表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/8

2. 今にみてろ、三谷(三谷視点)


長濱の配属初日。



お気に入りのブルーのネクタイ。


濃いブルーは俺のラッキーカラー。



「おはよう」

「ただいま戻りました」

「お疲れ様」

「ありがとう」


これから、どんなにたくさんの言葉を

長濱とかわしていくのだろう。



贅沢の極みー(*゜▽゜*)



とはいえ、

仕事で迷惑をかけないように

いままで以上に頑張らないと!!!


と嬉しさと真面目さが入り乱れる三谷は

ソワソワが止まらない。



そうこうしていると、

長濱が出勤してきた。



ぁーーーーなんと もはや!


女神。

女神だよ・・・



見てるだけ、見えてるだけでいい。

それだけで俺は十分幸せです。。。


そう思っていた矢先、


「おはようございます」


長濱に声をかけられた。


「おはよ」


返せた。

挨拶を返せた。


三谷はこれ以上ない喜びでいっぱいになった。

なんならデスクの下でガッツポーズ。




長濱は向かいの席に座った。

そう、俺とペアで働くこととなったのだ。


運命としか考えられない・・・


幸せを噛み締めるのでいっぱいだったところに、


「長濱さーーん、荷物きましたよー」


との声。



長濱が立ち上がる。


もちろん目で追う。



隣の席の石川先輩が

「おい、今日のアポ何時から?

 何時にここ出る?

 俺近くで商談あるから一緒に出ない??」

と声をかけてきた。



目線は長濱から離すことなく、

「あーーー、何時だろ、

 えーーーー、あーーーーーー・・・」

と中身のない返答。



「おい!?聞いてんの??」


もう聞いてない。



おや?ダンボール???

女神があの重そうな段ボールを…?!


ありえない!!

だれか、だれか、てつだえよ!!


…なんて思いながら、


体が勝手に動き出す。




長濱のすぐ斜め後ろまでつくと、




「どいて」




頭で考える前に

体どころか、

長濱に声までかけてしまっていた。



黙って ダンボールを3箱

長濱のデスクへ運びおえると

ふと我に帰った。




見てるだけでよかった。

見えてるだけでよかった。


長濱に自分から近づくなんて。

無意識に動いた身体に 驚いた。




席に戻ると


石川先輩がまた話しかけてきた。


「ねぇ、今から一緒に出よう。

 俺、ランチ奢るよ。

 早めにランチにしよう!

 ほら、その後の商談の準備も忘れんなよ!」




強引さに負けて、いそいそと準備し、

石川先輩と一緒に会社を後にした。





ーーーーーーー



ランチにて。



「お前、今夜の長濱の歓迎会行くの?」


石川先輩が食後のコーヒーを飲みながらおもむろに話題を変えた。


今月の個人業績の見込みについて話していたところ

急に話題が 長濱 にかわったので、

つい 口に含んだ水を吹いてしまった。


「お、おいおい  きったなーーー(汗」


石川先輩がハンカチを取り出し、

自身の袖あたりをポンポンと拭いている。


会話としては

なんの違和感もない

今夜の歓迎会参加確認。


しかし、三谷としては

待ちに待った会。



だからこそ同様を隠せなかった。



「な、なんでそんなこと急に聞くんですか?!

 いきますよ、いきますよ!

 同じチームの事務担当ですよ!!

 行くのは当たり前だし、

 行かないのはおかしいでしょ!!

 なんなんですか!?急に!!」



明らかなる同様と、

見たことのない三谷の反応に

驚きとニヤニヤが隠せない先輩。



「そーか、そーか・・・

 俺は応援するよ」


先輩のニヤニヤは止まらない。


「なんのことですか?え??は??」


先輩のニヤニヤを前に、

汗が止まらない。




「お前好きなんだろ、長濱のこと。

 挨拶だけでガッツポーズしてたの見てたぞ。

 ダンボールだって、

 他の男性陣が立ちあがろうとしてたところを、

 誰よりも早く駆け寄り、

 一人で3箱全部運んじゃうんだもんなー(ニヤニヤ)」




先輩は俺に今日の一部始終を第三者目線で見ていたことを伝えた。


顔が真っ赤になっていく三谷を前に

これ以上は、からかうのは違うなと悟った石川は、


「本当に好きなら、見てるだけはもうやめたほうがいいかもよ。

 お前が知ってるかどうかわかんないけど、

 長濱ちゃん結構人気あるよ。

 まぁ、本当に好きなら。。。って話だけどね。

 俺は応援するよ! 長濱は真面目だし。

 それに今がチャンス!!」



と三谷の背中を押した。



「・・・? 今がチャンス?」


三谷は質問をしたが、

石川の回答は別のところにあった。



「お前、好きなの認めるのな?!(ニヤリ)」



と嬉しそう。


さらに顔が赤くなるのを三谷自身も実感した。



「好き」と言うには少しおこがまいしいような

そう、この気持ちを言葉にするなら、

「気になる」これがしっくりくる。

・・・あー、なんか今日暑いな・・・(汗



三谷は久々に生活に小さな波が立つのを感じ、

それを心地よく思いながら、

午後の商談へ向かった。



ーーーーーーーーー



その夜のメイの歓迎会にて




女子A「三谷さん、ミサキ先輩がご退職されて、どなたとチーム組むんですかー??」

女子B「私、三谷さんさんと、組みたーい」




せっかくの歓迎会。

俺は長濱の近くの席がよかった。

どう言うわけかものすごく遠い席(涙)。

遠目に見ても輝く長濱。

可愛い・・・


今更、長濱の席の近くに移動するのも目立つよなぁ・・・

今移動すると 俺が長濱のこと気になっている と言うことに

ここにいる全員が気づいてしまうに違いないよぉ。。。

それは絶対の避けなければ(汗)!!!!



見てるだけでいい、

そう思っていたけれど、

今日の石川先輩の話は響いた。


そうだよ、誰かに取られて嫌だと思うなら、

行動に起こさないと。

その「行動」がなんなのかは未だ正確にはわからないけれど、

まず会話はしたい!


今日の目標は 会話。

彼女のことは前から知りたかった

もっともっと知りたかった

「会話」我ながら 程よい目標だ!!

・・・と思っていたけど、

なかなか難易度が高い・・・。




思い通りにいかない歓迎会に

三谷はもどかしさを感じながらも

通常運転で取り囲む女子たちとの会話をこなす。



「俺はこれから長濱と組むよ。

 苦手なタイプだけど。楽しみだよ。」



よし!!!

これでバレないはず。

俺が長濱のことが気になってることは絶対にバレてはいけない。

さりげなさも 我ながら good job !!




女子A「素敵ー。そーゆー,

    前向きな考えって大事ですよね!!」

女子B「長濱先輩、三谷さんと組めて恵まれてるー!」




え???そう??そうだよね?

長濱もまんざらじゃなかったりするよね??


お酒もあいまって、

三谷は少し自分に酔って気が大きくなり始めていた。



ふと離れた席の長濱を見て・・・

今日も癒された。


でも長濱はさっきより口数が少ないようだ。

お酒の飲み過ぎかな??



そんな姿を見ることができるなんて

今日はとっても幸せだ・・・



なんともお花畑にいるような三谷は

解散後、満足そうに帰路についた。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ