながら、

メイは喉も乾いてないのに

デスクに置いてあったタンブラーのコーヒーを

何度も飲んだ。


顔がニヤけるのを

誰にも知られないように…



知りたい 三谷のこと。





——————


次の日の夜




会社近くの居酒屋へ。



あーもぅ

遅くなっちゃったぁー



退社ギリギリに他部署からの業務協力依頼。

三谷は外出先から直接居酒屋へ向かうとのことだったので、

遅れる旨はメールしておいた。

もちろん私用携帯ではなく、

社用携帯宛に、会社のパソコンから。



お店の前についたところで、

カバンの中から鏡をだして…

おかしなところがないか最終チェック!


このまえ三谷に好評??だったワンピース。

今日もワンピースだと気合いを入れ過ぎてて

不自然か?!と思い、

パンツスタイルにしてみた。

でも、可愛さはプラスしたかったので、

淡いピンクのふんわりニットにしてみた。

ネットで見たら男子ウケgoodとのこと。



ドキドキしながらもお店に入ると、

お店の人が三谷の待つ席に案内してくれた。



ソワソワしながらに向かうと

そこには、


三谷…







だけじゃなかった( ̄◇ ̄;)



二人きりじゃないんかーい


´д` ;









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